書籍「幻の終戦工作」

約1年前に出た本です。
1945年にスイス在住日本人が終戦工作を試みたが実らなかったという、
史実調査に基づくノンフィクションです。
なぜ、第二次世界大戦をもっと早く終えられなかったかという問題に、
今までに読んで本とは異なる視点で、答えてくれます。

天皇制を維持できれば、軍隊は武装解除されてもよいという、
当時の日本政府の本音が、ソ連を通してでなく、アメリカに直接伝われば、
早期終戦の可能性はあったと、考察されています。

ポツダム宣言を「黙殺」したのが、「no comment」でなく「ignore」と訳され、
ソ連参戦と原子爆弾投下の「大義」を連合軍に与えてしまったのは、
痛恨の世紀の誤訳だったそうです。

ひとつ判らなかったのは、日本政府が固執した「国体の護持」とは、
昭和天皇その方の免責だったのか、もし昭和天皇が退位しても天皇制が
続くことだったのか、どちらだったのでしょう。

幻の終戦工作 ピース・フィーラーズ 1945夏

文藝春秋

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