南房総館山・なぎさの自然詩

ザトウクジラとオオセグロカモメ


ザトウクジラが漂着していると聞き、南房総市和田浦海岸へ行ってきました。
駐車場から海を見ると、波打ち際にある大きな岩のように見えました。
近くで見るとほとんど表皮が剥がれて、体が白色になっています。


脇腹には大きな傷があり痛々しい姿で波に洗われていました。
ニュースで体長11mのザトウクジラだと知りましたが、大人のオスで13〜14m、メスで15〜16mとの事なので、このクジラはまだ子供のようです。
昨年12月にも南房総市岩井海岸で死んだザトウクジラが打ち上がっていたのですが、そのクジラは今回のものより小さい感じで、こちらも子供のようでした。
どうして子供のクジラが親から離れて死んでしまったのか不思議です。
死んでしまったクジラの調査をしている国立科学博物館のHPを見ると、ストランディングデーターベース内のストランディングマップstrandingmapには南房総市で2009年12月19日に9mのメスのザトウクジラが定置網で混獲されていました。
定置網は上面に蓋があるため、クジラやウミガメ等が間違って定置網内に入ってしまうと海面上に頭を出すことが出来なくなってしまいます。
一度迷い込むと出ることが出来ず、呼吸も出来ずに弱ってきて最終的には溺死です。
南房総市和田浦海岸と岩井海岸の沖にはどちらも定置網があります。
その2か所で子供のザトウクジラ2頭が死んで海岸へ打ち上げられた事実があり、何が原因でそうなったのか理由を知ることは出来ません。
でももしクジラやウミガメが迷い込まないような定置網の構造になれば、助かる命があるかもしれません。
このザトウクジラのように大人になれずに命を落とすことがなくなれば、とても嬉しいことです。


同じ海岸では弱っているような感じで座り込んでいたオオセグロカモメがいました。
近づいても逃げる素振りを見せず、じっとして動きたくないみたいで病気なのか、もしかしたら鳥インフルエンザなのかと思いました。


同じく漁港にいたユリカモメの群れに混じっていた1羽のセグロカモメ。
カモメ類は普段ならこんな風に仲間のカモメと一緒に休憩しています。
砂浜で1羽でいたオオセグロカモメと死んでしまったザトウクジラを見て、生きている時は仲間と一緒にいるけれど、死ぬ時は皆ひとりだと感じました。



名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「海岸での出来事」カテゴリーもっと見る