一緒に戦っていますか?
兼題:置
向日葵や置いてけぼりの機関銃
「感謝です」の花束を置き卒業す
拘置所で泥を吐き出す浅蜊かな
春愁置き配のある勝手口
たましひのそのまま置かるフクシマ忌
春雪の足跡置いて三田の丘
三月の黙祷僕を置く干潟
山煙り谷間に春の色を置く
折り紙の鶴の箸置き東北忌
春の野に置かれ道草のランドセル
種薯を置いては寄せる畝の土
春愁の置き場資源の回収日
平安という置手紙鶴帰る
譜面置き病む友歌うビートルズ
仕置場の出土人骨すみれ草
花粉降る鼻水涙洗う処置
置手紙して春風の二番線
「また来ます」だけの書置き桜餅
置き傘は唐傘のころ菜種梅雨
春愁の頓服富山の置き薬
予選勝ち貝寄風良いか置換せよ
物置や春光込めて木が伐られ
テーマ:はやい
いちめんの菜の花雑魚の影奔る
早き事風の如しか春愁ひ
そら豆のはやお多福をきそひ咲き
春の雲ボールは既に捕手の掌に
花冷えや地震速報午前四時
球春や漫画に優る二刀流
繰り返すTUNAMI映像雛の家
十五歳よりの日月おぼろなる
新社員動け素早く快活に
早春の吊革主体性不足
村中を巡る噂や春疾風
探梅に夢中の後のはや桜
朝戸出の月残れるを青き踏む
都下落差いやはや早い桜かと
美容師の鋏捌きや初燕
鱒池に奔る雪解の沢の水
早朝の轍を覆う花筵
靖国に始まる開花最速日
竜天に登るアリスは穴へ落ち
老体は加速度自覚はや芽吹き
鶯の声掻きさらう風一陣
猫の恋ただいまタイヤ交換中
雑詠
「老衰」と作家の訃報風光る
シャーペンの音かつかつと大試験
春寒ゆるむ脱原発の健三郎
鳥雲にポストに落ちる不在票
レガッタの競ふメガフォン窓向こう
永き日をなお長くする釣れぬ釣り
君のいる卒業写真春の闇
兄たちのひとりまた消え春愁い
紫木蓮ひらく何かが起こりそう
手をつなぐ園児らの空蝶の空
春光を抱きしめて読む三国志
水仙のひと花残る千切れ雲
鳥雲となるくるぶしまでの海
箸置の珊瑚の形あたたかし
春耕の軍手白きや老夫婦
被災地へ届く速球風光る
氷解けて三年ぶりのクルーズ船
柄にもなく僕は面食い花粉症
春風や貧しい家の笑い声
歩を増やすたびに確かな春に入る
目から火と司馬サン笑ふ上方評
蝌蚪飼いし観察賛歌詩歌とか
★選句要領
★選句数
6句選(うち特選1)
選外のコメントも受け付けます。
★締切
3月22日(水)24時
★当番はまきえっとです(投句先メールアドレス)
makietto@nifty.com
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます