YOSHIの果てしない旅(人々との出会い、そして別れ)

ソ連、西欧列車の旅、英国滞在、欧州横断ヒッチ、イスラエルのキブツ生活、シルクロード、インド、豪州大陸横断ヒッチの旅の話。

アテネの人々の話~ギリシャのヒッチの旅

2021-12-07 13:38:00 | 「YOSHIの果てしない旅」 第7章 ロンドン~アテネ間ヒッチの旅
・アテネの人々の話(古代文明の栄光とあの美男美女は何処へ)
 ギリシャは、スペインやイタリアと同様にシエスターがあり、12時から午後の4時頃まで店を閉めていた。
 街を歩いていると、アテネ市民の内のかなり多くの人は、何の為なのか、数珠をジャラジャラと弄んでいた。その光景は不思議であった。
 結婚について、女の人が持参金を多く持って行かないと結婚が出来ないとか、男もそれを目当てに結婚をする、と言う話を聞いた。
 旧街や裏通りの茶店は薄暗い雰囲気で、汚れた安物のテーブルと椅子が店の中や外に置いてあり、それに座って、或いは道端で人々は『水たばこ』と言う30cm程の長さの瓶の中にボコボコと煙(泡のように見える)が出ているのを、太いゴム ホースを使って、物思いに耽る様に吸っていた。その光景はまるでアヘンを吸っているかの様に見えた。
 又、人々が道路上でボサーと長時間座っていたり、輪になってサイコロを転がして遊んでいたりする光景を街の至る所で目にした。或いは、何もしないでボサーと立っている多くの大人達、若しくはいつ買ってくれるのか分らないのに、宝くじを売っている大人もいた。この様に一般的に余り働いていない多くの男性が目に付いた。
 そうかと言えば、学校へ行っている様子もない、多くの子供達が働いているのを見掛けた。
 それと男性の数と比較して、街に女性姿が余りにも見掛けなかった。どうしてであろう、不思議であった。
 ギリシャは、経済が停滞していて、働く職場が無いのだ。そして見掛けだが、或いはこんな言い方をして申し訳ないが、彼等の顔をよく見ると、何かをしようとする意欲が無さそうだし、頭が切れそうな人がいない様に見受けられた。アテネの人々、そしてギリシャ人は、何の生き甲斐を持っているのであろうか。
 この国は軍事独裁政権下であり、尚且つ経済・産業の発展の遅れ、結婚のあり方、教育、或は貧困の格差等を考えた時、今度は民衆によるクーデターが起こってもおかしくない現状であった。 
 ギリシャはヨーロッパだから、もっとヨーロッパ人に似ていると思っていた。しかしどちらかと言えば、トルコやイラン人の中近東人に似ていた。あの古代ギリシャの彫刻の様なヨーロッパ人的なきりっとした面構えと同時に、品性溢れた顔立ちの男性は、何処へ行ってしまったのだろう。女性もそうだ。ミロのヴィーナスの様な美しい体、顔立ちの良い女性、あの様な美女は何処へ行ってしまったのだろう。
 無理もないのか。マケドニアやローマ人に侵略され、或は400年以上に渡るトルコ帝国に支配され、混血を重ねて来て純粋な古代ギリシャ人の血を引く人がいなくなったのであろう。人は勿論、街の様子や雰囲気は、西洋と中近東がミックスされた感じ、否寧ろギリシャは中近東やアラブに近い感じがした。    
 パルテノン神殿を造った高い文明を誇った古代ギリシャを思う時、あの面影は何処へ行ったのか。余りにも現在のギリシャの姿は悲しいし、そして割り切れない感じがした。



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