建具屋さんが減少している。
子供の頃に近所の建具屋さんの仕事ぶりを長時間、飽きもせずに見ていた。
テレビなんぞ、もちろん無い。
子供向けのラジオ番組迄は露地から裏路地へと遊び廻っていた。
町内のガキ共が仕事場の前に居ても咎める事なく、鋸やカンナ等を扱っている様は美しかった。 音が素敵だった。
鋸鍛冶屋の息子だからか、鋸を挽く姿、音が好きだった。
両刃鋸と胴が付いている薄い鋸を、丁寧に挽く際に聞こえる音の違いには、
強く興味をそそられた。
その胴突き鋸の目立ては、昭和40年代には依頼を受ける機会があったが、
その後は極端に少なくなり、近年では無くなっていた。
福島産業賞受賞報道の拡散に拠るものか、
三枚の胴突き鋸の目立て依頼を受ける事になった。
さすがに 目が細かい!
老眼メガネ無しではヤスリを入れられない。
苦 ? いいえ。
これが最後かも知れないので、出来る事を「楽しもう!」との想いが強くなりました。
遠隔地の建具屋さんが、気持ち良い音で活用される事を想像する、幸せな私です。
「どうづきのこ」
漢字では、どう書くの?
胴突き鋸 ツルを胴 と。
導付き鋸 ツルを導 くと。
私の中では,ペナペナと極端な薄い鋸身を 真っ直ぐに 導く
[ 導付き鋸 ]ですが、、、。