どこ吹く風

旅のことを主に書く。

シュトーバイタール

2010年08月06日 10時17分32秒 | ドロミテ・チロル
7月14日(水)
7:25 朝食 8:25 スタートー8:38 ロープウェイ乗場ー9:15 頂上駅
11:10 ロープウェイで下山ー11:40 乗場発ー12:00 フィンケンベルグ
12:50 アルプバッハ着ー13:30 昼食後発ー14:55 シュトーバイタール着
15:15 ロープウェイ駅発ー16:10 チェックイン 馬場の宿
18:00 夕食(レストラン)     (走行距離 173Km)

 スタート時の走行メーター1495Km 本日のコースはマザイト(Madseit)→マイヤーホーフェン→Albbach(オーストリアで一番美しい村)→シュトーバイタールまで

 朝暗いうちに起きる。雪の山は良く見える。写真を撮るも赤焼けた空は撮れない。
朝食後ロープウェイに向かう、8時チケットの発売開始で8時15分始発とのことだったが、ホテルを出たのが8時25分だった。
駅では大勢の人が列をなしている。ほとんだがスキーヤーのようだ。3本のロープウェイを乗り継いで行くのだが、次第に混雑の度合いが高まってきて、終に押しあいへし合いしながら大混雑の中ゴンドラに乗りこんだ。皆さん一刻も早く滑りたいのでしょう。割り込みするのは中国人だけじゃないことが分かった。(笑)

 上は雲ひとつなく遠くの山々まで見える。オーストリアの山は馴染みがないが、先日行ったツックシュービッツを見つけ、さらにグロスグロッグナーも探した。展望台直下はもうゲレンデなので大勢のスキーヤーが快調に滑り降りていく。リフトは3本動いていてコースもいろいろ取れそうだ。スキー好きには魅力あるところだろう。レンタル料金を聞くと靴とスキーで21ユーからあるとのこと。スキーの手入れが段階に応じて5~27ユーロとある。私を一度だけスキーをしたことがある、その程度の腕前なので固い夏の雪では転ぶと尻が痛そうだ。一番滑らないスキーならスタートの緩い斜面を滑れただろうか。(笑)

 景色を充分眺めてから下りた。次はオーストリアで一番美しい村として「歩き方」に紹介されていた村へ行く。小さな集落だが各戸のベランダが色とりどりの花々で飾られている。ただそれだけ。車なので行ったという感じ。もちろんロープウェイがあり、ハイキングコースも設定されているので、それなりの保養地なのだろう。

 これから目指すところはシュト―バイタール、アウトバーンを使うと谷の入り口までは難なく行ける。そこからは予想以上に長かった。
ロープウェイ乗り場で聞くとこれから登っても15分しか時間がないとのこと、しょうがないので明日に回し宿探しをするが、この辺りは8月オープンなので宿も休業中が多い。5~6Km下って探し何軒か回って宿を見つけた、幸いベランダへ出ると山が見える。

 夕食は近くのレストランで郷土料理を頼む。大きな団子とベーコンエッグとポテトとなんとか。傍を流れる川の流れが激しい、氷河や雪渓が溶けて一本の川となって流れているのだろう、音も大きい。
食事中は蝿を追うのに悪戦苦闘、数十匹の蝿の大群が食べ物に群がる、それを手で振り払うように追っ払うのだが切りが無い。レストランの主人は笑いながら蝿叩きを持ってきたが皿に群がっている蝿をその上で潰すわけに行かない。テーブルにとまっているものを叩き潰しても焼け石に水。

 テーブルに少しお裾分けを置いたら大半の蝿がそちらに移動した。それでも皿の上で手を振りながら食事を続けた。牧場に近いので蝿が多いのは止むを得ない、グリンデルワルドでもそうだった、酪農イコール蝿なので諦める以外にないだろう。
憧れのスイスやチロルの現状を理解しているのかな、みなさんは。

 宿は馬好きなオーナーのようで絵画や小物は全て馬をモチーフにしている。階段の一部の壁がガラス窓になっていて馬が数頭見える。その上は納屋となっていて干草が詰まっていた。
隣の棟は屋内調教場で馬術競技の柵越えの練習をさせていた。4~50cmの高さのバーも足に引っ掛けて落としている。馬は訓練しないと跳べないのだ。馬は全部で20数頭いた、預っているのもいるのだろう、馬の運搬車も格好が良い。
お客は我々だけ、乗馬の客専門の宿かもしれない。普段馬に縁がないので馬場・調教・干草などを見て非日常的体感をすることができた。

 明日はスイスへ向かう。予期せぬ馬の宿はチロル最後の思い出になった。蝿のたかる食事は、あんなものですスイスやチロルの酪農地域では。

ツイラータールへ

2010年08月05日 09時58分24秒 | ドロミテ・チロル
7月13日(火)
8:00 朝食ー 9:55出発ー11:20 Innsbruckのレンタカー営業所ー11:35 営業所発
12:30 シュワッツのスーパーで昼食ー13:05 発ー13:05 アッヘン湖畔ー13:50 発
14:15 ツイーラタール入口ー15:00 Tuxー15:20 Hintertux-15:55 宿探しへ
16:00 チェックイン Madseitのホテル-17:45 夕食 (走行距離 210Km)

 道路沿いの温度表示板は15℃となっている、この時期はそれほど気温は下がらないようだ。朝食内容は他の宿と似ている、バイキング方式ではなく女将さんが一人びとりに運んできた。花柄のワンピースはニッポンの初老の方は着ないだろう。

 ユーロが切れその上この宿もカードが使えない。銀行が8時に開き日本円が両替できることを前日確認して泊まったので、朝食後まず銀行へ行き両替して支払いを済ませた。
レンタカーの使用期間が今日切れるがもっとチロルを回ることに下ので延長交渉のためまずインスブルックの営業所へ向かった。

 大きな町へ向かうのは楽だ、アウトバーンの降り口さえ気をつければいい。少々もたつくも営業所に着く。延長の話をすると、明日の3時半までの契約になっているとのこと。レンタカーの契約は24時間を1日とするので9日間借りると延べ10日間乗れるのだ。一瞬”80日間世界一周”の最後の一日を思い出した。
 借りた時間が3時半なので明日の3時半が期限となる。それでも1日延長を申し込む、つまり明後日返すことにした。

 インスブルックの街を抜けまずアッヘン湖に行く。湖のあるリゾート地で日向ぼっこや水遊びなどで楽しんでいる。中年のでっぷり太ったおばちゃん二人が水着に着替えていた。ここはヌーディスト村かと思う光景だった。デブおばちゃんのヌードを見ようとは思わない。若い子がビキニでバドミントンをしているので妻を撮るふりをしてシャッターを切った。オーストリアは夏の太陽が怖くないのか、恋しいのかハダカのような格好が多い。オフィスでもタンクトップが珍しくない、いわんやリゾート地では・・・

 ツエラタールに向かう。道もよく上り下りも緩やかなので運転も楽だ。マイヤーホーフェンに着いた。まだ時間があるので宿探しは後回しにして車を山に向けた。また峠道だ。
 ナビゲーターはこの先に峠があるというので峠まで行こうと上った。ところが村の名前を記した表示板を見るとどうも隣の谷を走っていて行き止まりになっている。どうせのこと時間はあるし行き止まりなら、それはそれで区切りがつくのでどんどん走らせた。雪に覆われた山が見えホテルも散見される、それも四つ星が多い。リゾート地なのだろうと最奥まで行くとロープウェイがある。

 チケット売り場へ行くと、3本のロープウェイを乗り継いで頂上まで上がるが、この時間なら一番上へは行けないと言う。それでもいいから上ろうと切符を買った。そのときナビゲーター役がここが我々の目的とする場所だと気付いた。

 マイヤーホーフェンから雪山にロープウェイが出ていると思っていた。ここに来たのは時間つぶしの散策だったのに、知らずに目的地に辿り着いていたのだ。もしマイヤーホーフェンで泊まっていたら、ここまで上って来ること無く別のロープウェイに乗って帰ったかもしれない。

 それなら朝からゆっくり眺めようと考え直しチケットをキャンセルした。この近くで宿を撮りたいのだがあいにく四つ星五つ星しか見えないので少し下ったマザイト Madseitところで探した。夕食は近くの四つ星ホテルのレストランでチロルの郷土料理を食べた。ガイドブックの写真を指さして注文したらシェフを連れてきた。この写真通りにはならないけど同じようなものは作れると出してくれた。ビールを含めて三人分で69.1ユーロは質・量・金額とも満足できるものであった。

 ベランダの目の前は牧場、夕暮れ迫る蒼い空に雪山が見える。良いロケーションの宿でした。

写真説明:必要なし アッヘン湖畔

注) 日本標記は難しいもので、Madseitはマザイト、Hintertuxはヒンタートックスもしくはヒンタートゥックスと読むようだ。GoogleMapではヒンタートゥと標記されている、しかしこれで検索しても出てこない。
ついでに氷河ののピークは、オルペラ(Olperer 3476m)山と知りました。

Oberguruglからエアヴァルドへ

2010年08月04日 10時19分56秒 | ドロミテ・チロル
7月12日(月)
7:30 朝食ー9:03 ロープウェイ乗場ー9:18 Hohe Mut Almー
9:35 ハイキング スタートー11:00 貯水池ー12:10 昼食ー12:50 ホテル駐車場
13:00 ホテル発ー15:00 Fern Passー15:25 エアバルトー16:00 Zugspitz へ上がる
16:40 最終便のロープウェイで下る
17:30 チェックイン  (走行距離 105Km)

 チロルについて出発前に殆んど調べず、現地で「地球の歩き方」を捲って俄仕込みの知識で動いた。それ故地名や山の正確な名前すら覚束ない状態でした。ここに書く時調べたものの誤りもあると思います。ご了承の程を。

ロープウェイ乗場へ行くと運行開始時間前というのに既に大勢の人が並んでいる。ここは有数の人気の地なので日本人団体の姿も見える。リフトからの眺めもいい、村は絵に書いたような静かなたたずまいで、遙か彼方まで山が連なっている。
リフトを降りるとホーエ・ムートで左右に氷河を従えた山が見える。

 まず展望のよさそうな丘があるので其処まで行き景色を眺めてた。この尾根をず~っと上り詰めた峰がキルヒェンコーゲル(3280m)で、左にガイスベルグ氷河、右はロートムース氷河である。


 ハイキングコースは幾つかあるようだ。もっと上り氷河近くまで行くコースもあるようだが、私たちは3時間の軟弱コースにした。ニッポン人のハイキンググループと出合い、いいカメラを持っている方に写真の撮り方を教わった、彼らは上の方へ向かったので健脚コースだろう。

 足元は芝生と牧草なので足に柔らかみを感じる。氷河が溶けて岩肌を流れる箇所がある、滝となって激しく落ちる場所もあった。それらの水が集まり川となって村の中を流れていく。けっこうな水量にる。暫らく下ると小屋と池が見えてきた。急な下りなので膝に負担を感じながら下る。
広い河原まで下ると小屋になり、池は石組で整備されているので村の水源なのだろう。

 小屋からは車両も走れる道路があるも松林に入る、何ヶ所か休憩用ベンチが設置されハイキングルートとして整備されている。雪の重みでヘシャゲタ木の形がおもしろい。また北ア雲ノ平のアルプス庭園風の所もあり、滝が見えるところなどハイキングも楽しい。牧場の片隅でランチを取る。このところ入れ歯の具合が悪く歯ぐきが痛んで噛むのに一苦労している。

 ホテルに戻り預けた荷物を受け取りWCを借りてObergulgulを後にする。暑い、30度を超えている、この辺りは1900mを越える高所なのに丸っきり涼しくない。夏のリゾート地なので涼しいところかと思っていたのに見当違いのようだ。

 これからドイツ国境に位置するツークシュピッツェ山の麓エーアヴァルドに向かう。予備知識は無かったが、近いので寄り道することにしたのだ。エッツタールの向かい側になりドイツで一番高い山というのに魅かれた。エッツタールを出るために下る、谷間の一本道なので迷うことない。ところどころ集落があるが何処も彼処もリゾート地のようでロープウェイが掛かっている山も見える。全体的に落ち着きを与える谷間の風景だ。

 順調に車を走らせるがイムスト Imst の街に入って抜けるとき迷った。ルートの乗継、ルート171から189へ、さらに179号線へ乗り換えるときに迷ってしまう。見かけた人にルートを尋ねるがドイツ語なので分かったような分からないような、つまり理解できずあやふやである。別の人に聞くと同じ道を指差すので間違いないだろう。

 街を抜けると一面に果樹とブドウ畑が広がった。山を登りうらびれた峠を下ると大きな山が三つ目の前にとび出した。きっとあれが目的とする山だろう。

 遠くの山の端にロープウェイが見えたのでそこを目指す。乗場は閑散としている、4時半が下りの最終という。4時まえなので人影がなくて当然だ、それでも4時発のに乗った。ゴンドラは真新しい、1700mの高低差を一気に上る。上がるにつれて展望も広がりドイツ側の森の中に湖が見えてきた。湖の色は九塞溝を思わせる、小島がありその島を干渉するように色違いの輪が取り巻く。湖畔にはホテルがある泊まってみたい。

 あいにくガスが出てきて遠くの山を包み隠してしまった。展望台にはドイツとオーストリアの国旗が掲げられているので国境を実感する。カフェではビールを飲んでいる、そのグラスの大きいこと大ジョッキで、大瓶3本はゆうに入るだろう。大ジョッキとは言わないので一杯飲みたかったけどドライバーの哀しさツバを飲み込むばかり。

 今夜はこのあたりで泊まることにして宿を探しながら走らせる。適当に車を止めて交渉し一人29ユーロで契約成立、山が見える部屋に泊まることにした。夕食は持参したパンやハムで済ます、どちらかというとビールとワインがメインとなった。
道路沿いに看板に取り付けられた温度表示板がある、夕方というのに30℃となっている、暑いはずだ。日が沈み始めるとぐんぐん下がり気持ち良い風が吹いてくるようになった。

 今後の日程を話し合った結果チロル滞在を伸ばすことにした。私としてはチロルは何処も彼処も同じような景色ー広い谷間に牧場ー緑豊かでのどかなところだと思っていた。それはそれで美しいし心洗われる思いがする。素晴らしい風景だがひと時でいい、飽きがくるだろうとも考えていた。しかし実際にその景色に接するとチロルも色々な場所・景観があることが分かった。この際ツアーで行くような所は見てしまおうという気になった。
他人が行く所は見ておきたいというミーハー根性が出てきた。(笑)
チロルを満喫する分スイスの日数が減るけど、仕方がない。スイスはその時になって考えよう。

写真はエアヴァルドの入口近くからのツックシュビッツ

オーバーグルグル Obergurgl

2010年08月03日 06時53分27秒 | ドロミテ・チロル
7月11日(日)
9:15 ホテル発ー11:20 パッソ・コスタルンガ Costalunga
12:40 メラーノ Merano ss44号線を北上するー13:20 峠への上り坂
14:00 トーストリアとの国境ー14:10 峠で昼食ー14:30 峠発
15:00 オーバーグルグル着 Obergurgl   (走行距離 185Km、延べ1180Km)

 夜中窓越しに空を見上げると北極星とカシオペアが横に並んでいる。このまま晴れてくれればいいのだが、と思う願いも虚しく夜明けには霧が出て霞の世界になってしまった。これも高原に付き物なのだろう。毎日毎日晴ればかりではないと、諦めきれず外に出て何枚かシャッターを切った。

 もう一日ドロミテを回るかどうか話し合った結果名残の拝見をしてチロル入りすることにした。”名残の拝見”なんて取って付けたようにお茶の言葉を使ってその時の心境を表現してみました。直接ボルツアーノへ行かず、ドロミテ街道の方へ戻りパッソ・コスタルンガ Costalunga峠を通って行くことにしたのです。ドロミテ街道のメインルートのボルツアーノとカナッツエイ間を未だ見ていないと思ってたからです。

 去年のジウシに来た逆ートを逆に進んだ。しかし逆向きに走るので見える景色は違うように見えて新しい道を走っているような感じだ。それでも所々に見覚えのあるところが出てくる。一番見たかったのは台地の上の小さな教会で、それを見たくて一生懸命探した。
 昨年一般道路に出てきた脇道が出てきた、コスタルンガ峠への標識がありそれに従って一般道路を離れた。暫く行くと分岐点が出て其処は去年シウジへ行くために脇道に入った所だ。道なりに進みボルツアーノと峠への分岐点に来た。折角ここまで来たので峠を往復することにした。
峠に付くと、なんと其処は見覚えのある場所だった、去年泊まったところだったのだ。むやみやたらに走らせ、夕方になりそろそろ宿を探そうかと考え峠に着いたとき見つけて泊まった所だった。宿の名前がサボイ・ホテルだったのでサボイ峠と思っていた。そこはコスタルンガ峠だったのだ。
名残の拝見ならぬ名残の再会となった。

 もうドロミテに思い残しは無い、ボルツアーノ経由でメラノを抜けて一路チロルへ向かうことになった。ボルツアーノの道は何本も交差しているのでナビゲーターの義妹の指示に従って抜けた。メラノでも多少のもたつきはあったもののチロルへ向かう道路に出た。そこからは一本道、ここらあたりの村は果樹栽培が多い。
それにしてもイタリアは暑い。

 峠に向かって上る、トンネルを14か所抜けて墺・伊国境のティンメルヨッホ峠(2491m)に着き昼飯にする。アルファ米の炊き込みご飯、これも旅の定番になった。
オーストリアに入ると道が良くなった。暫く下りるとゲートがあるので国境の検問所かと思いきや有料道路の料金徴収所だった。坂をぐんぐん下ると村が見えてオーバーグルグルへの標識があった。


 ほどなく本日の目的地オーバーグルグルに到着する。暑い、何かイベントがあったようで人出が多い。まず宿を探す、ここは宿泊費が高いとガイドブックに書いてあった。四つ星五つ星のホテルが目立つ。私がホテルを選ぶ基準は、まず眺めの良いクルムホテル、次に峠のホテル、この両者は料金が比較的安くて二食付なのがいい。街なかで泊まる場合は料金が重要な基準になる。四つ星以上のホテルに泊まったことが無い。

 宿探しの前にロープウェイで上がり展望を楽しもうとろうと乗り場へ行くと、天候が悪く中継所までしか上れないとのこと。それなら明日にしよう。部屋から山が見えそうな宿を探した。料金も予想以上に安く一人30ユーロ未満である、夏はオフシーズンのようだ。
 ベランダで近くを流れる川の水音を心地好く聞き、雪を抱いた山を眺めてチロルに来た実感が湧いた。いよいよチロルに入ったのだ。

ラガッツオイ小屋

2010年08月02日 09時41分53秒 | ドロミテ・チロル
7月10日(土)
9:10 宿発ー9:45アレッゲ湖 Lago Di Allegheー10:50ファルツアレゴ峠 Falzalego 
11:20 ラガッツオイ小屋 Rifugio Legazuoiー12:00 Legazoi ピーク
12:35 ロープウェイにて下るー14:30 ポルドイ Pordoi峠ー15:05 Pass・Sellaー
15:45 カステルロット Castlrottoー16:30 ジウシ高原 Suisi (走行距離148Km)

地名を書くときできるだけローマ字併記をするつもりですが、それを忘れるのと調べるのが面倒なときがあって必ずしもできていません。カタカナ及びカタカナ発音は現地で全く役に立ちません。
例えば Suisi高原、検索すると「シウジ高原」と呼ばれているようです。Google Map で使われている「ジウスイ」は全く使われていません。発音ですからドイツ語、英語、イタリア式の発音が違うのでしょうが、通じる為に文字も覚えておくほうがいい。

 朝ベランダのドアを開けると、懐かしいカウベルのカランカランという音が聞こえてきた。アルプスを実感する。

 昨日予約を頼んだシウジのパノラマ・ホテルから高原への車乗り入れの証明書がFaxホテル宛てに送られてきていた。高原の環境保護のためか車両乗り入れが制限されていて宿泊客には宿泊証明書が出され、何かの場合に提示するとのこと。(ジウシのホテル到着後に許可証に切り替える。)ここの宿の皆さんに親切にしていただいた。

 まずアレッゲに向かう。湖畔は保養地となっていて山と湖それに落ち着いた村のたたずまいが絵葉書のように纏まっている。レストランの専用駐車場と書かれているところに無断駐車して写真を撮る。まだ営業していない様子なので大目に見てくれるだろう。

 ファルツレゴ峠に向かう。下り坂はタイヤから煙が出るアクシデントが2回あったので慎重なブレーキ操作をした。極力フットブレーキを踏まずエンジンブレーキを使った。アクセルを踏まず流すだけなのに3速で60~80Kmにもなる。2速で減速しても40Kmになるのでカーブ直前ではフットブレーキで減速する。エンジン回転は4000rmpになり音が高くなる。レンタカーだからいいか。(笑)
途中で道を間違えたのかアラッバに出た。

 ファルツレゴ峠は車にバイクで駐車場はいっぱい、隙間を見つけて駐車する。ロープウェイ駐車場は空きがあったけど、駐車場が在る事すら知らずチケットを買いに行って始めて気づいた。売店で絵葉書やパノラマ図を買ったので許されるでしょう。
11時にロ-プウェイに乗る。ちょっと離れたところにピークがある。ポルドイ峠を見たくて其処まで歩く。近くに遠くにドロミテ特有の奇岩が連なった山群が見える。雪を被ったマルモラーダも目の前に見える。天気は良いけど空気中の水分が多いのか薄い靄がかかっているようにハッキリしない。
太陽が高く上がった光線の具合かもしれない。秋晴れのようなスッキリした時間帯に見たいものだ。

 多少ボケているものの360度の展望は素晴らしい、小屋の設備も悪くなさそうなので一晩泊まりたくなった。電話予約する場合に備えて電話番号を聞く。ロープウェイの運行時間は9-5時となっているので泊まる場合は念頭に入れておく必要がある。
その気になればSuisiから引き返してもいい。チロルかスイス滞在を削ってもいいとも考えた。

 峠に下り道端の草むらでランチにした、いつものパンとハムなど。ポルドイ峠を通ってsuisiに向かう。いわゆるドロミテ街道を行ってもいいが、同じ道を一部下るのを嫌いLaVilla経由にした。

ポルドイ峠は相変わらず大混雑していて峠の王様という感じだ。車やバイクが多く駐車スペースが足りない。ロープウェイに乗らなかった、上の展望所はピークではなく台地状となって広々していてそれなりに展望も開けている。しかしドロミテの風景もあちらこちら見てきたので敢て上がらず素通りした。

 パッソ・セラ Passo Sellaも同じように混雑している。Sassolungoga目の前にある、去年二人乗りの箱型ゴンドラに乗ったが、あれも面白かった。山の形もいい、ピークが三つに分かれているのでマルモラーダやジウシ高原から眺めても特徴をつかみ易い。

 ジウシへはカステロロットを目標に走らせる。標識に従い迷うことはなかった。スーパーで買物をして坂道を上りはじめた。ゴンドラの下を何回か交わりつつ高原へ上る。去年はあのロープウェイから周りを眺めながら上り、パノラマホテルの存在を知り泊まりたいと思って今年実現したのだ。

 あいにく高曇りなのか空気中の水分の多いのか全体が靄っている。それでも台地状のピークに正面のサッソルンゴその隣のサッソセラが聳えている。牧草に花々と緑の台地が見渡す限り続く高原は心をなごます。
次第にガスが多くなり写真撮影に不向きとなったのが残念だった。

ホテルは二食付きで171ユーロ/3人、一人80ユーロと書かれているサイトもあるのでオフシーズン料金だったのだろう。

夕食メニュー
サラダとパンはフリー
クリームスープ or パスタのトマトソースかけ
コールドビーフ or ポークソテー 豆とポテト添え
アイスクリームのプラムソースかけ

マルモラーダ

2010年08月01日 08時52分45秒 | ドロミテ・チロル
7月9日(金)
8:10ロカッテリ(Rocatelli)小屋発ー9:55避難(?)小屋ー11:00オーロンソ小屋
11:30オーロンソ小屋発ー(クリスタッロを北側から回る)-コルチナ・ダンベッツオは素通りー12:50Giau峠(昼食)ー14:30Passo Fedaiaー15:00Rifugio(籠ゴンドラで氷河へ) ー16:05Rifugio発ー16:30カナッツエイー17:30サン・ペッレグリーノ峠 (走行距離136Km)

 朝から寝過ごして朝日に当たるトレチメに15分ほど遅れた。先っぽだけに日があたるのを撮りたかった。太陽は岩峰の中腹近くまで射していたけどそれでも光のコントラストは良く綺麗な写真が撮れた。
何回も何回も写真マニアになったようにシャッターを切った。

 朝食は7時から。山小屋にしては遅い気がする、岩登りはもっと早い時間に出発したいだろうに。日が落ちるのが9時頃で日が長いのでクライマ-も焦らないのか。
昔の短いロープで作ったぜるピストとは違い方や尻に十字型に着用するベルトと金具を身につけて岩登りの準備する人たちが大勢いいて山小屋の雰囲気を漂わせている。10才ほどの子供もちゃんとした恰好をしている。可愛いので写真を撮った。

 予定ではロカッテリー小屋でトレチメを眺めたら来た道を戻るつもりだった。しかしせっかくここまで来たのだから一周しようという声も出て一周することにした。ここはコースの五分の二ほどに位置する、写真を撮りながらゆっくり歩いても引き返せば2時間、先に進んで3時間である。引き返せば半周、先へ進めば一周なので一周のほうが聞こえが良い。
ただ風景としては引き返すほうがきれいだ、それに昨日は逆光になるので写真を撮っていない。それでも先に進めば去年と合わせてトレチメを2周したことになるので威張れるとの理由で2週目に挑戦した。

 去年より楽に歩ける、二日に分けたのが大きな理由だろう。長く傾斜も強いと思っていた谷越えもあっという間に過ぎた。時間も距離も去年の半分になっている感じだ、2度目ということで精神的な余裕が出たのだろう。谷を越えた所がロカッテリ小屋から1時間だった。ここからはハイ松の台地だと思い出した。そこに自転車ヤローが現れた、彼らのパワーに恐れ入る。避難小屋(?)に人がいた、外装が塗り替えられている、営業しているのかな。この辺りの小屋は外部の塗装や避難ハシゴの改修など手を加えたようで綺麗になっている。
11時にトレチメを一周(半周?)してオーロンソ小屋に着いた。ハイキングを趣味にしているわけでもないのにハイカーの憧れトレチメを2周したことになる。勲章ものだ。(笑)

 今日もドロミテを走ることになる。クリスタッロ群を右回りで回りコルチナ・ダンベッツオに出た。クリスタッロの裏側の景色もいい。赤茶けた岩峯が間近に見える、ハイキング中に見えた山と同じなのか。コルチナ市内に入らず迂回するようにファルツアレーゴ峠に向かった。途中マルモラーダへの道を示す標識を見てその道を行く。GIAU峠を通るのだが調べた限りでは初耳の峠だ。そこは予想のしなかった素晴らしい景色の峠だった。

 峠からの下りは急カーブが26あり急カーブひとつ毎に番号がふられている。ギヤチェンジをしながら下る、下りきった所でまたオイルの焼ける臭いがした。今回はサイドブレーキも注意してちゃんと戻したし、坂を下るときもエンジンブレーキを主に使いフートブレーキは極力控えめにした。それでも焼ける理由が分からない。何故だろうか、ブレーキの故障なら効きが悪くなるはずなのにブレーキは正常だ。原因はなんだ。冷やすのも兼ねて昼食にする。

 マルガ・チアペラを抜けフェダイア湖に向かう、マルモラーダの入り口だ。湖(ダム?)の下の峠の売店で地図を確認する。ゴンドラが動いているのが確認できたので上のケーブル発着場へ行く。

 ここのケーブルは一風変っていて網籠に立って乗る形式だ、それも定員が二人と小さいその上籠も高さが腰までの1.2mほどしかなく隙間だらけのパイプの籠で上部は何もない吹きっ晒しである。乗るときはひょいと飛び乗らねばならない、二人の場合は2mほど離れて立って一人びとり飛び乗る。係員が補助しドアに施錠する。
ぶらぶら揺られながら雪のマルモラーダを目指す。眼下にしだいに姿を見せるフェダイア湖と遠くにサッソルンゴも姿を現す。サッソルンゴの籠も二人乗りだが全身を覆う箱になっているのでここの方がスリルがある。

 籠を降りたところは何もない、雪を踏みその感触を感じたら直ぐ下りた。ゴンドラは乗るより降りる時の方が要領を要する、籠が駅についてクルッと方向を変えてから降りるので進行方向とは逆の方に降りることになる。力のモーメントが逆向きに掛かるので、おっとっとっととなる。もちろん補助する係がいるので心配は無い。

 マルモラーダのゴンドラにも乗ったのでドロミテでの目的はほぼ達成された。もう一つの目的のラガッツオイ小屋での宿泊は、この時間からだとファルツアレゴ峠から小屋へ上がるロープウェイの時間に間に合わないだろう。それにひょっとするとあの小屋もシャワーが無いかもしれない、二日間もシャワー無しでは問題だと考えて其処へ行くのは取りやめた。

 さて今夜の宿はマルモラーダの南側を走らせて、適当な宿が見つかった所で泊まることにする。まずカンッツエイに下りてモエナに向かいそこからマルモラーダの裏側に回る。山道は相変わらずの狭い道でそこを車がビュンビュン飛ばす。
途中の給油所からスイジのホテルに電話してもらい部屋が取れたら其処へ向かう案もあったので、カナッツエイの給油所でカウンターの女性に「Can you speak ennglish ?」 "No"でおわり。

 モエーナ Moenaからマルモラーダの裏街道に入る。しばらく走らせるとサン・ペッレグリーノ San・Pellegrino峠に出た。景色もまあまあだし時間も6時前になっていた。日が長いとはいえ谷間に下りて行けば日暮れも早いし、遅い時間になるとディナーの準備に間に合わなくなる。
 三ツ星の表示されたホテルへ行くと営業は明日からだという。この辺りのシーズンは冬場のスキー客のようだ。幸い向かいのホテルは営業開始していた。エレベーターもある立派なホテル2食で50ユーロ、家族部屋で4名用の部屋だった。

 夕食はディナーと呼べるほど内容が良かった。牛サシとチーズのアペリチフで始まりベーコンで卵焼きを巻いたもの、緑色の一見豆のようなパスタで、猫耳麺を小さくしたようなものが皿いっぱいありお腹いっぱいになった。デザート用のフォークが残っているだけなのでデザートを待っていたらナイフとフォークが新たに出てきた。牛肉の煮込まれたものにレバーソースがかかった皿が出た。もうお腹いっぱいだけど詰め込んだ。デザートはアップルパイ、さすがに残した。
これだけの料理が出て50ユーロの宿泊費は安い。概して峠のホテルは料理が美味しい、これまで外れが無い。宿泊に迷ったら30分余計に走らせて峠まで行くべきだ。

 お腹は一杯となり酒が入る余地も無い、部屋ではワインも飲まず寝た。部屋もファミリータイプで広々している。お勧めの宿です。

サン・ペレグリーノ峠の「Hotel Cristallo」でしす。