ゴールデンウィーク後半に入った海岸で、コチドリ達はどんな風に過ごしているのか見てきました。
館山湾南側のこの海岸でのコチドリは、今年は二組のコチドリカップルが遠く東南アジアから、繁殖地としてここを選びました。
この海岸の駐車場には20台以上の車が停められていました。
ジェットバイクの団体の方達や、釣り、潮干狩りする観光客の方達で海岸は賑やかです。
沖にはウミネコの若鳥の群れが浮かんでいます。
晴れて潮風が心地よいですが、ウミネコにとっては暑いようで、翼をバシャバシャ頭を海水に潜らせて水浴びしています。
砂浜には大きなテントが貼られ、海上にはジェットバイクが浮かび、桟橋には釣り糸を垂れる人影があります。
波打ち際を歩きながらコチドリを探しましたが、姿が見えません。
以前から観察を続け、一組のコチドリが営巣しそうな雰囲気だった場所へ行ってみました。
すると、その場所にはトビの群れがいて、ここにもコチドリはいません。
この場所はすぐ近くにある港を浚渫した時の砂が盛られ、丘のようになっている所です。
砂が盛られる前の平らだった時には、何度もコチドリが産卵した巣を確認しています。
今年はどこに産卵するのか気になって観察を続けていますが、コチドリの姿が無ければ探しようも無く、丘に登ってみました。
ウミネコの群れがかなり近くまで移動していました。
それを見ていた釣り人が鳥山と思ったらしく、ウミネコの群れに真っ直ぐ近づいていくのが見えました。
すると、まったり過ごしていたウミネコ達は全て沖の彼方へ飛び去って行きました。
コチドリも居らず、ウミネコ達も居なくなったので、海浜植物を観察です。
まだまだ綺麗に咲いていたハマダイコン。
だんだんと満開に近づいているハマヒルガオ。
咲き始めのハマボウフウ。
館山湾南側の海岸ではコチドリに会えなかったので、館山湾北側の海岸へ移動しました。
そこでは近くの大学の施設に合宿に来ていた大学生が海でトレーニングし、砂浜では椅子でくつろぐ人やビーチコーミング、磯遊びする家族で賑やかです。
この海岸では3羽のコチドリがいました。
ゴールデンウィークは普段の休日より人手があり、海岸のあちこちに人がいます。
しかし、ここの海岸のコチドリは人よりもカラスを警戒し、鳴きながら飛んでいました。
そんな様子を双眼鏡で見ながら移動すると、別のコチドリが植生から歩き出し、こちらを警戒しています。
飛んでいるのがオスで、このコチドリはメスっぽく、この感じは営巣していそうな雰囲気です。
2羽とも飛び去って行ったので、植生近くの砂浜を卵が無いかと探してみました。
しかし卵は見つかりませんでしたが、また次回じっくり観察してみようと思います。
はるばる数千km移動し、この南房総の海岸を繁殖地として選んだコチドリ。
子育てにはたくさんの障害があり、産んだ4個の卵全てが成長して巣立つ事はまず無いです。
私が知る限りでは、天敵に卵やヒナが襲われたり、海岸清掃の重機により卵が消失した事があります。
コチドリは卵が失われると、すぐに繁殖行動を始めて又卵を産みます。
4月に産卵し抱卵するのと、7月に産卵し抱卵するのでは砂浜の温度が全く変わってしまい、親鳥の体の負担は計り知れません。
なんとか暑い季節になる前に卵を産んでいて欲しいと思います。