(ベンジャミンバトン)
(Brad Pitt)
*今の家を購入して引っ越してちょうど一年がたちます。近くの森を散歩しながら、「季節をひとめぐりしてやっと、自分の場所になるんだな」と思いました。
庭では今年も白いむくげが咲いています。こどものころ、日本の暑い夏、たたみにごろんと横になって、もみクシャになった紙のようなピンクのサルスベリの花をぼんやりとながめていたことをふと思い出したりします。
第九十四話 映画「ベンジャミンバトン数奇な人生」
日本人女性の平均寿命がほとんど90歳になっているというニュースを見て、物知りな友達にスカイプで聞いてみると、それは、戦争時の飢えを体験したので、生き残りのための長寿ボタンがオンになったのだとのこと。そして彼女は付け足して、「アイ子も、節制していたから、オンになってるよ。」体力の衰えも感じないし、やる気もあるし、どうも年をとった気がしないのは、貧乏生活のおかげだったとは。
そういえば、自然農業を学んだとき、植物も動物も空腹の時間がなければ栄養を吸収しない、ということを聞きました。生命力を強めるには飽食の逆を行かなければなんですね。
さて、戦争時の飢えを体験した一人、私の父も、八月八日に八十歳になりました。朝八時八分ころ国際電話をかけてみると、なんだか急に元気になっていて、イギリスに行ってみようかという話に。足が悪いから観光バスで観光したいとのこと。驚きました。いくつになっても誕生日は、達成感と、またあらたな始まりという感じがあっていいものですね。
第一次世界大戦が終わった晩、80歳のちいさなしわくちゃ老人として生まれ出たベンジャミンが年々どんどん若返っていくという、普通の人とは逆の80年の人生をたどる一人の男性のお話、映画「ベンジャミンバトン数奇な人生」を見ました。
http://www.youtube.com/watch?v=7L6K3fkwr-Y
老人の顔と体をしたベンジャミン青年は(Brad Pitt)は体が動くんだからとタグボートで働くことに。いろいろな港に立ち寄るが、ある港で夫ある人と出会い毎晩いろいろなことを語り合うのでありました。その女性は19歳のとき女性初として英仏海峡を泳いで渡ろうとして途中であきらめてしまったことを話してくれます。
それから何年もたって、ベンジャミンは、ふと見たテレビのニュースで彼女が史上最高年齢で英仏海峡を泳ぎきったということを知るのでした。
そんな出会いのほかにも、7回雷に打たれたが生き残ってきたという老人ホームにくらすおじいさんや、自称タトゥーアーティストのタグボートの船長などなど、さまざまな普通の人の人生が挿入されているのが、この映画の面白いところであり、どんな人もそれぞれ、何かにパッションがあったり、語ることがあるということを気づかされます。
(間美栄子 2011年 8月15日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)
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