第511回小麦句会投句一覧（10月22日選句締切）

「今日も地球の平和をまもったぜ！！」とジョージアのCMがありました。
どうぞ守ってください。

兼題：伝
宣伝は大当たりして花野かな　
伝承館の歌は錆び声稲掛ける　　
猫の髭動きで伝える秋の雨　　
一徹の贔屓伝へよ秋の更迭　　　　　　
伝へ聞くブチャの惨劇裂け石榴　
遺された友の伝言忘れ花 　　
わたくしに万の遺伝子鰯雲　　
露の玉の伝わり落ちる大地かな　　　
伝言はメモも渡して月見酒　　
あやふやな伝言ゲーム秋高し　　　
パンではさむ再会寒さは伝播　　
人生は伝言ゲーム穴惑い    
そぞろ寒チョークで書きし伝言板　　　　　　
伝説の人の真実藪枯らし　
長き夜の阿Q正伝読み飽きて　 
秋潮の伝言きな臭い地球　　
はらからの遺伝子うねる稲の秋　　
手伝いの小さな鋏柘榴裂け　　
鬼灯の種ぬくことも子に伝へ　
伝（つて）絶えて朱い鬼灯残る街　　
伝統を混ぜながら飛翔赤蜻蛉　　　　　
口伝の津軽三味線秋闌ける　　　　　

テーマ：文房具に関する
コンパスの美しき丸十三夜　　
秋の夜や手になじみたる万年筆　　　　　　
ペン胼胝の平らかとなり長き夜　　
メモ帳とペンは百均秋を詠む　　
６Bで描く初めての竜田姫    
青色のインクを溢す秋高し　　　　　　　
延命はしない夜長のペンの音　　
鉛筆を削る快楽稲穂道　　　　　　　
鉛筆を使い切る癖敗戦忌　
シャーペンに鷲の紋章小鳥来る　　　
結局はノートとペンに帰り花　　
見つけたよ棚から品番新手帳　　　
細筆の指に馴染んできたる秋　
秋めくや鉛筆削る匂いして　　
神が揉め冷まじ魔刺すメモ紙か　　
コピー紙の凹凸の影秋深し　　
赤色のクレヨン禿びし秋夕焼　
ペン先に宿る秋思の淡き色　
定規当つ投句葉書や十三夜　    
天高し八冠囲むサインペン　
文箱の抽斗の鍵無患子の実　　　　　
方眼のノートを虫の夜に開く　　

雑詠
ハチ公に休日は無し神無月　　　　
稲雀低空直線飛翔かな　　　　　　　
黄金田に夕日の廻るハイウエイ　　　　　　　
海涼し人みな魚に成りたがる　
草紅葉案内板のなき明日　　
幾重にも果つる黄紅葉無人駅    
巨人ファン善人説とな萩の花　　　
銀杏黄葉散る濠の跡廓跡　　　
懸崖菊十二単の裾引いて　　
紅葉の奈良俣ダムはロックフィル　　
樹々ゆらす神の秋思がからむ街　　
秋渇き日本で餓死は難しい　　
昇る月支えて暗い山脈（やま）の影　
信濃柿真ん丸まんま飢餓の無し　　
新松子眺めつ二人暮しかな    
人間を畏れぬ鹿とむかひ合ふ　
鳥渡るコンビナートは銀色に　
道行く人見上ぐたわわな青蜜柑　　　　
二軒目は手づから酌みし新走　
馬がいた生家の間取り雁の棹　　
白鳥飛来告ぐ駅前の伝言板　　　　　
梨食うや我の体もほぼ水か　

★選句要領
選句数６句（うち特選１句）
締切　10月22日（日）24時
選句コメントをつけて送ってください。
選外のものでもコメントしたい句がありましたら、コメントを受け付けています。

★当番はまきえっとです（選句送付先メルアド）
makietto@nifty.com

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