無事ラストにこぎつけましたふぅ~
今回はラストシーンで『トビラ』をかけてね
ではスタート!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
妄想ドラマ 『 トビラ 』 (最終回)
一週間経っても10日経っても智の声は、ほとんど聴き取れないほどかすれたままだった。
それでも点滴の管が外され、少しずつ食事が取れるようになると
回復のスピードは速まった。
智は俺たちが行くとにこにこしながら話しを聞いている。
もともと口数が少なく聞き手にまわることが多かったのに、
声がかすれたままなので余計にしゃべらない。
それでも智の笑顔に俺たちはすぐに良くなるだろうと楽観的に考えていた。
やがてベッドから起きて自分で歩けるようになっても
声は元には戻らず、智から笑顔が少しずつ消えていく。
手術から3週間が経った。
退院の前日、病室の前にさしかかると中から大きな音がした。
驚いて中に入ると床に食事用のトレーや食器が散乱している。
今まで見たことのない険しい表情の智がそこに居た。
「どうしたんだ?何があったんだよ」
「なんで俺だけこうなんだ・・・」
かすれた声でつぶやいた。
「いつも・・・いつもそうだ。俺は大切なものを取り上げられる。なんでこうなるんだ」
「焦るな。声は時間が経てば治るって言われてるだろ」
「俺をジェイストのメンバーから外してくれ。退院したら田舎に帰る」
「帰っても誰もいないだろう?」
「同情なんかいらない。一人は慣れている」
俺は握りこぶしに力を入れて殴りたいのをぐっと我慢した。
「お前はまだ病人だ。そうじゃなかったらぶん殴ってる」
俺がそう言うと智は黙って病室を出て行ってしまった。
その日俺たちがスタジオと呼んでいるカズの家の倉庫に行くと、俺の作った曲に詞が出来ていた。
「能天気なお前らしい明るい曲だな」
「なんだよ能天気って」
「ウソだよ。いい曲だと思う。なんか元気出たからそういう歌詞になったよ」
潤に渡された歌詞を見ると、あきらめずに信じた道を進めというような内容だった。
「なんかさ、今の俺たちにピッタリじゃん」
とカズが言った。
「背中を押される気がするよ」
「いいね。もうそこらじゅうの人たちの背中も押したいよ」
俺はそう言いながら一番聴かせたい奴の顔を思い浮かべていた。
退院の日、俺は夏美と一緒に病院へ智を迎えに行った。
これからは自宅療養になる。
自宅といっても俺のアパートだ。
智のお姉さんはまだ手のかかる子供たちを置いて看病する余裕はない。
智の表情は相変わらず暗かったが、夏美がいたせいか黙って俺たちと一緒にタクシーに乗りこんだ。
俺はアパートに戻る前に俺たちのスタジオへ智を連れて行った。
どうしても昨日出来たばかりの曲、トビラを聴かせたかったからだ。
みんなも揃っていた。
智は破れたソファーに座ってもたれかかり、目を閉じて聴いていた。
「俺、この曲歌いたい。歌えるようになるかな」
「医者が治るって言ってるんだから大丈夫さ」
いつも前向きな潤が言った。
「もし、声が元通りにならなくてもジェイストにいたかったらギターをやればいい。
死に物狂いで練習しろ。道はいくらでもある」
下手な慰めを言わないところが潤らしい。彼なりの優しさだ。
「退院したばかりだから体調を整えることが先だろう。そうすれば声だって戻ると思うよ。
焦って自棄にはなるなよ。」
「そうそう、相葉じゃ頼りにならないだろうけど、俺たち3人がいる」
翔とカズの言葉に俺も続く。
「なんだよヒドイなぁ。俺だって智のパンツを洗ったり、食事の世話したり
頼りになるって!」
「馬鹿、そういうことじゃないの!」
みんなの明るさに智もやっと笑顔を見せた。
やがて智の声は少しずつ出るようになり、季節が秋に変わる頃には
すっかり回復していた。
その後の検査でも問題はなく、智は冗談も言うような明るい奴になった。
そしてジェイストの新たな出発の日を迎えた。
そう今夜が記念すべき一発目のライブ。
いよいよお客が入って会場のざわつきが聞こえてくる。
朝からテンション上がって落ち着かない俺と違って智は落ち着いている。
「なんでそんなに落ち着いてるの?智はライブ初めてなのに緊張しない?」
「緊張はしてない。いよいよ歌えることが嬉しいよ」
「ひょっとして超大物なんじゃないの?」
カズがおどけてみせる。
潤も翔も嬉しくてテンションが上がっているのがわかる。
開演のベルが鳴る。
暗闇の中足元のランプを頼りに定位置に着く。
観客の期待が熱気となって流れてくる。
潤のカウントで照明が俺たちを照らすと共にライブがスタートした。
記念すべき一曲目は全員一致で決まったトビラ
観客が総立ちとなり、俺たちとひとつになる。
熱い夜の始まりだ。
ここに来るまでに回り道もしたけど、それも必要なことだったと思える。
この5人が出会えて本当によかった。
誰一人欠けてもいけないし、他の誰とも替われない。
もう今は微塵の迷いもない。
どこまでも走っていける気がする。こいつらとなら。
-----------END---------
長々とオタクの妄想にお付き合いいただきましてありがとうございました。
嵐のトビラには本当に元気をもらっています
嵐5人のドラマが見たい!というミントの言葉に
「もう、待ちきれないから自分で作ってやる!」
てなわけで始めましたが、楽しんでもらえたでしょうか
さて次回作は・・・できれば明るいのがいいかな?なんてね。
では
今回はラストシーンで『トビラ』をかけてね
ではスタート!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
妄想ドラマ 『 トビラ 』 (最終回)
一週間経っても10日経っても智の声は、ほとんど聴き取れないほどかすれたままだった。
それでも点滴の管が外され、少しずつ食事が取れるようになると
回復のスピードは速まった。
智は俺たちが行くとにこにこしながら話しを聞いている。
もともと口数が少なく聞き手にまわることが多かったのに、
声がかすれたままなので余計にしゃべらない。
それでも智の笑顔に俺たちはすぐに良くなるだろうと楽観的に考えていた。
やがてベッドから起きて自分で歩けるようになっても
声は元には戻らず、智から笑顔が少しずつ消えていく。
手術から3週間が経った。
退院の前日、病室の前にさしかかると中から大きな音がした。
驚いて中に入ると床に食事用のトレーや食器が散乱している。
今まで見たことのない険しい表情の智がそこに居た。
「どうしたんだ?何があったんだよ」
「なんで俺だけこうなんだ・・・」
かすれた声でつぶやいた。
「いつも・・・いつもそうだ。俺は大切なものを取り上げられる。なんでこうなるんだ」
「焦るな。声は時間が経てば治るって言われてるだろ」
「俺をジェイストのメンバーから外してくれ。退院したら田舎に帰る」
「帰っても誰もいないだろう?」
「同情なんかいらない。一人は慣れている」
俺は握りこぶしに力を入れて殴りたいのをぐっと我慢した。
「お前はまだ病人だ。そうじゃなかったらぶん殴ってる」
俺がそう言うと智は黙って病室を出て行ってしまった。
その日俺たちがスタジオと呼んでいるカズの家の倉庫に行くと、俺の作った曲に詞が出来ていた。
「能天気なお前らしい明るい曲だな」
「なんだよ能天気って」
「ウソだよ。いい曲だと思う。なんか元気出たからそういう歌詞になったよ」
潤に渡された歌詞を見ると、あきらめずに信じた道を進めというような内容だった。
「なんかさ、今の俺たちにピッタリじゃん」
とカズが言った。
「背中を押される気がするよ」
「いいね。もうそこらじゅうの人たちの背中も押したいよ」
俺はそう言いながら一番聴かせたい奴の顔を思い浮かべていた。
退院の日、俺は夏美と一緒に病院へ智を迎えに行った。
これからは自宅療養になる。
自宅といっても俺のアパートだ。
智のお姉さんはまだ手のかかる子供たちを置いて看病する余裕はない。
智の表情は相変わらず暗かったが、夏美がいたせいか黙って俺たちと一緒にタクシーに乗りこんだ。
俺はアパートに戻る前に俺たちのスタジオへ智を連れて行った。
どうしても昨日出来たばかりの曲、トビラを聴かせたかったからだ。
みんなも揃っていた。
智は破れたソファーに座ってもたれかかり、目を閉じて聴いていた。
「俺、この曲歌いたい。歌えるようになるかな」
「医者が治るって言ってるんだから大丈夫さ」
いつも前向きな潤が言った。
「もし、声が元通りにならなくてもジェイストにいたかったらギターをやればいい。
死に物狂いで練習しろ。道はいくらでもある」
下手な慰めを言わないところが潤らしい。彼なりの優しさだ。
「退院したばかりだから体調を整えることが先だろう。そうすれば声だって戻ると思うよ。
焦って自棄にはなるなよ。」
「そうそう、相葉じゃ頼りにならないだろうけど、俺たち3人がいる」
翔とカズの言葉に俺も続く。
「なんだよヒドイなぁ。俺だって智のパンツを洗ったり、食事の世話したり
頼りになるって!」
「馬鹿、そういうことじゃないの!」
みんなの明るさに智もやっと笑顔を見せた。
やがて智の声は少しずつ出るようになり、季節が秋に変わる頃には
すっかり回復していた。
その後の検査でも問題はなく、智は冗談も言うような明るい奴になった。
そしてジェイストの新たな出発の日を迎えた。
そう今夜が記念すべき一発目のライブ。
いよいよお客が入って会場のざわつきが聞こえてくる。
朝からテンション上がって落ち着かない俺と違って智は落ち着いている。
「なんでそんなに落ち着いてるの?智はライブ初めてなのに緊張しない?」
「緊張はしてない。いよいよ歌えることが嬉しいよ」
「ひょっとして超大物なんじゃないの?」
カズがおどけてみせる。
潤も翔も嬉しくてテンションが上がっているのがわかる。
開演のベルが鳴る。
暗闇の中足元のランプを頼りに定位置に着く。
観客の期待が熱気となって流れてくる。
潤のカウントで照明が俺たちを照らすと共にライブがスタートした。
記念すべき一曲目は全員一致で決まったトビラ
観客が総立ちとなり、俺たちとひとつになる。
熱い夜の始まりだ。
ここに来るまでに回り道もしたけど、それも必要なことだったと思える。
この5人が出会えて本当によかった。
誰一人欠けてもいけないし、他の誰とも替われない。
もう今は微塵の迷いもない。
どこまでも走っていける気がする。こいつらとなら。
-----------END---------
長々とオタクの妄想にお付き合いいただきましてありがとうございました。
嵐のトビラには本当に元気をもらっています
嵐5人のドラマが見たい!というミントの言葉に
「もう、待ちきれないから自分で作ってやる!」
てなわけで始めましたが、楽しんでもらえたでしょうか
さて次回作は・・・できれば明るいのがいいかな?なんてね。
では