(つづき)
万緑や羅漢のひとり徘徊す 餡子
〇(珠子)きっと麓の灯が気になったのでしょう。夜明けまでに戻れば大丈夫!
○(あちゃこ)仏が遊びに出たり徘徊したり…緑に誘われ暑さを逃れ。熱中症にはご注意を。
〇(楊子)意外な気づきです。そうかもしれない。
○(宙虫)万緑に彷徨う羅漢。ウォーリーを探せみたいな。
天の黙刹那吸い寄せ男滝 あちゃこ
○(仙翁)刹那吸い寄せ、面白い表現ですね。
〇 (多実生) 男滝と言われる所以でしょうか?
里山の天狗伝説田水引く 楊子
◎(アネモネ)天狗伝説いいですねえ!
○(餡子)然もありなん。どんな伝説か知りたいですね。面白そうです。
〇(珠子)この天狗は畏れられながらも、いざという時には村人を助けてくれたに違いありません。
○(あちゃこ)すとんと心に落ちる一句。中七に句の個性が生まれるんですね。
○(幹夫)天狗さまを侮る勿れ。天狗さまのご加護、豊作を託す。
〇(藤三彩)どんな天狗伝説?鞍馬山や高尾山だけかと思っていたが笠間にもあった。人と仲良くして欲しいな
〇(めたもん)昔は水利権争いが厳しく、田水引くことも大変だったらしいですね。上五中七の措辞に納得です。
◎(春生)豊かな水と豊かな文化を守っている里山。
○(ちせい)天狗伝説とは驚きですが、田水のこんこんとした感じが天狗を抑え込んでいるのかもしれません。
◯ (アゼリア)伝説には、土地に根付いた教訓があるのでしょうね。
田水入る家族総出の握り飯 藤三彩
〇(瞳人)機械ばかりの時代に
○(泉)家族総出の田植ですか。日本人の原風景です。
〇 (多実生) こんな時代も有りました。
◎(まきえっと)握り飯は去年、家族総出で作ったのではないでしょうか?家族ってよいなとこの句を読んで思いました。
雲涼し羅漢へ磴の青き闇 あちゃこ
◎(珠子)あの羅漢様への石段は確かに「青き闇」の中。同じ景が気になった私には出てこない言葉です。
〇(春生)雰囲気のある句です。
〇(まきえっと)下五の「青き闇」がいいですね。
都会に出て重い現実滝しぶき 泉
滝音のつかずはなれず羅漢まで 宙虫
○(アネモネ)瀧音が爽やかです!
○(餡子)この写真では滝とお寺との位置関係が想像できませんでしたが、きっと滝からそう遠く無い所と思うとこの句がすっきりとしてきました。
◎(道人)中七は私も含めて使いそうな措辞だが、一句としては秀吟。特に「羅漢まで」が言えそうで中々言えない個性的な把握。
◯ (アゼリア) 想像しただけで涼しくなりました。
〇(楊子)山の奥にある羅漢様までの情景が浮かびます。
六月や虎の旗までしをれけり 瞳人
一滴の湧き水滝へ大河へと 道人
〇(瞳人)あたりまえだけども…
青葉光岩間を逸る水飛沫 珠子
○(幹夫)眩しいほどの景だ。
〇 (多実生) 条件が揃った時の意外性が見えます。
〇(春生)これぞ日本の誇る景ですね。
○(ちせい)「逸る」に主客一如みたいな、内と外の合一に通じる様な、自然との一体感が有ると思いました。
気の遠くなりし石段雲旺ん まきえっと
〇(瞳人)応援してくれているのです
苔の花覆ふ四国の行者道 春生
◎ (アゼリア) 景が浮かんできます。
○(幹夫)行者道に「苔の花」の季語が適っている。
〇(藤三彩)お遍路さんの回る山道。石鎚山に登ったことがあるが清水でも知られる。
夏燕田の水に有る餌探し ちせい
羽衣の天女が昇る土用波 藤三彩
○(泉)ロマンチックな俳句だと思います。
清水汲む河川事務所の昼休み 楊子
◎(泉)淡々とした日常の風景です。今年は出水は来ないのか?
◎(あちゃこ)思いも付かなかった設定。水汲み大好き人間として、共感しました。気負いのないところが好き。
○(仙翁)いい所に河川事務所がありますね。
◯(道人)河川事務所らしいのんびり感がいい。
○(宙虫)河川事務所の周辺の環境を想像できる。
名瀑の水もて植田整えり 餡子
○(あちゃこ)形よい手練れた一句。滝と田水を繋いで巧み。
〇(春生)この地のおいしいお米が誇りです。
〇(あき子)「整えり」から、名瀑の水が入った植田のあとの充実感と誇らしさが伝わってきます。
〇(まきえっと)「植田整えり」への転換がいいですね。
あめんぼの空のほとりに地球人 めたもん
○(あちゃこ)空のほとりに、には少し違和感がありましたが、水面に映った景として頂きました。
〇(藤三彩)田水が入れば様々な昆虫やどじょうや蛙などの小動物が入って来る。人もまた畔にいそうだ。
百姓の笑みを湛へて代田かな 幹夫
〇(めたもん)機械化が進んだ今でもお百姓さんは大変です。苦労の後の喜びが笑顔となるのでしょう。
〇(あき子)その笑みが、水に映っているような映像を思い浮かべました。
〇(まきえっと)台風などの被害がなく実りますように。
こはごはと覗く滝壺滝の淵 アネモネ
◎ (多実生) 私も中学生の時、華厳の滝の滝壺のド迫力は今でも鮮明です。
◯(道人)畳みかけるような「滝壺滝の淵」の表現に臨場感あり。
○(ちせい)竜でも潜んで居ると思ったのかもしれません。自然に対する畏敬の念が佳句を生み出したかと。
○(宙虫)滝壺の迫力ある感じが出ている。
古寺の石段歪む青葉風 仙翁
山上に集う石仏夏の果 あき子
◎(めたもん)山頂に集う石仏は羅漢さんでしょうか。上五、中七の景と下五の季語がいい感じに響き合います。
◯ (アゼリア)山上の垂訓仏教版ですね。
今月の写真
一枚目・・・・七滝。熊本県御船町。高さ40m。七段になって落ちることから七滝。写真は落水口から・・・。
七滝 | 恐竜の郷熊本県みふね町 (mifune-kankou.jp)
三枚目・・・・十六羅漢。大分県竹田市。
観音寺 十六羅漢 | 観光スポット | たけ旅 take_tabi|竹田市観光ツーリズム協会 (taketa.guide)
広島は最近、雨ばかりでウンザリしています。まだ災害は出ていませんが、今後は分かりません。梅雨末期になると、毎年のように同じような場所に大雨が降りますね。今回は雄大な滝の写真、ありがとうございました。