梅雨末期。
幸いに当方の周辺では大きな水の被害はない。
今日も福岡や島根などで大雨が降っていたようで、まだまだ油断はできないようだ。
それにしても、高温多湿な梅雨の精神に与えるダメージは意外に大きい。
来週、梅雨明けとなるのだろうか・・・・
結果発表は二回にわけて・・・・
★結果発表
梅雨の朝ほほ笑み置いてベニシアは 瞳人
◎(藤三彩)6月21日、英国出身のハーブ研究家、ベニシア・スタンリー・スミスさんが死去した。72歳だった。大原のお庭はどうなるのかな
Uターン父と青田を見廻りに アゼリア
○(アネモネ)ナイスUターンです。
〇(瞳人)百姓をする気になりましたか
○(泉)都会から田舎へ帰って、農業を継承する。大変ですが頑張って下さい。
○(餡子)都会から故郷に、戻っての米作り!ですね。俳句の形としては、Uターンがやや浮いている感じがしますが、内容的には共感しました。
〇 (多実生) 稲作の初期の水管理は絶対条件で基本です。
◯(道人)近頃珍しい農業Uターン。Iターンなら稀に新聞等々で見かけるが、とにかくその志に共鳴。
○(ちせい)同じぐらいの緊張感が有ると思います。「父と青田を」が印象的でした。
〇(まきえっと)情景が目に浮かびます。美味しいお米になると思います。Uターンで切っているところがよいと思います。
植田風マラソン人が唾を吐く ちせい
〇(楊子)よくある風景かもしれませんが、季語の本意をいい意味で裏切っています。
大岩を叩く激流大出水 多実生
○(泉)今まさしく、大雨が降って大出水の地方があります。
○(仙翁)梅雨の季節、滝も水が増えますね。
〇(春生)今年は特に出水が多いですね。美しい景も一変します。
大空を写す植田もはや青田 多実生
○(アネモネ)稲の成長の速度なかなかです。
◎(あき子)ワイド画面の植田から「はや青田」への時間の中で営まれている、確かな暮らしが見えるようです。
仁王門青田の風を通しけり 春生
○(アネモネ)いい青田風!気持ちよさそうです。
〇(珠子)青田を渡る風の心地よさ。擬人化された仁王門が面白い。
〇(藤三彩)仁王門の発見が本句を活かした
〇(めたもん)厳つい顔の仁王像に優しく吹く風。気持ちのよい句です。
◯(道人)俳句の見本のようなシンプルな作り方が佳い。すっきりと景が見える。
〇(楊子)仁王さんと自然との取り合わせがおもしろい。
○(宙虫)緑の風の肌触りがいい。仁王門から広がる青田の景色を想像する。
暑き日のどこ吹く風の岩地蔵 あき子
◯(道人)炎昼の中での「岩地蔵」の悠然とした存在感が、使いにくい慣用句を使って巧く表現されている。俳諧味あり。
逆らわず急流を行く六月尽 まきえっと
阿羅漢へ百段供花の青田風 珠子
○(餡子)百段は結構きついですが、さわやかな気持ちになる句です。
○(幹夫)中句「百段」で切れるのだろうか。供花は阿羅漢にか?一斉に風になびく青い稲穂が尊い。
〇(あき子)青田風の中、百段を自分が昇っているような、動きが心地よい。
○(ちせい)信仰心でしょう。青田風にすら信仰心を感じる様な。
早苗田にうつる巨きな魑魅の影 道人
○(幹夫)人に害を与える化け物を「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」と呼ぶ。悪天候にも打ち克ち、豊作を願う。
〇(まきえっと)早苗田に映るといと雲などを思い浮かべますが、魑魅の影としたところがいいですね。
山頭火似の羅漢探せばまた郭公 アゼリア
◎(餡子)羅漢様の中には必ず自分に似た顔があるといいますね。「あるけばかっこういそげばかっこう」の山頭火を思う作者に郭公が・・・。何と良い情景でしょう!
〇(珠子)郭公の声は鋭くどこまでも聞こえます。飛んで行った遠くからも聞こえてきたのでしょう。
〇 (多実生) 郭公が懐かしい。
〇(藤三彩)「あるけばかつこういそげばかつこう」山頭火 酒もほどほどにしておこう
〇(めたもん)五百羅漢へ行くと、つい誰かの顔を探します。その時の気持ちを下五が巧みに言い当てています。
〇(春生)山頭火が表れそうか雰囲気。
〇(あき子)「また」がいいですね。幸せな気持ちになりました。
○(宙虫)郭公で決まり。
(選外)(道人)句材はとても面白いが、少しギクシャクした調べが惜しい。
万緑や極楽浄土へ長い坂 泉
〇(あき子)簡潔な描写に対して、季語が活きている。
青田風人影ゆれる通過駅 宙虫
○(アネモネ)通過駅がいい味出しています。
◎(仙翁)田舎のローカル線、いい景色ですね。
石走る垂水天空の沈黙 仙翁
生育の苗の不揃ひ青田道 アネモネ
○(仙翁)田植えをして暫くは、生長はそれぞれです。
〇(めたもん)朝、田んぼの見回りをしている方を見かけます。そう言われれば、生育はいつも不揃いです。
◎(ちせい)よく見るとでしょう。「不揃ひ」に観察眼が有ると思いました。
汽笛一声万緑の山動きけり 幹夫
◎(瞳人)ゆくりと動いてゆくのがいいですね
○(泉)蒸気機関車の汽笛は、大迫力です。
〇(珠子)めったに通らない汽車の汽笛一声。青葉の山々のざわめきが伝言ゲームのよう。
○(あちゃこ)どこか懐かしい景。山動くはよく見られますが、汽笛との取り合わせがすっと入ってきます。
◯ (アゼリア) スケールが大きくて気持ちの良い俳句と思います。
〇(楊子)古い詠みかもしれませんが納得です。
滝行の着替の下に置く新書 めたもん
〇(瞳人)余分なものをつい…
○(餡子)滝行をおやりになさる方は、いろいろと人生を深く思考する方が多いと思います。「新書」が非常に現実的であり、詩的であります。
◎(幹夫)一幅の絵画の様に、着眼佳く滝行の光景が詠まれている。
○(仙翁)煩悩があるのかないのか、迷いのさなかか。
◯ (アゼリア) 求道の姿勢が眩しいです。
◎(楊子)滝行と現実感が生々しい取り合わせ。今までにない詠みにひかれました。
◎(宙虫)滝行と新書の取り合わせが面白い。
(選外)(道人)滝行を実際に見たりしたことはないが、「新書」の意外性がいい。
(つづく)
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