★今月の写真
1.熊本県益城町の木山川沿いの彼岸花
2.石橋は熊本県山都町にある大窪橋
3.熊本県西原村から熊本市内方面を望む
★関東方面震度5強の地震にびっくりしている。
参加の皆さん、無事だろうか?
青森、九州南部、能登方面とやや大きい地震が続く。
日本にいる限り、避けられないものですが、パキスタンでも大きな地震があったようだ・・。
とにかく早く夜が明けて欲しいですね。
★結果発表(2回にわけて)
わんぱくな少年遠巻く赤蜻蛉 藤三彩
◎(瞳人)素早い赤トンボでも、細い竹竿を振れば、落とせるのです。そういうワルイやつがいるのを知っているから、赤トンボは近づかないのです。
○(幹夫)句のリズムが軽快で、景もよく見えてくる。
(選外)(卯平)中七下五に迫ってくる景が見えない。句材は共感出来る。
曼殊沙華石橋の下の川濁り ちせい
山峡の姥捨伝説曼珠沙華 アゼリア
◎(春生)「姥捨伝説」で句に深み、厚みが出ました。
〇(珠子)どうなるのかな、ワタシたちは。
〇(めたもん)「姥捨伝説」という重苦しい伝説。これと季語「曼殊沙華」が象徴的に響き合います。
○(泉)「姥捨伝説」は、いろいろな地方に存在します。
〇(楊子)上句のように詠まれると、より赤が際立つ曼珠沙華です。
○(餡子)「楢山節考」ですね。印象深い作品でした。曼珠沙華が、ぴったりと雰囲気を出しています。
〇(ちせい)深沢七郎を思い出しました。
草紅葉小川に子らのはしやぐ声 春生
◎(アネモネ)取合せがすっきりしていいと思いました
遠景をぼかしすっかり秋の色 まきえっと
◯(アネモネ)写生画のようです
恋に在るとめ・はね・はらい曼殊沙華 めたもん
〇(藤三彩)「恋」と毛筆で書く、若いこころだなあ
◯(ルカ)着眼点が個性的。
○(敏)「とめ・はね・はらい」は書道における筆使いの要点。人の「恋」にもそれはあると、作者は言う。彼岸の花のたたずまいにもと。
〇(楊子)うまい詠みですね。軽さとリズムがいいです。恋に在るはすこし説明的ともおもいました。
○(あちゃこ)文字と恋模様を上手く重ねていますね。
〇(メイ)どれが欠けても恋は成就しないのか。いつもと違う印象の曼殊沙華が咲いている風景。
◎(卯平)恋はやっかい。このような恋の展開もあるだろう。曼珠沙華には幾つかの傍題が。彼岸花とか狐花、死人花など。だとすると他の傍題を選択する余地も与えている句。
○(宙虫)いいリズムが曼殊沙華までつらなって心地いい。
深淵に吸われてゆくか彼岸花 ルカ
〇(珠子)彼岸花には引きずり込まれるような雰囲気があります。
〇(まきえっと)見事な彼岸花ですね。「吸われてゆく」が合っています。
○(仙翁)深い谷川のような風景でしょうか。
(選外)(道人)「か」ではなく断定して欲しい句。深淵にうつる曼殊沙華を句にしようと思いながら出来ませんでした。
秋の川眩しきままにうねりけり メイ
◎(仙翁)秋の青空、俯瞰しているように見えますね。
攫いゆく少年の熱秋の川 あちゃこ
◯ (ルカ)魅力ある句。
◎(まきえっと)「攫いゆく少年の熱」がいいですね。
○(敏)秋の川が少年たちの熱気を攫っていくのだろう。
◯(道人)上十二の措辞が素敵です。
〇(ちせい)川に引き込まれたのかも知れません。惹かれたのでしょうか。
村に沿い顔変える川彼岸花 餡子
一村の自尊の棚田水の秋 道人
○(アダー女)「自尊」という言葉にただの自慢ではなく「品格と矜恃を持つ自慢」を感じ、惚れ惚れする気分。水の秋がより清澄な句にしています。
◎(ルカ)王道の句。
〇(まきえっと)「自尊の棚田」がいいですね。ホッとする風景です。美味しいんだろうな。
◯ (アゼリア) 棚田の美しい景色に水の秋の季語がぴったりと思いました。
○(泉)棚田にも手抜きはありません。
○(宙虫)棚田を守ることはとてつもなく大変なこと。そのうえに立つこの句。
渦を巻く川の合流花芒 珠子
○(あちゃこ)それぞれの流れが合わさる時、そこには争いの渦がうまれる?深読みすると意味深な一句。
〇(メイ)花芒が風に揺れて、川が渦を巻きながら合流地点に流れ込んでいく、晩秋の自然の姿が立ち上がってきます。
秋の川浅し少年老いやすし 敏
◎(珠子)ことわざを使うことに異議はあるかもしれませんが、「秋の川浅し」にさりげなく繋げたところに惹かれました。
〇(めたもん)対比的に置かれた二文により思いが膨らみます。世間でぱちゃぱちゃやっているうち老いてしまうのが人間なのかも、とか。句のリズムも魅力です。
○(泉)確かに人生は短い。しかし、遊ぶ少年たちは楽しそうです。
〇(楊子)下の慣用句が的確です。「浅し」が効いています。
○(餡子)振り返ると魚取りの少年時代から今、あっという間でした。
秋夕焼遊ぶ子供を染めにけり 泉
◯(アネモネ)懐かしい景です(アネモネ)
〇(藤三彩)童謡に出てくるような景色。
○(幹夫)遊ぶ子供の景が秋夕焼に微笑ましい。
黄金色の棚田バインダーの音 仙翁
◯ (アゼリア) バインダーの音が響いてくるようです。
〇(ちせい)バインダーの音が利いていると思いました。
小えび採る蘆の根元を揺さぶつて アネモネ
〇(瞳人)〽うさぎ追いしですね
〇(春生)細かい描写で雰囲気だ出ました。
〇(めたもん)中七、下五の動きがリアル。水の感触や「小えび」たちの様子まで浮かびます。小エビ採りの楽しさが感触を伴って伝わってきます。
◯(道人)作者の記憶の景を掬いとった句。実質的に写実の妙。
○(餡子)この句は、やったことのある方の句ですね。実感が伝わります。私は「ざぶざぶ」と言ってました。
○(宙虫)体感が充分に伝わる。
土砂降りに明けて軒端の曼珠沙華 幹夫
災難をたいらに笑いあう稲田 宙虫
〇(まきえっと)たいらに笑いあうがいいですね。心のゆとりを感じます。
◎(あちゃこ)稔りの喜びが全てを忘れさせてくれる。中七がいいですね。
○(幹夫)実る稲田が詠まれ、視点に共感。
小鮒みつけ素手で追う子ら秋澄めり アダー女
◯ (アゼリア) 無心に遊ぶ人生で一番幸せな時ですね。
貧庭もすすき萩きて彼岸花 瞳人
金色の遺伝子の波稲の秋 楊子
◯(道人)稲穂を遺伝子の波とした比喩がいい。
◎(幹夫)稲穂の実る時季(とき)黄金色に輝く瞬間(とき)と捉えたところに共感です。
見晴るかす産土なるや鰯雲 卯平
〇(藤三彩)育った故郷があるのはいいな
○(あちゃこ)目に映る全ての自然に生かされている。爽やか。
白木槿空を濃くして雨上がる めたもん
○(仙翁)白さと青さがよく見えます。
○(敏)白木槿による点描が、秋空を更なるものとしているのでしょう。
◎(楊子)対比がみごとです。雨上がりの透明感のある濃い青が見えます。
彼岸花逢ひたき人の尽きぬ顔 瞳人
〇(めたもん)彼岸花の前に立って「逢ひたき人」のことを想う。亡くなった方々へ追悼の句のようにも感じます。
○(泉)故郷へ帰ると、逢いたい人が多数います。
曼珠沙華蟹はゐるかと土手の声 アネモネ
〇(めたもん)曼殊沙華の咲いている川の土手。中七の「蟹はゐるか」にリアリティーがありますね。
○(泉)田舎らしい長閑さが、良く表現されています。
○(餡子)面白い視点での句。
〇(メイ)曼殊沙華に蟹の意外性が面白く、土手の声が外へと開かれている明るさが心地よい。
〇(ちせい)秋声にはっとする。曼殊沙華と蟹の取り合わせには私がはっとしました。
○(宙虫)曼殊沙華からいきなりの蟹。面白い。
曼殊沙華夕暮れのバス最終便 メイ
〇(瞳人)田舎のバスは早いのです
〇(楊子)夕日に照らされた曼珠沙華もいいですね。夕方で最終便となる地方の景色もあらわされています。
○(あちゃこ)日に何本かのバス。暮行く寂れた里に咲く曼珠沙華。
○(卯平)熊本に限らず田舎の交通網はこのような景。
新米待つ瑞穂の国よ平和なれ アダー女
〇(藤三彩)自然災害やコロナ禍の世に新米が収穫できるのは喜びです
〇(瞳人)ほんとに
○(幹夫)美しき瑞穂の国、日本。共感の句です。
石橋を渡るつもりや曼珠沙華 敏
○(仙翁)彼岸花は、咲く時、並ぶように咲きますね。
軍服の裏地に血糊曼珠沙華 幹夫
○(アダー女)遺品の軍服の裏地に戦いの後の血糊の名残が時を経ても残っている。曼珠沙華はサンスクリット語で「赤い花」の意で仏教的には浄土、死を連想させる花。季語と付きすぎの感もありますが、この句にはピタリときます。
◎ (アゼリア) 曼珠沙華の季語で血糊が生々しく浮かび上がってきます。
○(卯平)映画「動乱」の世界。血糊に対する「曼珠沙華」ではは衝撃は少ないが。
(選外)(道人)軍服は遠い世界ですがリアルな句。
故郷を捨てる日もあらん曼珠沙華 餡子
〇(藤三彩)生まれ育った土地に生涯いられるとは限らない。
◎(アダー女)川遊びに夢中の子供たちをみて、いつの日か、この子たちもこの故郷を後に巣立っていく日もあるだろうという大人の感慨が心にしみます。川沿いに子らを見守り咲く曼珠沙華の姿も良いですねえ。
◎(宙虫)やがて来るさみしい日。曼殊沙華の鮮烈さが重い。
秋朝日きらり小川の水を撃つ 仙翁
つづく
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