立川です
先日スタッフ山崎が私に「よかったら読んでください」と
1冊の本をプレゼントしてくれました。
その本は「食堂かたつむり」という訳の分らないタイトルでした。
インド人の恋人に捨てられ、全てをなくし、そのショックで
声すら出なくなり、無一文で行くところもなく、折り合いの悪い
母親のいる信州の実家に戻る・・・・
そこから始まる心温まるストーリー。
内容は思い切りはしょりますが、主人公の女性ことりんごちゃん
は料理人目ざして、1人がんばって修行しながら、自分の手作りの店
「食堂かたつむり」をきりもりしていきます。
スタッフ山崎は「この主人公のりんごちゃんと立川さんがだぶるんですよね!」
と言っていた。
りんごちゃんは一日一組のお客様のために、彼女のエネルギーをすべて
料理に注ぎます。
自分の思いつきや得意な料理をつくるのではなく、ちゃんと事前打ち合わせを
して、お客様の好みはもちろん、そのお客様が今どんな状況にあり
何を満たしてあげれば幸せになるのかを、じっくり考えてあげるのです。
そういう意味で私が、お客様の衣装を作るプロセスとよく似ています。
頭の中でそのお客様が自信を持って踊れ、みんなに褒めてもらっている姿
を想像しながら、あれこれ作業していますから。
確かにもの作りの原点は人を幸せにするためにあると思います。
その技術は人を幸せにするためのツールなんです。
だから私はスタッフにツールを磨け、スキルを身につけろと
いつも言っています。
主婦だって家族を幸せにするために、せっせとお料理作ります。
誰かが喜んでくれるからがんばれるのです。
自分が作ったもので人が喜んでくれる・・・・これ以上の喜びって
あるんでしょうか?
農家の人も、大工さんも、パン屋さんも、靴屋さんもみーんな人を幸せに
してあげることのできるすばらしい人達なんですね。
そんなこといったら、人を癒す人、病気を治す人、人を育てる人、も同じ。
よく職業に卑賤なしっていうけど、本当ですね。
誰も喜んでくれないし、幸せにもしてあげられないような仕事をしていたら
儲かっていても辞めることを考えた方がいいですよ。
自分が食うためだけの仕事なんてむなしいし、さびしいですよ。
それはそうと、もし、「食堂かたつむり」実在していたら、是非行ってみたい
ですよね。りんごちゃんは私にどんな料理を作ってくれるんだろう?