会津の鋸鍛冶屋です。目立てを習得して頂きたく、Youtubeに目立て関係の動画をアップしています。お目通し下さい! 

目立てを身に付けたい方に仕事場にて実習支援しています。勿論、無料。
メールからの日程調整を致しましょう。

中屋友右衛門作の窓鋸

2019年03月23日 13時16分58秒 | 日記

目立て依頼があった。


子供の頃から馴染みがあった、中屋友右衛門の窓鋸。

鶴ヶ城から江戸への道。

我が工場がある博労町を直進し、東に曲がって滝沢町。

博労町、滝沢町共に鋸鍛冶屋が多かった。

その滝沢町に在った「中屋友右衛門」鋸鍛冶屋。

さらに進むと、飯盛山を右に見て、峠の登る手前に、ご本陣がある。

今は、新たな道路が通って変わってしまったが、

懐かしく想い出す事が出来た。

 数本が折れている。

刃渡り 2尺(60cm、幅20cm)。
猪苗代町の造園業者さんが古道具屋から入手し、汚れを落とした綺麗な鋸身。


ヤスリチェックをすると、「いい塩梅」の硬さ。
刃先折れが4本あったが ひっこくと、拡大写真程度なので充分に楽しめる。

、、、と言っても、硬い鋸身は容易には擦り込めない。

「急がなくて可」と有難い言葉に甘んじて進めるつもり。
動画を作ってみるか?

三脚使いの独り撮影は「難しいだがらし」。(気が向いたら,,,)

 


京都から来てくれる!

2019年03月13日 13時27分13秒 | 日記

突然のLINEで、「17日は空いていますか?」。

たまげだー !

高い樹の上で作業する T青年は京都の人。

< 空師 > < 造園業 >として、活動する好青年。

写真で使っているのは、伝左衛門の窓鋸


栃木県で空師としての指導を依頼されたので

会津まで足を伸ばしたい!と。

それだけの価値があるのか?と問うと、

「あの鍛冶史写真集を読んで行きたくてならなかった」。

数ページに掲載の写真が、仕事場の どの場所か?は

瞬時に判る程の来宅回数。

「滅多に無いチャンスなので、是非!」と。


有り難く思った伝左衛門からの提案

「16日夜に来れば呑めるね」でした。

即答は「嬉しい!」

希望が 地酒 でしたので、居酒屋を予約。


やってみたが出来ないでいる、狂い取りを

処置して欲しい、もう1度教わりたい、の

要望共々の笑顔を見る事が出来る。


遠足前の小学生気分の75歳・伝左衛門です。



再活用へ向けて!

2019年03月09日 11時44分21秒 | 日記

オークションサイトから落札するのは勇気が要る。

不鮮明な画像から鋸身の状態を推測するのは難しい。

再活用可能」が絶対条件。

自分を信じての落札は、リスクを覚悟。

幸いな事に、これまでの数十枚には無かった。

________________

先日、立て続けて、三種類の鋸が落札された。

マチ部が長い特徴の{横挽き鋸}

活用できる人の目に付かなければ進展はないが、探している方が

目にしたら「絶対に役立つ!」と信じての出品でした。

大鋸と撞木柄のガガリ鋸

それぞれに問い合わせからの返答により、納品できました。

________________________________

 

あぁ、無くなってしまった」ので、オークションサイトを検索。

いっぱい有る!  それぞれをチェック。

錆が深くて、道具とは なり得ない鋸。

刃先が折れて、手直しが容易ではない鋸。

設定金額が高額な鋸。

目立てに自信が無い人が「使える」と勘違いしない事を祈る。

 

私の場合は、再出品し、落札して頂くので安価が必須。

二千円以上の送料負担を要考慮。

手間を掛けても、比較的低額で提供できそうな鋸を見つけ

二枚を落札した。

一尺八寸刃渡り(写真の3寸は間違い)」

例によって、目の角度・深さは手直しが必要だが、何とか成る。

<成る>は <鋸に関われる>ですので、嬉しくなった

 中屋伝左衛門 です。

 


金物屋さんの目立てで

2019年02月22日 10時35分22秒 | 日記

今が忙しい果樹剪定。しかし使おうとしたが、切れない。

これ迄通り、金物屋さんに依頼したが「もう、出来ない」と

伝左衛門を紹介されての来宅。

 頭部

 

腕程の太さ対応の手曲がり鋸、二丁。

未経験者のヤスリ使いで、アサリも無くなっている。

驚いたのは、この目立てに料金支払いがあったこと。

先代の店主は鋸鍛冶で目立て経験者だったが、亡くなられてしまっている。

目立て依頼があると、サービスと捉えてヤスリを使っていたのでしょうね。

しかし、如何せん経験なしの仕業ですから写真のようにもなりますね。

使い勝手は悪くても、尖っただけの効果はあったでしょう。

左側に挽くので 黄色で揃えば良いのですが、数本手前では赤印ですから、ひっこきを強くせねば!

幸いにも?短い目が多いので、十分に刃先を太くできますね。

 

二つ上の赤矢印の下刃は根元を右側に寄せなければなりませんね。

 手元部分。

上目も擦りすぎて、ご覧のとおりですから、全体調整は容易にできますね。(よかった)

愉しめる皆さんが、自分が居ます。

 過日の画像「刃先ポイントは?」も意識して

角度合わせ工程の作業です。

,,,,,, あとは 完成図をイメージして、鑢使い~ひっこき~アサリ出し

お疲れさまでした!


 

 


刃先を整える

2019年02月14日 14時06分42秒 | 日記

 

昨日、アップした大鋸の刃先。

この刃先をどうするか

ヤスリを使い始めるのは、目詰まりになる

サビを、ある程度 落としてからですが、

肝心なのは、太くなっている刃先の

どの部分を刃先にするか!  です。

斜めですか、上記写真で解説。

緑矢印で示したピンクラインが、

ひっこいた線。

   

この三ポイントの内の、

何処を刃先にするか?で

目の角度が変わり、挽く抵抗が変わります。

白 が最も強くなり、緑 ですと、

引っ掛かりが弱くなり、挽きやすくなります。

ある大工の親方さんが「引けない!」と言うので、

見てる前でヤスリ使いをしての試し切りが、

スンナリ! いい音で。

本職の鋸活用度は、高い!

目の角度がポイントでしたとさ。

 


鍛冶史写真集掲載の鋸鍛冶屋製が

2019年02月13日 15時43分00秒 | 日記

 

先述の鍛冶史写真集「会津手語り」に掲載されている

鋸鍛冶屋 {中屋市右衛門氏} の初代が製作したと思われる 大鋸 の目立て依頼があった。

持ち主は、写真集に姿、顔、関わる文言が

掲載されている、大工の親方さん。

持ち込んでくれたのは、鍛冶史写真集の著者 赤沼博志氏。

「この銘は、市右衛門と読めますね 」

見ると、市 右 門 とは読める。

丸みを強調した見事なデザイン性!

タガネを指先で器用に操作している動きが目に浮かぶ様です。

 

中屋市右衛門の三代目は私と同年代である。

先代様とは面識も有ったが、流石に先々代様とは、お会いした事も、写真を見た事もない大先輩様。

その方の製品を目にして、お会いした感覚を持てた。

 

刃先の処置が辛かったが、楽しい時間を持てましたよ。

 

 

 


写真集1

2019年01月11日 11時06分07秒 | 日記

自分の仕事ぶりが掲載されている写真集を、

常に行き来しているスーパーの書籍棚に見つけた。


パラパラめくると、年老いた己の顔があっちこっちに。



単なる鍛冶屋風情が本に載っているなぞ、説明は出来ないが、妙な気持ちになった。

郡山市の石筵地域にスタジオを持つ、

写真家‐ 赤沼博志氏の取材を受け始めてから2年が経っていた。

小学生時代から、当時は珍しかったカメラを持ち、

中学時代には、押し入れ暗室でDPEを遊んでいた私にとっては、羨ましい!

そんな撮影道具を仕事場に持ち込まれた。



被写体になっていた私の意識は、作業進行ではなく、氏の撮影ぶりでした。

そんな初日から、氏の好ましい人柄を感じつつ、幾度もの取材~原稿の

チェックを繰り返し、「私からすれば、氏の努力の集大成

と言いたい写真集が歴史春秋社から発刊された。
ーーーーー
日を改めての追加です。

取り上げてある鍛冶屋は会津に根差した

あらゆる刃物鍛冶屋であり、

いずれも強い興味を持って観られる。

僅かなきっかけとなる情報を素に、

遠路訪ねての取材の労力は如何ばかりか。

鍛冶屋として、隅っこに生きてきた者として

羞恥心無しでは居られません。

今更、やむを得ず「せめて!」と

動きたい伝左衛門は、内容に有る鋸の銘を

動画にし、Youtubeにアップしました

(上をタップして下さい)

 


皇太子殿下の手に、、、

2018年12月29日 10時52分03秒 | 日記
家人が観ていたテレビ放送に「育樹祭」との音声。

想いがあるので眼をやると、立木から画面右側に伸びている枝を切っている映像。



「アッ あの鋸!」と家人が声をあげた。
私の意識も「古い映像を使ったなぁ」でした。

昭和45年の21回全国植樹祭に天皇陛下の植樹木を、平成12年の育樹祭で皇太子殿下が、伝左衛門製の鋸で枝打ちをしているシーン。

デジタル映像では初めて見た事になるので、アナログとは違った鋸のキラメキに驚きました。

その日の内に、twitterに大声で呟いた私です。

然し、「11月17日、今年の育樹祭テレビニュース放送」をチェックしていて、《 勘違い!》に気付きました。
恥ずかしい!
慌ててツイートを削除しました。

ホームページ開設頃の写真が下。


木の種類、高さが異なっている。
瞬時に「あの映像!」と判断してしまうと、誤りと気付くのは難しいと反省した私でした。

去年に続いて剪定鋸を

2018年12月28日 13時27分54秒 | 日記
一年前に、目立てをさせて頂いた果樹園様から、目立て依頼があった。



「機械目立ての業者に依頼したら、驚く程に狭く(細く)されてしまった!」
と、電話で話されていた、あの日から約一年経ちました。

今回の鋸にも{ あり得ない 幅 } が見られます。

< YoutubeにアップしたURL
https://youtu.be/Ao7K7tEQVBU >

今回の鋸を見ると、
去年の鋸よりも、鋸身の汚れが強い事から、随分 前から「狭くされてもやむを得ない」と諦めて いらっしゃった と見受けられますね。

ふくしま産業賞受賞の報道で、目立て屋の存在を知って、私への依頼に成った事が伺えます。

役立った!、、、でイイデショウ。
今回も喜んで、ヤスリ使いをしました。




目立て前と、後を試し切りしましたが、ヤッパリ やっただけの効果は認識できて、満足した伝左衛門でした。


関東から目立て習得に。

2018年12月20日 19時17分24秒 | 日記

荒廃林整備活動グループから、

お二人での来宅は、目立て 習得が目的。
ホームページ、Youtube動画で
事前学習をしての実体験に。


当然、思う様には出来ないが 机上では理解出来ない事が学べる。
ヤスリから、鎚から伝わる感覚は
実践無しでは成し得ない。



注目すべき点を伝え、私の目立て作業を見てもらう。
そして、実践!が 写真。

いつも思う、お出でになる方の
脚の長さ!
私の短さは「鋸鍛冶屋に向いていた」と感じたのは幾度か?

長い脚が万力を安定させる事に苦戦を強いる。
ーーーーー

寒い仕事場で、もう一人は、、、、



アサリ出し に挑む!
不要になった鋸を練習用にして
「折れても良いよ」で不安無く。

その功有って、、、、、、
何本かの目を折った。


叩くポイントを正確に叩く


その為の時間なので、折れても構わない。


ひたすら、叩いている内に感覚が身に付く

金床に隙間無く合わせられて
上手く槌が合えば、ホラ気持ち良い音が!
ーーーーー
帰路の6時間超えを考慮して
実践タイムが終わった。

今後が、どう成るか?
ご本人方の努力次第ですね。

今後のグループ活動の 力に成れ!