念坊ひとり旅

　　　一行詩
ひまわりや終戦の後平和一途
法師蝉不戦の誓い幾度訊く

　　　川　柳
領袖の睨み利かせた恐会ぞ

念坊ひとり旅

　　　一行詩
戦争の疎かさ煙る盆参り
父の顔知らに眠りし新盆かな

　　　川　柳
戦争の二字いつになったら死語とならん

念坊ひとり旅

　　　一行詩
盆行事吾が代で果つ許されよ
魂棚や墓の格式重たけれ

　　　川　柳
仏前の水ようかんは冷蔵庫へ

念坊ひとり旅

　　　一行詩
ちちははも雲より眺めし盆の月
墓掃除去年に埋めたる五円かな

　　　川　柳
缶ビール飲めば親父の愚痴苦し

念坊ひとり旅

　　　一行詩
わんぱく子の勢いあまる秋の蝉
雲の間に姿見せたる盆の月

　　　川　柳
相撲取り里に帰れば大人気