桜は散ってしまいましたが、街中が花の色で賑わっています。
晴れた日を有効に使いたいです。
兼題:地
足が地につかぬ心地や新社員 泉
○(アネモネ)得心です。
地上絵をなぞるAI春の雷 卯平
○(餡子)私にとっては、地上絵もAIもはっきりと理解出来ない物です。 その取り合わせが妙。
露地裏や初音はつねと言ひつのり 瞳人
きれぎれの地縁は蝶が越える波 宙虫
花吹雪天地を返す音のして 楊子
○(アダー女)花吹雪のただ中にいる作者には世の中の一切の音は消え、なにか世の中がひっくり返るような変化を感じたのか、それは季節の変わりゆく音と言うよりもっと壮大かつ甚大な・・・いや、農作業で土を上下に入れ替える天地返しの音か?きな臭い世につい、恐ろしい解釈をしてしまいそう。
〇(仙翁)すごい吹雪でしょうね。なさそうで、ありそう。
阿蘇煙る地熱で蒸せる春野菜 藤三彩
〇(珠子)春の阿蘇に行ってみたい。災害のモトではありますが自然の恵みでもあります。採りたての野菜のうま味ぎっしり。
○(あちゃこ)自然と共に生きる明るさと温かさがいいですね。
○(餡子)同じように別府の宿で頂いた「温野菜」美味しかったなあと思い出して居ます。
◯(ルカ)新鮮さのぶつかり合い。
◯ (アゼリア) 春キャベツ、新じゃがなど美味しそうです。
〇(まきえっと)阿蘇の大きな景から春野菜へ焦点を絞ったのがいいですね。
地にありて死の軽きこと春残月 仙翁
◎(宙虫)天と地、ウクライナの地の悲しみが響く。人や動物を始め、様々な死。大地にたくさんの死が。
◎(ルカ) まさに実感する日々。
◯(道人)この「死」は色々読めるが今の時勢、ウクライナ戦争による無辜の民衆の死と捉えたい。理屈のようでありながら実感を感じる上12音が佳い。「春残月」の斡旋も同様。
草に血と花見ず皆は土地に柵 吾郎
○(泉)見事な回文だと思います。ウクライナ侵攻の事でしょうか。
○(あちゃこ)草に血と花の措辞にはっとさせられました。人間の業を感じさせる見事な回文。
○(宙虫)諍いの結果。人間は柵を作り・・・・。
〇(仙翁)ウクライナの様子がよく見えます。
〇(まきえっと)「柵」がなんともいえないです。
地の果ての幸い夢む鳥雲に 敏
立子忌や大地はしかと大樹抱き アダー女
○(ちせい)立子の俳人性の確かさを的確に詠んで居ると思いました。
〇(珠子)明るく伸びやかな立子句に似合う大らかな景です。
〇(あき子)大地に根を張った大樹が、空に真っすぐ立ち上がる大きな景色。
◎ (アゼリア) 囀りをこぼさじと抱く大樹かなの本歌取りでしょうか?だだだと続きリズムが良く惹かれました。
〇(まきえっと)大樹抱きがいいですね。
(選外)(道人)立子句の「囀をこぼさじと抱く大樹かな」に呼応して、その大樹を大地が「しかと抱く」とは本歌取りの忌日句として秀逸。巧すぎるのが難点。
白地図の町に引っ越し春の虹 ルカ
◎(卯平)白地図の町から導かれるのは3.11で復興した町を想像させる。復興した土地に帰って来た作者の心情。春の虹にそれを託している。佳吟
○(吾郎)まずはまっさらなところから始めよう。
(選外)(あき子)白地図の町ってどんな町なのか、気になります。
電柱に見慣れぬ番地桜まじ あちゃこ
○(卯平)夢の世界の事であろうか。このような夢を見る事はありそうだ。「桜まじ」がファンタージの世界を包み込んでいる。上手い句。
○(吾郎)散歩は楽しみでもあり、冒険でもある。
◯(ルカ)知り尽くしている近所の異変。
◯(道人)よくあるが中々句には出来ない。この気付きに取合せた「桜まじ」が見事
〇(あき子)何か不穏な気配だが、季語のリアル感が面白い。
ゆっくりと止まる地球儀春の宵 餡子
○(アネモネ)写実を越えて奥が深い。
〇(楊子)何をか況や。平和を願うばかりです。
○(卯平)ある面では今の世界情勢だろう。今の情勢は地球儀がまるで止まるような景。ゆっくりと止まると言えば、また地球温暖化を揶揄してもいるだろう。しかし同時に春の宵から地球儀をゆっくりと廻している作者の孤独感も伺える。
〇(仙翁)何となく、時間が止まったように面白いですね。
三鬼の忌地下劇場に待つゴドー あき子
〇(藤三彩)西東三鬼とサミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』の取り合わせ。なんか怪しい。
選外(卯平)下五「ゴドー」は新言語だろうか。地下劇場のドラマ性と三鬼の忌は面白い。「ゴドー」を理解できれば選の対象。
城跡に絵地図開けば桜蘂 めたもん
○(卯平)バーチャルでこの城跡を見ているのだろう。そこに仮想世界に展開されるのは江戸時代の絵地図。先日の「ブラタモリ」の事か。そうでなくてもこの景は納得できる。櫻蘂でそのバーチャルな景と現実の景との落差を感じる。
○(アダー女)きな臭い世の中にまったりと長閑な句に出会い、ほっとします。「この辺に天守閣があったのかあ。」と広げる絵地図にはらりと桜の蘂が落ちてきて空を見上げる作者の姿が見えてきます。
○(敏)絵地図に降りかかる桜蘂は、かつてこの地で繰り広げられた戦乱の際に飛び散った血潮を想起します。
◯ (アゼリア) 景が浮かび、美しい句と思いました。
雨音のしづかに深く春落葉 道人
国境の美しき地図鳥帰る まきえっと
○(ちせい)鳥の帰って行く地が美しく望見されて居ました。
〇(楊子)あらためて国境は厳しさゆえに美しさがあるのでしょう。島国に住んでいるとわからない厳しさです。
◯ (アゼリア) こういう時だからこそ国境の美しき地図という言葉に惹かれました。
地球儀に深き爪痕春の逝く アゼリア
○(アダー女)ドローンだか衛星写真だかで見るウクライナの無惨に破壊された街。大きく深い傷跡。「地球儀に」の表現がなぜか修復不可能な深き傷跡に思えてきて心にグサリときます。
◎(餡子)耐えられない辛さは皆、感じていることでしょう。画面で見る状況は、まさに傷・・・。特に子供達の心の傷は。
選外(卯平)今の時事であろうか。このように傍観的な句でまとめてしまうのはよくしがちなこと。
清明の地図にはぐれて鳶の輪 珠子
○(あちゃこ)のどかな旅の発見。中七がいいですね。
○(宙虫)解放感溢れる句。自由を手にした鳶がうらやましい。
雀の子大地の砂粒まで食べる ちせい
○(泉)ユーモラスな俳句だと思います。
〇(めたもん)中七の「大地」から雀の子の生命の力強さが伝わります。
日永さの地べたに釘を刺すあそび アネモネ
○(アダー女)「クギさし」という遊びなんですね。しかも五寸クギとは。こんな危険な遊びがあることを初めて知りました。男の子だけの遊びなんでしょうね?でもかなり厳しいルールがあるらしく、そうやって子供から大人に成長して行くのでしょうね。
○(餡子)今はどこも舗装されているので、こういう遊びも見られなくなりました。地面に釘を打って自分の陣地を増やしていく遊びだったと思います。男の子に混じってよくやりました。
◎(敏)この句から幼い日に遊んだ釘打ちを思い出し、懐かしくなりました。まさに日永一日夢中になったものです。
テーマ:鳥
「火の鳥」に乗りて舞ひ下る四月かな 卯平
つい買ってしまう絵はがき鳥帰る まきえっと
○(卯平)何故か後で見る事は殆どないのに、名所旧跡で絵はがきを買うことは私を含めて凡人の日常。「鳥帰る」でその凡人である自分をどこか認める気持ちが伺える。上手い句。
◎(藤三彩)美術館に寄るとついつい買ってしまう。
ツバメ来てご近所さんらと立ち話 アダー女
○(泉)井戸端会議は延々と続きます。
何となく安堵の気持つばめ来る 泉
○(ちせい)燕の雄姿に安堵したのでしょう。
岩つばめ鳴きつる沢の遭難碑 道人
〇(めたもん)悲しげに高く鳴く岩つばめ。遭難に対する思いが伝わります。
◯(ルカ)遭難碑。岩つばめが山の険しさを語ります。
虚子の忌の朝を雉子の声しきり アネモネ
◎(珠子)雉が縄張りを張る声でしょうか。虚子忌のころは抱卵の始まる季節でもあるでしょう。調べも良く、取り合わせに惹かれました。
○(敏)わが家の周辺で見られる鳥の中で最も大きいのが雉子で、今朝も相方を求める雄の声が聞こえました。俳句界の巨人虚子の忌は四月八日でしたね。
◎(まきえっと)取り合せがいいですね。よく考えられています。
鳥曇捨てる為にはメモをして ちせい
◯(ルカ)最近引っ越しした私も共感。
選外(卯平)中七下五の日常は納得。鳥曇をこの句でどう読み解くか。軽くフェイントをかけてはいる。選候補ではある。
let it be 刻を忘れた恋鴉 あちゃこ
◎(めたもん)何といっても上五ですね。「let it be」はそれらしく読むと五音になります。
◯(道人)鴉の恋は正に「let it be」
選外(卯平)あくまで「ことば遊び」だろう「刻を忘れる」とは演歌でもある。「恋鴉」はどうやら歌にあるらしい。「恋鳥」でもましてや「恋鴉」にも季感は全く伺えない。「チコちゃんに叱られる」の「江戸川慕情」は案外カラオケで人気かも知れない。
時刻表さらに疎に初燕 アゼリア
○(アネモネ)時代ですね。
○(餡子)燕には時刻表など無くても間違いなく戻ってきます。燕を見ると心が浮き立ちますね。本屋には大判時刻表が積まれていましたが、今は手に取ることもすくなくなりました。
○(吾郎)年々進む過疎化と路線の減便廃止をツバメは見ていた。
○(宙虫)地方のバス停の時刻表と燕の対比がいい。
〇(あき子)元々少ない本数がさらに疎になるけど、初燕は忘れずにやって来る。
春の空おゝい滂沱の止らぬや 瞳人
雪形の鳥見え村が動き出す 餡子
◎(アネモネ)景が浮かびます。
〇(楊子)「雪形の鳥」という不思議な感覚にひかれました。
〇(藤三彩)白馬五竜の雪形に真田菱が現れる。雪形が季語になるかどうかは怪しい。
〇(珠子)村中が活気に満ちて・・・とまではいかなくとも、それぞれの農家は予定通りに着実に動き出します。
◎(アダー女)雪解けの時期、雪国では山に馬の形がみえるとか聞きますが、この地方は鳥なんですね。岩手山には鷲型の地面が見えるとか。これが見え始めるとそろそろ田植えの準備。まさに野良仕事が始まるのですね。季節とともに人の生活が動くなんて長閑で四季のある日本ならではの風景で素晴らしい!
○(敏)鳥の雪形というのは見たことはありませんが、相当大きな鳥を模したのでしょうね。ともあれ「鳥見え村が動き出す」の表現は現実的だと思いました。
〇(めたもん)農作業の時期を知らせる雪形の大きな景。上五の「鳥」により躍動感が出ています。
〇(まきえっと)春を待ち遠しく思う気持ちが良く出ています。
選外(卯平)この手の類似類句は五万とあるだろう。特に東に住む俳人はこの景から佳吟を導いているだろう。私は旅してもこの景に巡り会った経験はない。
潜くあり飛び立つもあり春疾風 敏
草踏めば軒より三羽雀の子 仙翁
◯(ルカ)偶然の幸せ。
頂きの鳥瞰春蝉鳴き始む 藤三彩
鳥交るフェイクニュースの次々と ルカ
○(瞳人)21世紀の戦争がニュース合戦とは、目から鱗と知りました
〇(楊子)現実とフェイクはつねにまじりあって伝わります。どうあれ命の営みだけは続きます。空に視点があるので空爆のニュースを想像しました。
選外(卯平)時事句ではあるがどこか川柳に近い。季語が入っているから俳句であるとは言い切れない。逆に川柳として発表された句でも俳句としの詩情が伺える場合もある。下五「次々と」でこの場合は完全な川柳にも成り切っていないのではないか。
UNIQLOの入る駅ビルつばくらめ めたもん
〇(珠子)わが町の駅は長年たくさんの燕の巣を許して来たのですが、今年突然に網をかけて巣をシャットアウト。かわいそうに燕が連日迷っていました。
選外(卯平)上五に作者の工夫は見えるが報告句を出ていない。このような景の句は数多では。
天変地異語る年輪百千鳥 珠子
選外(卯平)年輪に天変地異を感じているのは作者の観念。年輪と言う「コト」から導かれる「モノ」に託してこそ、天変地異を読み手に伝える「コトバ」が導かれるのではないだろうか。その為には年輪を何時間でも何日も観察するしかない。「年輪」の句材は大切にしたい。
田打機の曲れば曲る鷺の尻 楊子
◯(アネモネ)ほんとそうですよね。
〇(珠子)鷺だけでなく鶺鴒も椋鳥も、そして鴉もついてゆきます。次々に掘り出される御馳走には機械の轟音もなんのその。
〇(めたもん)田打で出てくる餌を求めて付いて行く鷺。観察の行き届いた中七がいいですね。
母校あと土台野ざらし初つばめ あき子
○(ちせい)荒廃を嘆くよりは寧ろ希望持って居る様な句だと思いました。
○(宙虫)年に一度、燕の季節。変わったもの変わらぬもの。静かながら明るい光が注ぐ。
陽炎をつつくくちばし世田谷区 宙虫
○(餡子)世田谷区ときましたか!陽炎と何となく合っています。他の区ではだめと思わされます。
(選外)(藤三彩)世田谷区の境界線が鳥のかたちに見えるということです。
鷽姫よ啼くや苦厄な嫁悲愴 吾郎
◯(道人)時代は変われどジェンダー問題は昔も今も同じような。季語が見事に嵌まった。回文句での季語の斡旋が如何に大事かの模範のような句。
雑詠
ふいに吹く風にほつるる双つ蝶 めたもん
○(アダー女)仲良く二羽で飛んでいた蝶が不意の風で引き離される様が「ほつるる」という措辞で綺麗に表現されています。
◎(吾郎)吾妻橋の辺りか…人生流転。
◎(仙翁)ほつるることがあるのか、何となく、おかしみがあります。
英雄の履歴書ゆらぐ蜃気楼 あちゃこ
○(ちせい)英雄も蜃気楼も揺らぎ、履歴書は歴史を越えて居ると思いました。
○(宙虫)柔道着を着た姿がいまや・・・・。
選外(卯平)蜃気楼だから揺らぐだろう。果たしてこの英雄はプーチンか、それともウクライナの大統領か。ウクライナの大統領はそう言えばかってはコメデイアンだったとか。この侵略を受ける前は支持率は低迷していたが、この侵略に立ち向かう姿はウクライナ国民ならず、大半の世界中の人々が英雄として賞賛している。
花桃や駅舎に暗き蛍光管 餡子
〇(楊子)明るい花桃との取り合わせにひかれました。まだ地元の人が利用する小さな駅なのでしょう。
○(あちゃこ)明暗の効いた確かな写生句。当地は梨が花盛り。
〇(仙翁)暗い蛍光管で、駅の景色がよく見えます。
◯ (アゼリア) 無人駅に咲く桃の花が目に浮かびます。
〇(まきえっと)外の明るさとの対比がいいですね。
蒲公英の絮いづ方へ飛ぶ構え 道人
○(敏)タンポポの絮毛が風を待っている姿を詠んでいるのでしょう。面白い擬人化ですね。
ふと香る風柔らかきなずな花 仙翁
丘登る筍飯をおにぎりに 藤三彩
○(瞳人)頂上に来て、ほおばる眼下に何が見えますか
教科書の角ぴんとして四月来る 楊子
○(卯平)まだ新しい教科書は角が丸くなっていない。「四月来る」で説明していない。これが「新入生」であれば陳腐な句でしかない。
〇(仙翁)新学期の始まりですね。
◎(あき子)何もかも真新しくて、角ぴんとしてた四月の緊張と喜び。
◯ (アゼリア) 勉強の嫌いだった私でも真っ新な教科書を手にすると嬉しかったです。
散り急ぐ桜よ語り尽くせぬこと アダー女
〇(めたもん)破調の独特なリズムが内容にうまく合っていると思います。
春月やテープ千切るる最終便 卯平
飛花落花その半日を飛鳥山 アネモネ
〇(藤三彩)渋沢栄一の住んでいた飛鳥山。2024年から新一万円札の顔になる。
○(吾郎)その半日──がいいなぁ。
吹ききって夢のかたちのしゃぼん玉 ルカ
◎(ちせい)花が開いたような、夢が叶ったような感じがいいと思いました。
○(敏)「夢のかたち」の取り方は人それぞれでしょうが、私の夢の中のしゃぼん玉はなかなか像をむすんでくれませんでした。
水かげろう息ととえる蝶の翅 珠子
◯(道人)蝶の息遣いが伝わって来る。「水かげろう」の使い方の妙。
戦争とスポーツニュース四月尽 あき子
◎(瞳人)全くこんな4月は聞いたことない、片やスポーツでよかったな
◯(アネモネ)戦争を憂いつつそんな毎日です。
○(泉)この二つのニュースを見て、四月は終わりました。
(選外)(道人)事実のみを書くことが一番説得力がある。平和ボケの日本人の典型のような私。
めげている場合じゃないぞしゃぼん玉 まきえっと
○(瞳人)そうだ、シャボン玉だって、蚊の槍持って戦場へ行こう、気持ちだけは
◎(泉)この俳句から元気をいただきました。
〇(藤三彩)「しゃぼん玉飛んだ、壊れれて墜ちた・・」というフォークソングがあった。頑張れ!
穿ち出す死にたい田螺巣立ちが鵜 吾郎
猫の子の稀に見たきと思ひけり 瞳人
〇(あき子)大げさに気取っているところがいいですね。
脳トレの四則演算春の風 アゼリア
○(泉)認知症予防に脳トレは必須です。
○(あちゃこ)かつて脳トレ俳句が賑やかでしたが、春風が効いていて新鮮です。久々にチャレンジしてみようかな。
廃院のカルテの余白郁子の花 宙虫
◎(楊子)「廃院」が効いています。「郁子」という野にある蔓植物もうまく絡んでいます。
〇(藤三彩)アケビ科郁子(ムベ)の花が近くの公園で咲いている。むべなるかなとの連想で「いかにも、その通り」カルテは何処に?
◎(あちゃこ)廃院となった後の患者のカルテは、何処かに引き継いで貰えるのでしょうか。カルテの余白が様々な想像を掻き立てます。郁子の花は知りませんが、同種の慎ましやかな通草の花には思い出があります。
○(吾郎)むべなるか…余白は生か死か。
◎(道人)地味な句だが、「郁子の花」の地味な一途さが廃院の歴史の長さと深さをうまく表出している。
飛花落花第九条はただ空虚 泉
○(瞳人)この空虚を埋めんとする乃公よ、次々、出でよ、現実を見ようとしない政治家ばかりだね
〇(あき子)うーむ。空虚ですか。季語の美しさが空虚感を増幅している。
葉桜となりたる後の静寂かな 敏
橙色の缶に葉付き絵春の雨 ちせい
★★次回をお楽しみに。
広島は今日は雨の一日でした。気温は微妙ですね。気を付けないと、風邪をひきそうですが、新型コロナと紛らわしい。ともかくも、平和がこれほどに有り難いとは、歴史は動きます。