着ぶくれて君が来るまで読む乱歩
立春大吉三秒間の死角かな
焙煎の豆はジャマイカ日脚伸ぶ
バリスタの赤いネクタイ春隣
モーニングコーヒー常緑樹の冬木の芽
珈琲道極めし店主風光る
如月のカフェから木遣歌の声
春めくやドリップポットの細き首
待春やしゅるるマシュマロ溶け無音
変わらない珈琲の味日脚伸ぶ
あとがきをまず読む女冬林檎
珈琲の香に足止まる冬の過ぐ
嘘の如光る珈琲冬の雨
珈琲で対話出来ない冬過ごす
マスターは聞き上手春へモカ薫る
流氷接岸珈琲の三分間
冬ざれを本屋喫茶の指定席
たむろしたカフェは穴蔵冬の猫
春隣珈琲店に脱稿す
モカの香や豆打ち足らぬ疫の年
春遠し昭和も遠し茶を喫す
アリバイの黒き珈琲雪女郎
バリスタの注ぐ一滴冬深し
梅が香や恋し心をモカ籠もり
星凍てり死角のようなカフェの隅
カフェ探す液晶地図に雪ひらり
毛衣を纏い死角の街にいる
待春の待ち合わせまで二十分
樽の豆モーニングケーキと冬の鳥
この先のまだまだ読めぬ睦月果つ
雪が降るブルマン見つめ別れの黙
春めくや斜め読みするミステリー
起死回生図る飲食鬼は外
チビチビと冷めたコーヒー日向ぼこ
ケーキはたっぷり珈琲は濃く春動く
ブラインドの隙を寒月モカ香る
ふつふつとコーヒーケトル春を待つ
四畳半ごと霜夜のタンゴ豆を挽く
珈琲を熱うせよ窓に初桜
立春やドロップコーヒーおもむろに
珈琲館の前に初荷の豆の樽
バリスタがブレンド当てる試験かな
コーヒーの香や待春のエアポート
三分間北の点滅の冬の星
水仙の木陰古びた喫茶店
常連の席ひとつ空け春隣
選句数6句(うち特選1句)
締切 2月7日(日)24時
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★★
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