冬物を仕舞ったと思ったら、この寒さ。
Woolの服を引っ張り出したりと忙しいです。
早く落ち着くといいですね。
兼題:地
足が地につかぬ心地や新社員
地上絵をなぞるAI春の雷
露地裏や初音はつねと言ひつのり
きれぎれの地縁は蝶が越える波
花吹雪天地を返す音のして
阿蘇煙る地熱で蒸せる春野菜
地にありて死の軽きこと春残月
草に血と花見ず皆は土地に柵
地の果ての幸い夢む鳥雲に
立子忌や大地はしかと大樹抱き
白地図の町に引っ越し春の虹
電柱に見慣れぬ番地桜まじ
ゆっくりと止まる地球儀春の宵
三鬼の忌地下劇場に待つゴドー
城跡に絵地図開けば桜蘂
雨音のしづかに深く春落葉
国境の美しき地図鳥帰る
地球儀に深き爪痕春の逝く
清明の地図にはぐれて鳶の輪
雀の子大地の砂粒まで食べる
日永さの地べたに釘を刺すあそび
テーマ:鳥
「火の鳥」に乗りて舞ひ下る四月かな
つい買ってしまう絵はがき鳥帰る
ツバメ来てご近所さんらと立ち話
何となく安堵の気持つばめ来る
岩つばめ鳴きつる沢の遭難碑
虚子の忌の朝を雉子の声しきり
鳥曇捨てる為にはメモをして
let it be 刻を忘れた恋鴉
時刻表さらに疎に初燕
春の空おゝい滂沱の止らぬや
雪形の鳥見え村が動き出す
潜くあり飛び立つもあり春疾風
草踏めば軒より三羽雀の子
頂きの鳥瞰春蝉鳴き始む
鳥交るフェイクニュースの次々と
UNIQLOの入る駅ビルつばくらめ
天変地異語る年輪百千鳥
田打機の曲れば曲る鷺の尻
母校あと土台野ざらし初つばめ
陽炎をつつくくちばし世田谷区
鷽姫よ啼くや苦厄な嫁悲愴
雑詠
ふいに吹く風にほつるる双つ蝶
英雄の履歴書ゆらぐ蜃気楼
花桃や駅舎に暗き蛍光管
蒲公英の絮いづ方へ飛ぶ構え
ふと香る風柔らかきなずな花
丘登る筍飯をおにぎりに
教科書の角ぴんとして四月来る
散り急ぐ桜よ語り尽くせぬこと
春月やテープ千切るる最終便
飛花落花その半日を飛鳥山
吹ききって夢のかたちのしゃぼん玉
水かげろう息ととえる蝶の翅
戦争とスポーツニュース四月尽
めげている場合じゃないぞしゃぼん玉
穿ち出す死にたい田螺巣立ちが鵜
猫の子の稀に見たきと思ひけり
脳トレの四則演算春の風
廃院のカルテの余白郁子の花
飛花落花第九条はただ空虚
葉桜となりたる後の静寂かな
橙色の缶に葉付き絵春の雨
★選句要領
★選句数
6句選(うち特選1)
選外のコメントも受け付けます。
★締切
4月22日(金)24時
★当番はまきえっとです(投句先メールアドレス)
makietto@nifty.com
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