念坊ひとり旅

　　　一行詩
夕月や老いの行く道知る由もなし
秋草に通りし猫ははにかみや

　　　川　柳
テレワークワゴンごと置く内助の功

念坊ひとり旅

　　　一行詩
秋の声多少の暑さ限りあり
コスモスをやうやく抜けて碧き海

　　　川　柳
団欒の酔いが演出妻の艶

念坊ひとり旅

　　　一行詩
秋潮のいつより碧き小樽湾
この星を月は観察飽きもせず

　　　川　柳
二刀流為せば成る記録見事樹立

念坊ひとり旅

　　　一行詩
寝屋に不意かすかなる遠花火
寝屋の窓ほんの隙間に新涼な

　　　川　柳
春蒔いた未来の種は偽りだ

念坊ひとり旅

　　　一行詩
途切れ途切れ耳に侘しや風の盆
ふる里や風の盆なる今はむかし

　　　川　柳
感染を実践してこそ対策あれ