お待たせしました!?
では主題歌は嵐の『Snowflake』でどうぞ。
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妄想ドラマ 『Snowflake』 (4)
ニ学期になって、賑やかに夏休みの出来事を報告しあうクラスメイトたち。
夏葉は誰にも言えない、悟と二人だけの秘密が出来たことが嬉しかった。
少しだけみんなより大人になった気がした。
美術部の部室に行くと、待ち構えていた一年の女子3人に取り囲まれた。
「夏葉先輩!今ね大町先輩のこと話してたんですよ」
「夏休みに女の人と二人で歩いているとこ、友達が目撃したの」
「その子、大町先輩に憧れてたからへこんじゃって。先輩何か知ってます?」
夏葉はちょっとためらってから
「ううん、知らない」
と答えた。
「あーショック。私達も憧れてたのに」
「でもさ、まだ彼女って決まったわけじゃないもん」
何も知らずに無邪気に騒いでいる彼女たちの声を聞きながら、
やっぱり悟はもてるんだなと思った。
包容力を感じさせる穏やかな笑顔、絵を描くことに夢中になっている時の綺麗な横顔。
先生や先輩に媚びないマイペースで飄々とした雰囲気。
夏葉は自分が大好きな悟が、一年の女子に人気があることを嬉しく思う反面、
少しだけ不安になった。
取り立てて魅力的とも思えない自分より、悟にふさわしい子が他に現れるかもしれない。
けれどその不安はすぐに解消された。
「俺、いろいろ聞かれて面倒だったから、夏葉と付き合ってるって一年に言っちゃった。
まずかったかな?」
「私は・・・なんか嬉しいかも」
「そっか、よかった」
そういって悟は夏葉の頭をポンポンと軽く叩いて笑った。
二人のことはあっという間に周りの同級生たちの耳にも入っていて、
夏葉は学校で悟と話す時はみんなの視線が気になった。
でも悟はそんなことは気にする風ではなく、教室でも部室でも今までと変わらない。
そんな悟のことがますます好きになっていく。
始めは恋愛しているということに舞い上がっていたけれど、
体の関係をもってからは、愛されているという実感が夏葉に少しずつ自信を持たせた。
二人でいるときは、いつの間にか身に付けた明るくて物怖じしないキャラでいる必要が無い。
不器用で臆病な、ありのままでいる自分を受け入れてくれる悟のために、自分も悟の一番の
理解者で味方になろうと夏葉は思った。
やがて街路樹が秋の装いになるころ、悟はアルバイトが忙しくなって夏葉と
過ごす時間が減った。
悟が東京の美大へ行きたいこと、そして親の負担を減らすため、資金を少しでも貯めておきたいことは知っていた。
部活へはほとんど顔を出さないけれど、睡眠時間を削って絵を描いているのもわかっている。
それでも、夏葉は二人きりの時間がもっと欲しかった。
自分が悟の生活に占める割合を少しでも増やしたかった。
悟の都合に合わせていつでも会えるように、友だちの誘いもみんな断った。
夏葉の一途な想いが少しずつ悟の負担になっていったことに、彼女はまだ気づかない。
----------つづく-----------
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つたの葉が紅葉してきました。
実生活は食欲の秋!明るく能天気が一番!!な私ですが、
妄想は切な~くてなのにどっぷりと浸りたい気分。
ではまた
では主題歌は嵐の『Snowflake』でどうぞ。
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妄想ドラマ 『Snowflake』 (4)
ニ学期になって、賑やかに夏休みの出来事を報告しあうクラスメイトたち。
夏葉は誰にも言えない、悟と二人だけの秘密が出来たことが嬉しかった。
少しだけみんなより大人になった気がした。
美術部の部室に行くと、待ち構えていた一年の女子3人に取り囲まれた。
「夏葉先輩!今ね大町先輩のこと話してたんですよ」
「夏休みに女の人と二人で歩いているとこ、友達が目撃したの」
「その子、大町先輩に憧れてたからへこんじゃって。先輩何か知ってます?」
夏葉はちょっとためらってから
「ううん、知らない」
と答えた。
「あーショック。私達も憧れてたのに」
「でもさ、まだ彼女って決まったわけじゃないもん」
何も知らずに無邪気に騒いでいる彼女たちの声を聞きながら、
やっぱり悟はもてるんだなと思った。
包容力を感じさせる穏やかな笑顔、絵を描くことに夢中になっている時の綺麗な横顔。
先生や先輩に媚びないマイペースで飄々とした雰囲気。
夏葉は自分が大好きな悟が、一年の女子に人気があることを嬉しく思う反面、
少しだけ不安になった。
取り立てて魅力的とも思えない自分より、悟にふさわしい子が他に現れるかもしれない。
けれどその不安はすぐに解消された。
「俺、いろいろ聞かれて面倒だったから、夏葉と付き合ってるって一年に言っちゃった。
まずかったかな?」
「私は・・・なんか嬉しいかも」
「そっか、よかった」
そういって悟は夏葉の頭をポンポンと軽く叩いて笑った。
二人のことはあっという間に周りの同級生たちの耳にも入っていて、
夏葉は学校で悟と話す時はみんなの視線が気になった。
でも悟はそんなことは気にする風ではなく、教室でも部室でも今までと変わらない。
そんな悟のことがますます好きになっていく。
始めは恋愛しているということに舞い上がっていたけれど、
体の関係をもってからは、愛されているという実感が夏葉に少しずつ自信を持たせた。
二人でいるときは、いつの間にか身に付けた明るくて物怖じしないキャラでいる必要が無い。
不器用で臆病な、ありのままでいる自分を受け入れてくれる悟のために、自分も悟の一番の
理解者で味方になろうと夏葉は思った。
やがて街路樹が秋の装いになるころ、悟はアルバイトが忙しくなって夏葉と
過ごす時間が減った。
悟が東京の美大へ行きたいこと、そして親の負担を減らすため、資金を少しでも貯めておきたいことは知っていた。
部活へはほとんど顔を出さないけれど、睡眠時間を削って絵を描いているのもわかっている。
それでも、夏葉は二人きりの時間がもっと欲しかった。
自分が悟の生活に占める割合を少しでも増やしたかった。
悟の都合に合わせていつでも会えるように、友だちの誘いもみんな断った。
夏葉の一途な想いが少しずつ悟の負担になっていったことに、彼女はまだ気づかない。
----------つづく-----------
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つたの葉が紅葉してきました。
実生活は食欲の秋!明るく能天気が一番!!な私ですが、
妄想は切な~くてなのにどっぷりと浸りたい気分。
ではまた