




その日は 出かけた ちゃぁ君が 帰って来ないので
廻りを探しに出かけた

今でも そこを通る度に 思い出す
≪ちゃぁ君 ちゃぁ君≫と呼びながら ゆっくり歩いていくと
≪みゃぁ~ん みゃぁ~ん≫ と小さな声
何処だ 上だ 見上げると ≪あっ あんな高い所に。。。 ≫

それは 大きな 大きなお屋敷の 突き出した 屋根の先で ウロウロしている ちゃぁ君
もう どうするの


≪すみません うちのねこが お宅の屋根から降りられなくて。。。≫ って
事情を話して… よかったぁ とても良い人で

≪どうぞ 上がってください≫って

≪ちゃぁ君 ちゃぁ君≫と呼んで やっと近くへ来たところを つかまえて
お屋敷の人に お礼を 言って 抱いて帰ったね
それも 洒落に成らないよ



もう一軒のお宅の屋根にも 謝りながら 二階へ上げて もらったっけね

そのお宅も 許してくれたね ほっ

降りられないなら もう 昇らないでよ って言いながら 帰ったよね

もう一回は 夜遅くなっても 見つからない


遠くまで 小さい声で ≪ちゃぁ君 ちゃぁ君≫と呼びながら 行くと
まあ まあ 遠いお宅の方から ≪みゃぁ~ん≫ って聞こえてきた
きっと あの辺だ 反対側に回って 小さい路地から入っていくと。。。
居たよ 居たけどさ どうやってつかまえようか。。。


ちょうど脚立が かけてあったんで それに乗って 着ていたカーディガンを
両手に乗せて 広げると 決心したように その上に 乗ってきた
もう お母さんは 不法侵入すれすれ だったよ


ちゃぁ君 もう一度 逢いたいよ



