私のナラティブ
36年間働いた看護師の仕事を辞めたので、新人の頃を振り返ってみました。
同じ部署に4人の新人。
2人は准看護師から正看護師になったので、バリバリに働けるし、
もう一人は同い年だけど、落ちついて貫禄があって仕事もすぐに覚える優秀な新人でした。
私は一番現場に馴染んでない新人看護師だったと思います。
今思えば自分の仕事が終わったら、みんなはスタッフステーションに戻り先輩の仕事を手伝っていました。
私は仕事は出来ないのに、仕事が終わると患者さんとお話をしに行ってました。
私は「患者さんの立場になって気持ちがわかるナースになりたい」って思っていたから、
せめて仕事が終わったらお話を聞いて、気持ちがわかればなぁ~って思っていたんです。
私の思い出に残っている癌の末期だったAさん。
Aさんは雪が降る日に産まれたそうで、お名前に「雪」がついていました。
毎日Aさんの仕事や家族のお話を聞いてました。
私が部屋に行くといつもニコニコしてくれて、私も楽しい時間でした。
Aさんの娘さんが来ているときに
Aさんが「天使が来たよ」
娘さん「え~幻がみえてるのかなぁ。おとうさん大丈夫?」
Aさん「この子が私の天使なんだよ」
娘さん「やだ~お迎えが来たのかとびっくりしちゃったよ」
私と3人で大笑いしたことを今でも鮮明に覚えています。
ある日Aさんが急変して先輩達が手際よく処置をしているのに、
私は何も出来ず、ただその場に立っているだけでした。
何も出来ない自分が情けなかった。
その後も仕事が終わるとAさんのところへ行って何も出来ないけど、手を握ってました。
癌の病棟だったので、毎日誰かが亡くなります。
亡くなった後も普通に昼食食べてるのも、全然慣れなくて…。
みんなは自分が勤務の時に亡くなるのは嫌で、亡くなる人が多いと
「おはらいに行かなくっちゃ」って言ってる人もいました。
まだ、若い私は亡くなられた家族に上手に声もかけれなくて
本当に何も出来なくてよく、落ち込んでました。
自分が勤務じゃないときにAさんが亡くなられたら嫌だなぁ…って私は思っていました。
だってお別れが出来ないままいなくなってしまうのは寂しいから…。
そう思っていたら私が勤務の日にお亡くなりになりました。
その時はとっても悲しかったけど
「私に見送って欲しかったんだなぁ」って少しホットしました。
しばらくして娘さんが病棟に来てくれました。
私へプレゼントということで、箱を開けてみると、お手紙がありました。
天使のような看護婦さんへ
父は優しい看護婦さんに看護されてとても幸せでした。
父が貴方のことを天使と言っていたので、このオルゴールをプレゼントさせてください。
というような内容でした。
真っ白い天使のオルゴール
もう、36年前の事だけど、今も大切に飾っています。
旦那さんが落として割れちゃった時はめちゃめちゃ泣いて怒ったけど…笑
オルゴールの曲は「ロミオとジュリエット」
今でもこのオルゴールをみると、あの時の純粋な気持ちに戻れます。
36年間看護師の仕事をする中でも、あの時の何もできなかった自分
でも一生懸命患者さんの気持ちを分かろうとした自分
そんな「あの時、あの時間」を忘れません。
とってもとっても大切な私のナラティブです。
36年間働いた看護師の仕事を辞めたので、新人の頃を振り返ってみました。
同じ部署に4人の新人。
2人は准看護師から正看護師になったので、バリバリに働けるし、
もう一人は同い年だけど、落ちついて貫禄があって仕事もすぐに覚える優秀な新人でした。
私は一番現場に馴染んでない新人看護師だったと思います。
今思えば自分の仕事が終わったら、みんなはスタッフステーションに戻り先輩の仕事を手伝っていました。
私は仕事は出来ないのに、仕事が終わると患者さんとお話をしに行ってました。
私は「患者さんの立場になって気持ちがわかるナースになりたい」って思っていたから、
せめて仕事が終わったらお話を聞いて、気持ちがわかればなぁ~って思っていたんです。
私の思い出に残っている癌の末期だったAさん。
Aさんは雪が降る日に産まれたそうで、お名前に「雪」がついていました。
毎日Aさんの仕事や家族のお話を聞いてました。
私が部屋に行くといつもニコニコしてくれて、私も楽しい時間でした。
Aさんの娘さんが来ているときに
Aさんが「天使が来たよ」
娘さん「え~幻がみえてるのかなぁ。おとうさん大丈夫?」
Aさん「この子が私の天使なんだよ」
娘さん「やだ~お迎えが来たのかとびっくりしちゃったよ」
私と3人で大笑いしたことを今でも鮮明に覚えています。
ある日Aさんが急変して先輩達が手際よく処置をしているのに、
私は何も出来ず、ただその場に立っているだけでした。
何も出来ない自分が情けなかった。
その後も仕事が終わるとAさんのところへ行って何も出来ないけど、手を握ってました。
癌の病棟だったので、毎日誰かが亡くなります。
亡くなった後も普通に昼食食べてるのも、全然慣れなくて…。
みんなは自分が勤務の時に亡くなるのは嫌で、亡くなる人が多いと
「おはらいに行かなくっちゃ」って言ってる人もいました。
まだ、若い私は亡くなられた家族に上手に声もかけれなくて
本当に何も出来なくてよく、落ち込んでました。
自分が勤務じゃないときにAさんが亡くなられたら嫌だなぁ…って私は思っていました。
だってお別れが出来ないままいなくなってしまうのは寂しいから…。
そう思っていたら私が勤務の日にお亡くなりになりました。
その時はとっても悲しかったけど
「私に見送って欲しかったんだなぁ」って少しホットしました。
しばらくして娘さんが病棟に来てくれました。
私へプレゼントということで、箱を開けてみると、お手紙がありました。
天使のような看護婦さんへ
父は優しい看護婦さんに看護されてとても幸せでした。
父が貴方のことを天使と言っていたので、このオルゴールをプレゼントさせてください。
というような内容でした。
真っ白い天使のオルゴール
もう、36年前の事だけど、今も大切に飾っています。
旦那さんが落として割れちゃった時はめちゃめちゃ泣いて怒ったけど…笑
オルゴールの曲は「ロミオとジュリエット」
今でもこのオルゴールをみると、あの時の純粋な気持ちに戻れます。
36年間看護師の仕事をする中でも、あの時の何もできなかった自分
でも一生懸命患者さんの気持ちを分かろうとした自分
そんな「あの時、あの時間」を忘れません。
とってもとっても大切な私のナラティブです。