おはようございます。
お待たせ致しました。
兼題:分
分煙は長閑な角の半円部
麗らかや丹波は名のみ分水嶺
ぱつきんと割つて根分けのあやめ草
真夜中に天下分け目か猫の恋
カップ麵分け合う絆三月尽
鳥雲に分水嶺を遠巻きに
分け隔て設ける土地に風光る
目分量で開花予想の町会長
物分かりのいい野辺送り春時雨
三分の長さ短さ卒業式
春嵐六分の侠気四分の熱
分数に和差積商こぶし咲く
無人駅より無人駅花三分
春泥や分院の待つ当番医
ぶらんこを揺らしピエロの気分かな
あと五分あともう一分春眠し
二時四十六分春天に祈る
草を分け水路を巡る小さき舟
鳥雲に入る理科室に腑分けの図
テーマ:むずむず
いのち賭し風に巻かれる杉花粉
口止めの些細な話黄砂降る
花粉症まだ煌々と耳鼻科の灯
あくせくと生きむずむずと花粉症
春の夜むずむずして来る歴史性
気もそぞろ噂春風くすぐられ
桑嗅ぐや痴れぬ間濡れし夜具乾く
啓蟄や油圧ショベルが地平線
滑舌のふがふがふがと花粉症
春マスクすれば他人の鼻となる
山桜秘湯巡りの旅に出る
花粉症言いたきことはうやむやに
指相撲の指の不機嫌鳥雲に
蛇穴を出でむとせしに風強し
春の風散歩コースに打球音
ピーターパンを見た子見ない子花菜風
遅れたる終礼春の新刊書
縛られぬひとりの予約山笑う
半腰になって打順を待つ春野
雑詠
オムレツとウィンナー食べる春の朝
冴返る背中合わせの駅の椅子
胃が屋台段継ぎ積んだ板屋貝
開いては閉ぢて遅日の水くらげ
空つぽのランドセル背に花の下
犬ふぐり花に初蝶いとおかし
銭湯の消えて春月残る町
皇后の疎開の地なり白鳥引く
三月十日体操に来て祈る
耳そっくり残すトースト春愁い
庭石に置物のごと牛蛙
道という道をなくしてゆく春野
犬ふぐり下校途中の立ち話
独活を掘る演習場の昼下り
馬刀貝を舌噛みさうな町スペインで
無いはずの元号「安晋」万愚節
夕東風やひとの恋しき匂ひあり
露座仏の背ナに焼痕こぶし咲く
六十路には小さき拳風光る
★選句要領
★選句数
6句選(うち特選1)
選外のコメントも受け付けます。
★締切
3月22日(金)24時
★当番はまきえっとです(投句先メールアドレス)
makietto@nifty.com
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