ニヒル牛 石川あるの紹介日誌

『ニヒル牛』の店番石川あるの、作品紹介を中心にした日誌です。レンタルボックスと言われる事も多い昨今です。

夢の・・・

2013年11月15日 | Weblog
時々想像する。
このとんでもない手間の刺繍一つ一つを。

夢の風景の様な物達の一つ一つを。

彼女はどんな気持ちで、作っているのだろう。
小さな男の子が二人いる作家は、どんな風に時間をしぼって作り、この愛しい作品達を作り上げているのだろう。
展示を決めてから、約1年。
出来た作品は、カバンはやっと12点。一ヵ月に1点。
なのに、どれもその倍にしたってまだ安いよという値段を付けて来る。
「手間ひま考えたらさ、もうちょっと上げようよ」と言うと、少し困った顔をした。
大好きだと言うお客さんはいっぱいいるので、開店から1時間も立たずに、ほとんどが売り切れてしまった。
彼女の1年はあっという間に消えて行った・・。
彼女の時間、思い、それらはすべて、これからはお客さん達が引き継いでくれる。
彼女の作品を持っている人達はみんな、ずっと長く、いつまでも長く、それを愛しているから。

彼女は夢を見るように、これらを作っているのかもしれない。
日のさす窓辺で、ほっそりした彼女の針を持つ姿を想像する。
そこで作られているのは、現実とは思えない様な、愛しい物なのだ。
静かな愛が、宿った物なのだ。



『川上りか個展』始まりました。
ほとんど完売してしまいましたが、作品はそのまま展示されております。
ぜひ、ご覧になりにいらして下さい。

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