日の暮れる時間が早くなりましたね。
ついこの間までは仕事の時間中は電気をつけなくても大丈夫だったのに。
また、パソコンの下の方に「日没」というような知らせがあります。
兼題:子
笛の子のひとり眠たげ秋まつり
葉鶏頭別子銅山までの地図
夜なべする背を見ている子供かな
はないちもんめ「あの子が欲しい」秋夕焼
見上げたり案山子殿かな聞く力
燗空きし徳利クッと子規庵か
背を伸ばし青柚子をもぐ報いの血
子曰く角ある湯豆腐独り立つ
子は熊手抱へて眠る日比谷線
子の運ぶ稲束父の組む稲木
秋祭り吾子腰ゆらし歌合戦
行方不明のあの子探して盆の月
稲子来る村道軽く跳び越えて
深秋や老いては従う子は遠し
貌を出す鬼の子空を知りたがる
唐辛子パスタに添える今日の空
袋菓子次々空けて運動会
両の手で支える梯子木の実落つ
子の刻の流星ひとつ富士の方
唐辛子干して鍛冶屋という屋号
ボール蹴る子供は親とあきざくら
障子貼るそばから猫の爪を研ぐ
取り外す妻の香ありぬ赤き羽根
テーマ:文房具
6Bの禿びし鉛筆蜜柑画く
PCで企画書を書く夜長かな
ガムテープとペンを使ひぬ秋気澄む
こんな夜は太きペン先十三夜
ペン胼胝の平らか夜なべ遥かなり
ポケットにペンとメモ帳秋の風
一等は帳面だった運動会
鉛筆を齧ると秋が深くなる
冠雪を告げる一筆モンブラン
雁渡し鉛筆で描く設計図
空高し朱の出なくなるボールペン
校正の付箋いくつも火恋し
ホチキスの針の整列鳥渡る
秋虹の弧に分度器の円合わす
十六夜か不意なるナイフ買い余罪
消しゴムで消えない記憶鶏頭花
赤子哭く改札口や秋の風
爽やかや左手に帽子右手にペン
ペン先に悪意がこもるうろこ雲
多角消しゴム消したい過去に赤のまま
駄菓子屋も兼ねる文具屋小鳥来る
夜寒かな爪立て外すホッチキス
露寒や押しても出ないシャープペン
雑詠
本流のみなぎる力雁渡る
一滴の目薬夜長膨らます
気化熱は素手のものです初値柿
久々のひとりの昼餉秋あかね
空箱をゆつくり畳む秋思かな
栗ご飯ほめて三昧三が日
五十年経つ廃墟ビル小鳥来る
校門の前の文房屋鳥渡る
咲き残る夾竹桃の赤一つ
ノーブラの一日勤労感謝の日
思い出の終わり曖昧芒原
実むらさき歩道が無ければ危惧をする
秋思ふと微妙にずれるペア時計
爽やかや年齢欄に古希と書き
太刀魚を煮つけ昨日に蓋をする
待ちぼうけリバーサイドの秋の音
谷中来て夕やけだんだん冬めける
秋祭飛騨の匠の凄き技
分度器で探す方向白き風
旅人に振る舞う一椀稲穂波
恋消して月下の道をひた走る
藁塚に凭れて明日を語り合ふ
壺焼きの芋ほくほくと取り出せり
★選句要領
★選句数
6句選(うち特選1)
選外のコメントも受け付けます。
★締切
10月22日(土)24時
★当番はまきえっとです(投句先メールアドレス)
makietto@nifty.com
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