すっかり日が暮れるのが早くなりましたね。
冬至まであと数日、夜空の星を眺めながら帰宅することもほとんどなくなりましたが、今年最後の満月が19日なので是非とも夜空を眺めてみたいと思います。
兼題:走
走攻守そろった選手にボーナス出
又急いて彦や粂追う師走空
うら若い祢宜の小走り年迫る
御馳走はみんなの笑顔去年今年
独走す金かと寒気吸う速度
年の尾の走りつシャドウボクシング
色つきのうわさ走らせ滝涸れる
裏道へ逃げ込む子猫町師走
コロナ禍に奔走の医師オリオン座
南国へゴリラの遠目師走空
小走りに輪に入りゆく年忘
ひび走る茶碗で呑めば隙間風
初富士やしんがり占むる伴走車
山眠る昼休憩の走り込み
歳暮れを縫うて爆走バイク便
駅伝の走者が刻むドラマ見る
まあそれはまあそれとして街師走
静脈の走る仁王の脚に冬
三越の袋行き交う街師走
何も買ふ予定もなしや街師走
女囚本主体の果てに師走かな
表情の緩む師走の商店街
テーマ:短い
ひとことで終わる経歴冬の鳶
わが残年は五指ほどか年詰まる
短日のさらり崩れる砂の山
短めの校長講話冬休み
一行の別れのメール冬苺
古紙括る紐の短さ年暮る
短日や使い走りに素っぴんで
ゴンドラの唄を返して年忘れ
短日や声の方より黄いの傘
にぎやかに消して聖菓の絵らふそく
三文字の返信熱燗もう一献
十二月用事残して日暮れ来る
短日の山家の灯りとびとびに
船笛の長く短く去年今年
銭湯の柚子湯にゆっくり浸かりけり
短いと予想をしたり冬の星
三ケ日の蜜柑のなかを一両電車
短日や空き地の影は濃く深く
朝昼晩荷物の届く年の暮
凍てし池身体短詩系師弟
白色のマスクの短命変えて黒
病院の白いカーテン日短か
雑詠
外つ国の話湯豆腐崩れだす
と金恥じ呑んでおでんの自販機と
ゆらゆらと来る冬午後がざらついて
引き潮は音から冬のトランペット
懐かしき本読みふける煤払
寒卵沈みて引き上げられるまで
吉良の忌の笛の音にみな立ち上がる
極月や厩舎に並ぶレース鞍
繰り言をいったん納め根深汁
厚皮に香り集めて柚子実る
山際の七色変化暮早し
師走めく大河ドラマは最終回
煮凝や母には言えぬ姉のこと
推敲はしない余生や去年今年
冬日濃き野原に遊ぶ狐かな
同齢の医師は江戸っ子冬日和
配食の老運転手冬うらら
煤逃げて昼酒一人カウンター
鼻歌の南こうせつ雪ばんば
貌もたぬ影傾れゆく街聖夜
妣という女の一生冬の虹
鰤起し茶色料理の茶色味
★選句要領
★選句数
6句選(うち特選1)
選外のコメントも受け付けます。
★締切
12月22日(水)24時
★当番はまきえっとです(投句先メールアドレス)
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