大変お待たせしました。
ウィンドウズ10が入って、ワードがいよいよ動きが悪く。
そこで、パソコンを福袋で買って、いろいろ時間がかかってしまいました。
なにとぞ、ご容赦を。
すでに次回告知が出ていますが、何とか整理が終わってほっとしています。
では、選句一覧をお届けをします。
※母のことなどで、メールにていろいろ励ましをいただきました。ありがとうございました。とにかく母は元気です。
ですので、母以上に皆さんには元気な一年にしていただきたいなと思います。
もちろん、できる範囲の元気さで・・・・。張り切りすぎは危険ですよ。
結果発表
大歳の暮れて駅舎も駅の灯も アネモネ
○(瑠璃)歳の暮れていく様子がよく表現されていると思います。
〇(宙虫)駅の灯を並べたところが句を深くした。
数え日のヒーコーキ雲に帰る人 藤三彩
マンションが風の色変え蓮根堀り 宙虫
〇(まきえっと)「蓮根掘り」への展開が面白いです。高いものと地面の下との取り合わせが良いですね。
◯(あちゃこ)やや説明調ですが、茨城辺りの冬の一景が浮かびます。
(選外)(ちせい)季語は「蓮根掘る」。少し詩的に感じましたが、少しわからなかった。
たそがれの街を尻目に冬夕焼 多実生
尾羽立て気ッ風これ見よ初雀 瞳人
◯ (アゼリア) 雀にもお正月わかるのかな?
鉄骨の幾何学模様年新た 珠子
○(ちせい)季語は「年新た」。幾何学模様は芸術家を刺激します。
○(ルカ)無機的な模様に、何かを感じます。
〇(まきえっと)幾何学模様と捉えたのが良いです。
○(幹夫)大都会屹立のビルを「鉄骨の幾何学模様」と独創的に表現したところが佳い。また、季語「年新た」
◯ (アゼリア) 幾何学模様ー新鮮な表現と思います。
○(敏)今まで何気なく見過ごしてきた都会の風景も、年を新たにして見ると、整然とした美しい幾何学模様を呈していた、という感慨なのでしょう。
◎ (多実生) 鉄骨は幾何学的に組む事で強度が上がる。また、景観も良くなる。新年との組み合わせが新鮮です。
○(泉)本当に大都会は、鉄とセメントの幾何学模様です。人工的ですね。
〇(春生)「幾何学模様」がいいです。
○(アネモネ)「鉄骨の幾何学模様」いいですね。言い得て妙。
鉄路交差貫いてゆく去年今年 敏
○(泉)この鉄路が、去年から今年そして来年へと続くようです。
〇(まきえっと)交差は人生もそうですね。
望郷の犬の遠吠え冬茜 幹夫
◯ (アゼリア) お正月はできれば故郷で懐かしい人と迎えたいですが、両親が亡くなると故郷も遠くなりますよね。
○(敏)夕刻になって聞く犬の遠吠えは、誰しもに望郷の念をかき立ててくれるようです。
○(泉)大都会の犬の遠吠えが、聞こえて来るような光景です。
〇(珠子)数年前までは近所に遠吠えをする犬がいました。望郷と合わせたところが新鮮でした。
○(アネモネ)「望郷の犬」とは作者自身のことなんでしょうね。身にしむ句です。
(選外)(道人)大晦日あたりの句でしょうか。戌年生まれではありませんが、望郷の犬になった気分になります。
山茶花の見ている故郷への暮色 道人
〇(まきえっと)1年の終わりが近づくと「故郷」という言葉に重みがあります。
◎(餡子)今回の写真俳句では、故郷を詠ったものが多かったようである。
〇(宙虫)山茶花と故郷をつなぐのが暮色。ノスタルジックでいい。
故郷にまもなく除夜の鐘ならむ 仙翁
○(敏)故郷へと続くターミナル駅に立っていると、昔馴染んだ除夜の鐘の音がすぐにでも聞こえてくる、そんな感慨が揺曳しています。
○(餡子)故郷を出て、都会へ。マンションの高層階に住み、すっかり都会人になってしまった。今年は帰郷もままならず。大晦日の一日が暮れていく。今頃は村のお寺の鐘が・・・。
〇(瞳人)ペペ・ルモコという映画がありました。
○(瑠璃)除夜の鐘は日本中に鳴り響くのに上五で故郷にと限定しており 望郷の念が伝わってきます。
百の窓それぞれ百のお元日 餡子
◯(道人)最近は故郷が都会の人も増えて、マンションの中でそれぞれの元旦を祝うことでしょう。本当は田舎という故郷があって元旦を祝いたいものです。昭和過ぎるでしょうか。
◎(春生)この画像から、百の家庭を想像したのが手柄。
○(藤三彩)百が効いています。類句もありそうだけれど年初めの平穏さにほっとします。
冬晴にホテルとダイソー並びけり 泉
◎(ちせい)季語は「冬晴」。百均の代表格ダイソー。構図が面白いと思いました。
賀状貼るビル群甘き夕の風 あちゃこ
◯(道人)ビルの入口に貼ってある「賀状」なのでしょうか。「甘き」がよく分かりませんが、何となく良い感じ 。
冬の蟻いつもフェンスの向こう側 ルカ
◎(あちゃこ)深読みですが、孤独感が強く迫ってきます。社会との断絶さえも。
〇(宙虫)フェンスのあっちとこっち。どっちが住みよいのでしょうか・・・。
(選外)(ちせい)季語は「冬の蟻」。冬の蟻がイメージできませんでした。冬眠中なのかもしれない。でも詩的な気はします。
山茶花の空なら逃げる道がある 宙虫
◎(ルカ)山茶花に託した作者の思いを感じます。
◯(あちゃこ)今日も寒晴れ。解放感いっぱいです。
〇(珠子)逃げたいことはあります。逃げてしまったら楽になるかもとも思いますが、たぶんそうではないのでしょう。逃げる先の限定が山茶花の空っていいなあ。
いつになく赤山茶花の空見上げ まきえっと
年の暮娘に繋ぐ母の味 瑠璃
○(餡子)都会の年の暮。今やおせち料理も、デパートや通販などで用意する時代だ。我が家のお節の味も薄れていく昨今。この句のお宅ではしっかりと母の味、家の味が引き継がれていくのですね。
〇 (多実生) 自然に受け継がれる様です。
○(泉)お節料理でしょうか。最近は買う人も多いですが、やはり手料理ですね。
○(藤三彩)今時の娘がそう素直に云う事を聞くのかな。
冬の暮メトロポリスを猫走る ちせい
◯(あちゃこ)季語にやや違和感あるも、取り合わせが面白いです。
〇(仙翁)都会にも、猫は走っているでしょうね。
〇(宙虫)猫が走るんですね。面白い。冬の暮より冬夕焼けさせて猫の影を見せてみたくなる・・・。キャッツアイも魅力的。
冬はつとめて聡くなる旅の耳 珠子
◯(道人)清少納言ですね。冬の曙を見ると旅心が湧いて、そのまま二番電車くらいに乗ってしまいたくなります。
〇(春生)句またがりが効果的。
元朝や雀に日課のパンの屑 瞳人
○(ちせい)季語は「元朝」。何時もと変わらぬことを1月1日にも。清新の気。
◎(道人)初雀ではなく、元朝と雀の取り合わせが佳いですね。いつどこにいても、朝みかけた(いつどこにでもいる)雀にパン屑をあげる生活習性が味わい深い。かくありたいものです。
○(幹夫)御目出度き元朝も雀にとっては何の変哲も無い。
○(藤三彩)パンの耳があるパン屋が閉店した。残飯でもよさそう。名を知らない冬鳥もやってくる。
種宿す木の血脈よ去年今年 あちゃこ
冬薔薇戦火に流る血のごとし 泉
〇(春生)「戦火に流る血のごとし」にはどっきりです。
○(瑠璃)薔薇は美しい。しかし棘がある。血を薔薇で表現したところがうまい。世界中に平和が訪れるといいですね。
歳晩のふつと珈琲モカ・マタリ アネモネ
○(ルカ)しゃれた名前が歳晩に、ふと浮かんだのでしょう。思い出のある珈琲かもしれませんね。
◯(道人)一年間ご苦労様でした。独りで癒す歳晩のひと時の気持ちがよく出ています。
◯ (アゼリア) ふつー美味しそう。
○(藤三彩)鉄瓶で湯を沸かし、挽いた豆にゆっくりと回し入れる。香り立つ時間に充実感がある。
〇(宙虫)コーヒールンバがゆったりと流れだす。アントニオ古賀のギター。
暁の初富士を見る跨線橋 春生
◯ (アゼリア) 富士山を見ると力を戴きますよね。まして初富士ですもの。お正月らしい清々しい句と思います。
〇(仙翁)富士の見える跨線橋、いろいろな所にありそうです。
◎(瞳人)良い眺め方ですね。
○(瑠璃)お正月らしい句です。跨線橋から初富士が見えたと日常が描かれているところが何気なくていいと思いました
◎(アネモネ)三鷹の太宰の跨線橋を思い出しました。「初富士」がいいですね。
煤逃げのターミナル駅人恋し 道人
○(ちせい)季語は「煤逃げ」。終着駅で人が恋しい。句力も湧いて来る。
◎(まきえっと)駅を使う人混みが一段落したのでしょうか?「煤逃げ」と「人恋し」の取り合わせが面白いです。
◎(敏)煩わしい年末の大掃除を抜け出してターミナル駅に来たものの、思わず誰もいない寂しさに襲われてしまったという、この季節にはさして多くない諧謔味を含んだ一句。
〇(春生)「ターミナル駅」とは想像もしませんでした。
〇(珠子)煤逃げといえば男。言い訳いっぱいに出てはみたものの、煤逃げの旅に付き合うほど元気な相棒はいなくなってしまったってこと?
朱鷺色のあけぼの里へ初電車 アゼリア
◎(幹夫)元朝の初電車の様子が佳く詠まれており共感です。
〇(餡子)この句もやはり故郷への思い。
夕焼や人無き駅に去年今年 仙翁
◯(あちゃこ)感動の中心は夕焼。平凡な風景にこそ、感動を見つけたい。
寒椿背後に回れば密談し ちせい
〇(瞳人)人には裏があり。
○(藤三彩)何の話なのだろうか。暗い影によいことはなさそう。
結果発表2へ続く
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