念坊ひとり旅

　　　一行詩
電線のからすは黒し朝ぐもり
公園の砂場影なし夏の月

　　　川　柳
サングラスはみ出す疵をそのままに

念坊ひとり旅

　　　一行詩
伸びさかりジャンボヒマワリ天へ一途
吊りポスターたたみ二枚か月下美人

　　　川　柳
文明と人の心は相容れず

念坊ひとり旅

　　　一行詩
散策の緑風肌に避暑の宿
客の汗遊泳の熊関知せず

　　　川　柳
サングラス喋りで分かるバイトの子

ねんぼう

　　　一行詩
炎帝は人を見る目のなかりけり
戦時の夏黒んぼ競ふ裸っ子

　　　川　柳
歯抜け爺料理のレシピテレビ切る

念坊ひとり旅

　　　一行詩
水ようかん供えて母の笑み浮かぶ
貧乏とて子らに振る舞ふメロンかな

　　　川　柳
衆議院の囲い芸者か参議院