ニヒル牛 石川あるの紹介日誌

『ニヒル牛』の店番石川あるの、作品紹介を中心にした日誌です。レンタルボックスと言われる事も多い昨今です。

鉄塔の墓場とは

2023年02月01日 | Weblog

鉄塔の墓場とは、なんだったんだろう。

その、圧倒的な終わりのシーンを見て、改めて考えた。

もちろん山中奈緒子の頭の中は分からない。

だからこれは、私個人の感想だ。

 

最後のシーンは、一言で言えば、容赦なかった。

リヤカーの人達は空に浮かび。

残った作品は、まさに捨てられる寸前の様子に。

…なんてこった。

だけど、現実はこうなのかもしれない。

私たちにとっての大切な物は、転がっていくいまの中で、こんなに儚い。

絵も、オブジェも、音楽も。

どんどんと、どんどんと、そうなっていくのを、感じてる。

…それでも。

それでもやはり、それは、美しくないだろうか?

カラスが飛ぶ空で、祈りのポーズのリヤカーの人達。

ますます廃墟となった鉄塔の墓場。

山中奈緒子が作り上げた世界は、飄々と、とても美しいと。

断固として、美しいと。

私たちは弱者だ。

作り上げた諸々は、いつだって簡単に壊される。

けれど、私たちは、それでも。

これからも物語を作って描いて歌って、美しい夢を見る。

ぼろぼろのリヤカーの上で、祈る。

 

鉄塔の墓場とは、覚悟の物語だったのかもしれない。

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明日のブログの前に

2023年02月01日 | Weblog

ニヒル牛新年最初の展示は、難しいものだったと思います。

参加した作家さん、参加出来なかった作家さん。

そこで何が行われているのが、分からないと思った、作家さんお客さん。

当然です。

私だって、よく分からなかった。

気持ちを揺さぶられるタイトル。

そして、山中奈緒子に対する完全な信頼で、開催したいと思いましたが。

かなりの見切り発車で始めた展示は、だけど予想通り面白い物でした。

ようやく見えてきたこの展示を、私は作家さんに説明する必要があると思い、書いてます。

簡単な話し、タイトルがすべてだったのです。

鉄塔の墓場という言葉に惹かれた人が、そのお題で、遊べればよかったんです。

そこから生まれた沢山の瞬間は、鉄塔の墓場に置かれた作家さん達が、広げてくれた奇跡です。

本当に、作家さん達に感謝したい。素晴らしかったです。

そして、ニヒル牛に箱がある作家さん。

参加してみたい展示があったらどんどんどうぞ。

なかったら、提案してみて下さい。

ニヒル牛は、作家さんみんなが遊べる場所でありたいです。

さて、明日は鉄塔の墓場、最後をお伝えします。

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