嵐ファン・大人のひとりごと

嵐大好き人間の独りごと&嵐の楽曲から妄想したショートストーリー

妄想ドラマ 『Dive into the future』 (15)

2009年08月05日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
最終回にこぎつけましたよ

さて主題歌の“Dive into the future”の用意はいいですか?

私は5,60回は聴いて妄想力を高めました

ではどうぞ!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    
       妄想ドラマ 『Dive into the future』 (15)





車は窓ガラスが割れ、バンパーが無残な姿に変形していたが、

スピードがあまり出ていなかったので、4人とも奇跡的に怪我はなかった。

「警察を呼んで登山道の入り口まで送ってもらおうよ」  

雅紀が言った。

「なに言ってるんだよ!事故の検証に時間がかかるぞ」 

「潤の言うとおりだ。それでなくても俺たちが前に山に入ったときより随分時間が経っている」

翔に言われて雅紀は腕時計を見て青ざめた。

「行こう!警察にこれから友人が雪崩に遭うんですって言っても信じてもらえない。

 大丈夫、潤の車は走れる」

和也の言葉で、潤たちはシートのガラスを払い車に乗り込んだ。





そのころ智はすでに友人を追って山に入っていた。

仕事で疲れていたし、東京を出る前に少し仮眠をとっただけで体調はあまりよくない。

そのせいか長くて嫌な夢を見たことを思い出していた。

何かに追われて山の中を仲間たちと逃げている夢だった。

夢なのにその仲間たちのことが頭から離れない。

顔もぼやけて思い出せないのに、確かな絆でつながっていたという確信がある。

不思議な夢だった。

途中の避難小屋で休憩をし、簡単な昼食を摂っている間に雪が降り始めていた。


空はどんよりと重く、激しくなる雪は徐々に視界を悪くしていった。

冷たい風が智の全身に雪を叩きつけてくる。

(あいつはどこにいるんだ。頼むからどこかに非難していてくれ)

祈るような気持ちで足を進めた。

その時、どこからか声が聞こえたような気がした。

「リーダー行くな!」

智は立ち止まり、振り返った。

数人のパーティーが登ってくるのが、微かに見えた。

どこかで、自分がリーダーと呼ばれていたことを智は思い出そうとしていた。





「リーダーはさっきの避難小屋で休憩を取ったはずだ。たぶんもうすぐ追いつける」

カズが言った。

「腹へって死にそうだけど、その言葉で元気が出てきた。頑張ろう!」

雅紀がみんなを励ます。

しばらくすると前を行く人影が吹雪の中にぼんやり見えてきた。

潤が指差して言った。

「おい!あれじゃないか?」

「そうだよ!リーダーは青いヤッケ着てた」

視界が悪くてよくわからないが、雪崩が起きた地点は近い。

4人はがむしゃらに雪を蹴散らして進んだ。

「あの先の斜面だよ!間に合わない」

翔が悲痛な声を出した。

「あきらめるな!」

先頭を行く潤には固い握手を交わした智の笑顔だけが見えていた。

「リーダー行くな!行かないでくれ!」

心の中で叫びながら突き進んだ。

 



潤たちの思いが通じたのか智は立ち止まっていた。

後ろから来ていたパーティーがぐんぐん近づいてくるスピードに

何かあると直感したからだった。

先頭の一人が戻って来いというように手を振って合図をした。

何か叫んでいるがフードを振るわせる風の音がじゃまをする。

智が声の方へ数歩踏み出した時、風向きが変わったのか突然声がはっきり聞こえた。

「リーダー戻って来い!早く!」

自分を呼ぶ声。

確かに聞き覚えのある声。

智の脳裏にすべての記憶が蘇った。

140年後の世界で仲間たちと命をかけて過ごした数日のことがはっきりと。

その時、巨大な白い斜面がひび割れた。

「リーダー!」

4人の仲間たちの声を掻き消すように雪の流れは智を飲み込んだ。




潤は雪の中に膝から崩れ落ちた。

間に合わなかった。

ほんの20メートルほど先を雪の壁は一気に滑り落ちていった。

「リーダーが死ぬはずはない!」

和也が叫んだ。

潤が顔を上げると、吹雪の中に青い人影が立っていた。

そしてこちらへ向かって歩き出した。

4人は何が起こったのかわからずに、その場に立ち尽くしていた。

吹雪の中で顔が確認できるほどその人物が近づいた時、潤は自分が泣いていることに気がついて驚いた。

「リーダー・・・」

智は無事だった。

みんな言葉を交わすことなく、ただ力強く智と抱き合った。

一人ずつゆっくりと。



それから、5人は一番近い避難小屋まで戻った。

小屋の中に入って、背負っていたザックを降ろすと智が言った。

「ありがとう。俺を助けに来てくれたんだ」

「でも間に合わなかった。雪崩に巻き込まれたんじゃ?」

潤が聞くと、智はグローブを手首の部分までまくって見せた。

そこには腕時計に似たあの装置がつけられていた。

140年後の世界で開発されていた能力の増幅装置。

「シールドを張ったのか!」

「外すの忘れてたってわけさ」

智が微笑んだ。

「もう、俺なんてリーダーが流されたと思って号泣するとこだったよ」

雅紀が智の髪をくしゃくしゃになでながら言った。

「みんなの声を聴いた途端に記憶が戻ったおかげだよ。ほんとにありがとう」

「くそっ、心配させやがって」

潤が智の肩に腕を回して笑った。

「俺はリーダーは殺しても死ぬような奴じゃないとわかってたよ」

「嘘つけ、それならなんであんなに必死になってたんだ?」

翔に言われてカズは照れたように笑うと、しっかりと智の手を握った。



再会を喜んだが、智はすぐに厳しい顔になって携帯を取り出した。

自分が追いかけてきた親友の安否が気になった。

親友の恋人、真山沙希からメールが届いていた。

松本薫は槍ヶ岳山荘にいた。

「俺、親友が死ぬ気じゃないかと思って追っかけて来たんだけどさ、

 そいつ槍ヶ岳山荘にいたよ。そんなに柔なやつじゃなかった」

「よかったな。結局リーダーは親友じゃなくて俺たちを助けるために雪崩にあったようなもんだ」

和也が言った。

「そうだな。シールドがなきゃやられてたな」

潤が言うとみんな頷いた。

「じゃ、命の恩人にお礼をしてもらおうかな」

「いいよ。山降りたらさ、焼肉食いに行こうぜ!」

「また焼肉?雅紀は焼肉以外の食べ物を知らないんじゃない?」

5人の笑い声が風の音を消した。



久しぶりに心から笑えたと潤は思った。

来年はきっといい年にしてみせる。

恐れずに信じた道を進もう。

智、翔、和也、雅紀も同じ気持ちだった。

固い絆が5人の背中を押していた。


   
       --------end---------



さて、今回の妄想ドラマはいかがでしたか?

楽しんでもらえたでしょうか。

ミント(11歳)が冒険ものがいい!というのでリクエストに答えてみました。

私は『とにかくカッコイイ智くん』が密かなテーマでした

いつかタイムスリップものとして第2弾、3弾とやりたい気もしています。

まぁ今のところ、他の妄想が渦巻いているので遠い未来になりそうですが

では、そのうちまた妄想の世界で
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妄想ドラマ 『Dive into the future』 (14)

2009年08月02日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
未来では7月だったけど2009年は12月、涼しい気分になれるかな?

無理か・・・

季節はずれでごめんなさい。

ではどうぞ!



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       妄想ドラマ 『Dive into the future』 (14)




経験したことがない不思議な気持ちだった。

車を停めたまま、潤は記憶の引き出しをひとつずつ開け始めた。

「楓って誰・・・」

その名前をつぶやくとなぜか切なくなるのに、一体誰なのか見当もつかない。

しかも楓という女性は潤が山へ行くことを知っていて、行かないでくれと頼んでいる。

誰にも言わずに来たのに。

潤は苛立って、車のエンジンをかけると走り出した。

厳しい大自然に向き合って、胸の中のもやもやした気持ちを整理したかったのに

今は誰ともわからない楓という名前で頭の中はいっぱいだった。



苛立ちが一瞬のミスを生んだ。

信号が変わったのに気がつくのが遅れたのだ。

強めに踏んだブレーキが災いして車は凍結していた路面を滑り出す。

思わずハンドルを切ったがそんなことは意味がなく、車体を斜めにして助手席側から青信号で進入してきた車に突っ込んだ。

大きな音を立てて2台の車は、信号機の支柱で止まった。

衝突の際の衝撃もガラスが割れる音も、映画のワンシーンのように思えて実感がない。

運転席から降りてきた男が、割れた助手席の窓から

「大丈夫ですか?怪我は?」

と声をかけきて、潤は我に返った。

「すみません。あなたは大丈夫でしたか?怪我はありませんか?」

あわてて車から降りてそう言った。



男は潤の顔をまともに見ると驚いて叫んだ。

「潤!」

突然名前を呼ばれても潤にはなぜだかわからなかった。

名前を呼んだ後、男は数秒間額に手を当てて何かを必死で考えこんだ。

そして顔を上げると再び潤に言った。

「潤だろ?そうだよな?こんな所で会えるなんて」

「会ったことはあるかもしれないけど誰?」

男は興奮した様子で、潤の両腕を掴むと言った。

「翔だよ、櫻井翔。覚えてない?俺は思い出したよ、なにもかも」



翔と名乗った男は後ろにいた同乗者の二人の前に潤を押し出すと

「ほら潤だよ。覚えてない?」

と聞いた。

二人は潤の顔をマジマジと見つめてから首をかしげた。

「確かに顔は知ってるけど・・・なぜ知っているんだろう」

「二人とも思い出せ!俺たち未来で潤に出会ってるんだよ」

片方の男が苦笑した。

「未来で?翔、朝からふざけるのやめてよ?事故っておかしくなったわけじゃないだろ」

「ふざけてなんかいない。タイムスリップして、ロボットと戦って山を越えたし・・・

 ほら、神無月さんとか楓さんとかにも会ったじゃないか」



翔の口から楓という名前を聞いた途端、潤の全身を熱いものが貫いた。

すべての記憶が次々に蘇った。

こんこんと湧き出る泉のように淀みなく。



「翔、カズ、雅紀・・・俺たちはいいチームだった」

静かで力強い声だった。

翔が確認するように潤の目を見つめた。

「俺たち戻ってきたんだ」

それから二人はどちらからともなく抱き合って、お互いの存在をしっかりと確かめた。



カズと雅紀の記憶が戻るのにも、そう時間はかからなかった。

潤と翔が140年後での経験を話して聞かせるうちに、きっかけとなる一言で突然記憶が蘇った。

未来での記憶が戻った途端に和也が叫んだ。

「俺たち山で雪崩に遭うんだ!」

「カズが言っていた嫌な予感はそれだったのか」

雅紀が言った。

「やっぱりカズの予感は当たるんだな」



「リーダーは?リーダーはどこにいるんだ!早く止めなきゃ」

潤の言葉に翔たちも、まだひとり、危機を脱していないことに気がついて愕然とした。

こうしている間に智は雪山へ足を踏み入れてしまうかもしれない。

4人の気持ちは140年の時を越えてまたひとつになった。

「絶対にリーダーを死なせない」




         ---------つづく--------




次回はいよいよ最終回です。

4名様、智を助けて!!!

ではまた
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妄想ドラマ 『Dive into the future』 (13)

2009年07月31日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
同じ嵐ファンということで知り合った友人から2年前の

“まごまご”や“お江戸”なんかを録画したDVDを見せてもらっています。

特にまごまごはジ~ンときちゃうことも多くて、いい番組だったんだなぁとしみじみ

色白のおーちゃんが懐かしい感じさえします。

最近はすっかり日焼けした顔を見慣れていましたが、やっぱ白い方が可愛いかも。

焼けてる方が男っぽいけど。

ん~どっちも素敵

今の妄想ドラマの智は色白より、少し焼けてる方が合ってるかな?

ではどうぞ! 



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        妄想ドラマ 『Dive into the future』 (13)




「君たちには本当にすまないことをした。許してくれ。やっぱり、危険を承知で帰るんだね?

 警察が来ても君たちが責任を問われることはないんだよ。無理やり連れてこられたうえに騙されていたんだから」

神無月の言葉に翔が答えた。

「決心は変わりません。俺たちの未来は21世紀にあるんです」

それから5人は固い握手を交わして、2009年での再会を誓い合った。


「早く!警察が来る!」

楓が叫んだ。

モニターに大勢の制服の男たちが映った。

そのうちの10名ほどがこちらに向かってくる。

「セットしている時間がない。戻るのは山に入る直前だ」


5人は急いでここへ来たときの服に着替えるとタイムマシンに乗り込んだ。

ハッチを閉める前に、潤が楓に右手を差し出した。

ためらいがちに楓がその手を握った。

「楓さん、二人で過ごした時間は楽しかったよ。あの時の君の優しさに嘘はなかったと信じてる」

「ごめんなさい。許して・・・」

あとは言葉にならず、楓の頬を涙が流れた。

「短い時間だったけど大切な思い出にする。同じ時代で君と巡り会いたかった」

潤は楓を引き寄せると、優しく抱きしめた。

自分が楓にそうしてもらったように。



入り口のドアを叩く音がする。

ロックを解除するには時間がかかるはずだ。

神無月がタイムマシンを作動させた。

5人は140年前に、自分たちの未来が待っていると信じて旅立った。




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12月27日の朝、潤は新穂高のホテルをチェックアウトした。

登山道入り口の駐車場に車を停めて、空を見上げた。

まずまずの天候だ。

午後からは下り坂になるかもしれないことは知っていたが、

本格的に天気が崩れるのは明日だし、午後の早い時間に山小屋にたどり着ける自信があった。

何気なくポケットに手を入れると、何かが指に触れた。

小さなメモ用紙だった。

二つにたたまれた紙を開くと女性らしき字でこう書かれていた。

『山へは行かないで 楓』

走り書きされた字に見覚えはなかったけれど、楓という名前に胸の奥が疼いた。

「楓・・・」

潤は記憶にないその名前を小さくつぶやいた。



       -------つづく--------





ミント(11歳)に“早く国立の当落を確認しよう!”と迫られております

しかし土曜日にミントたちが某県のコンクールに出場するので

その結果、上の大会に行けるかどうかがわかってからにします。

コンクールより国立の結果のほうが何倍もドキドキする
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妄想ドラマ 『Dive into the future』 (12)

2009年07月26日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
ぱっとしないお天気で蒸し暑いです

夏の夜、嵐くんで妄想の世界へいかが?

ではどうぞ!



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    妄想ドラマ 『Dive into the future』 (12) 



小さな音は徐々に近づいてきた。

誰かの靴音だ。

5人は息を殺して、誰が現れるか待った。

エレベーターホール奥の廊下から姿を見せたのは楓だった。



「楓さん!」 

潤が駆け寄った。

楓は潤を見て驚いたが、すぐに手をとって無事に帰って来たことを喜んだ。

「こんなに早く戻ってこれるとは思わなかった。通行許可もないのにトンネルを通れたの?」

「無理やりね。誰もいないのはなぜ?俺たち成功したのに」

楓の話によると、緊急事態だから全員すぐに集まるようにと、館内放送があり、

ひとり遅れて地下の会議室に行ったらみんな倒れていた。

催眠ガスで眠らされているらしい。

「神無月さんは?」

潤が聞くと楓は首を振った。

「わからない」

「だれかが、タイムマシンのデータを盗もうとしているんだよ。行こう!」

「待って。外部と連絡取れたから助けを呼んだの。だからここで待っていたほうがいいわ」



その時、和也が楓の腕を掴んだ。

「おかしいな、俺には君が危険に思える」

「どういうことだカズ?」

潤が聞いた。

和也はいきなり楓を壁に押し付けると、身体を探った。

楓が抵抗する間もなかった。

「なにするんだ!」

潤が止めようとした時、和也の手には銃が握られていた。

「なんでこんなもの持ってるのか説明してもらおうか」

楓は何も答えない。

「黙ってるってことは君も犯人の仲間だと認めたわけだ」



「なんで何も言ってくれないんだよ・・・」

潤は優しく自分を受け入れてくれた楓が犯人の一人だとは信じたくなかった。

すべてが芝居だったとは思えない。

少なくとも、ふたりで過ごした時の楓の笑顔には確かに愛があった。

それなのに今、目の前の楓は厳しい表情で何も答えてはくれない。



「地下の研究室に行こう。神無月さんが危ない。案内してもらうよ」

翔が楓に言った。

智が潤の肩に手を置いて促すと、5人は楓を連れた翔を先頭に、地下へ向かった。



普段は締まっていて、限られた人間しか入れない通路が開いている。

様子をうかがってから進んだその時、

「不審者が侵入しました」

と機械的な声が警報音と共に何度も繰り返された。

10メートルほど奥のドアが自動で開き、神無月が出てきた。

その背後にピッタリと山辺がくっついている。



「驚いたよ。まさか帰ってこれるとは思ってもみなかった。過去の人間も意外にやるもんだな」

「あんたが犯人だったのか。タイムマシンのデータをどうする気だ?」

翔が山辺に言った。

「君たちは信じないだろうが、俺はタイムマシンで世界を救う。この間違った世の中を過去から作り変える。

 君たちに危害を加えるつもりはないから、楓を離してくれ」



「私は一緒には行かない」

楓はまっすぐに山辺の目を見て言った。

「やっぱりあなたは間違ってる。この人たちを見ていて思ったの。みんな大事な一度きりの人生を一生懸命生きてきたのよ。

 理想のためだからって、突然人の過去や未来を奪っていいはずがない。

 世の中を変えたいなら、過去へ戻るんじゃなくて今から始めることがあるはずよ」

「今からじゃ遅い」

「俺たち、バリケードもトンネルも強行突破してきたから、すぐに警察が押し寄せてくる」

雅紀が言うと山辺は神無月を離して、廊下をこちらへむかって歩き出した。

「空から迎えが来る。最新のヘリだ。君たちにも見せたかったよ。君たちならいい戦士になれる」

5人は身構えたが神無月が叫んだ。

「抵抗するな!銃を持っているし、シールドも張れる。彼には手出しできない」

それを聞くと、山辺は5人の間を通って足早に立ち去った。

一度振り返って楓を見たが、彼女は動かなかった。



「神無月さん、行かせていいんですか?」

翔が楓から取り上げた銃を見せた。

「ああ、データは二重になっていて、スタッフにも気づかれないよう少し改ざんしてあるんだ。

正しいデータを呼び出すには特殊なパスワードがあって、間違えるとデータは消える。

 タイムマシンの研究は私の目の届かないところでは出来ないようにね」

「やはり悪用される危険性を考えていたんですね」

「そうだ。私は、結局誰も信用できなくなっていた。こんなことが起きて決心したよ。

 タイムマシンはデータと共に葬り去ることにする。君たちを帰してから」

「それはいつ?」

「今すぐにだよ。山辺ひとりでこんなことが出来たはずがない。きっと上層部にも仲間がいるはずだ」

「仲間は警察のトップクラスにもいるの。もうここに向かっているかもしれない」

それまで黙っていた楓が言った。

「時間がない!早くこっちに。楓くんも来てもらおう」



神無月が潤たちを呼んで廊下の突き当たりの壁に手をかざすと、壁がスライドして入り口が現れた。

さらに進んだ奥の部屋にそれはあった。

直径3メートル、高さ2メートルほどの円筒形で一部がガラス張りのように透明で中が見える。

たくさんの管やコードのようなものが壁一面の装置とつながっている。



「過去へのタイムスリップも君たちが初めてだ。何が起こるかわからない。

 ここへ残って新しい人生を始めるという選択もあるんだよ。どうするかは君たち次第だ」

5人は躊躇した。

わずかに残っている最後の記憶は吹雪と雪崩だ。

しかし迷っている時間はない。

「俺たちは雪崩で死ぬんですか?」

潤が神無月に聞いた。

「いや、本当はどうなったか、その先のことは分かっていないんだ。ただもとの時間と位置にセットされたままだから、

そこに帰すのが成功率が高いと思う」

「少しもずらせない?」

「最大で3日くらいなら大丈夫だと思うが保障はない」



「よし、3日前で決まりだな」

と腕組みをして智が言った。

「リーダー、なんでそう簡単に決められるの?」

「カズの予感はどうなんだ?危険は感じてる?」

「わからない。ただ怖いよ」

「俺も怖いよ。でも自分の時代に帰るために危険をおかしたんだから俺は帰る。

 それにまた記憶を無くすとは限らないし、もしそうだとしても3日の間に思い出すかもしれないだろ。チャンスにかけるよ」

「そうだよ。また雪崩にあっても死ぬと決まってるわけじゃない。俺も帰りたい。

 自分がどんな奴だったかわからないで生きていくのは嫌だよ」

雅紀も智に同意した。

「そうだな。もう一回冒険の旅に出るか」

潤の言葉に翔と和也が顔を見合わせて言った。

「俺たちって運命共同体みたいだな。最後まで付き合うよ」




        ---------つづく----------
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妄想ドラマ 『Dive into the future』 (11)

2009年07月22日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
  

      妄想ドラマ 『Dive into the future』 (11) 



潤と雅紀はジリジリしながら携帯を見つめていた。

研究所を出るときに持たされたもので、山のこちら側へ下りたらつながったのだ。



潤たちと別れて行動している翔たちから連絡が来ることになっていた。

3人が車を降りてから40分あまり、突然携帯が光った。

「解除した。門の陰で待機している」 

和也からだった。

「俺らも出発だ」

潤はゆっくり車をスタートさせた。



山に沿った大きなカーブを曲がると、すぐに検問が見えた。

簡単な柵が道路をふさぎ、両側に制服を着た男が一人ずつ立っていた。

止まるように合図をしている。

腰になにやら銃のような物を下げているところをみると、警官だろうか。

雅紀に目で合図をしてから、潤はいっぱいにアクセルを踏み込んだ。

「スピードオーバーです」

音声が流れ、警告のランプが点いた次の瞬間、車は柵に突っ込んでいた。

通行止めの標識がついた低い柵がこわれて、スローモーションのように破片が

飛び散るのが見えた。

驚いた二人の男が、横のキャンピングカーのように大きな白い車に走って行く。

「あいつらどこかへ連絡するつもりだ」

雅紀が叫んだ。

「かまわないさ。警察なら追ってくるだろう。その方が研究所の犯人は慌てる」



管理事務所の前に車を停めると同時に智たちが出てきた。

「中にいる犯人はどうするかな?神無月さんたちは外部と連絡がとれて、

 すべてが嘘だったと分かるわけだし」

車に乗り込むと和也が言った。

「俺ならデータを持って逃げるところだけど・・・もしそれが可能ならとっくに

 そうしていただろうしね」

と翔が言った。

「犯人はどうしてもタイムマシンを作動させてみる必要があった。そして犯人は、

 その気になればデータを持ち出せる神無月さん以外の誰か・・・」

「どういうことリーダー?」雅紀が聞いた。

「データを持ち出してもタイムマシンを作るにはたぶん莫大な費用がかかるだろう?

 その費用を出させるためには成功した実験結果が必要だったんじゃないかな」

「なるほどね。どこか外国にでも売り込むつもりだったってことか」



「トンネルだ。つかまってろ!」

潤の声に4人は話をやめて前を見つめた。

入り口に人間型のロボットが2体立ちはだかって、停止するよう合図している。

「間に突っ込むぞ!」

潤がそう言って、再びアクセルを踏み込んだ。

ぶつかる!と思った瞬間、ロボットはすばやく身をかわして威嚇射撃してきた。

2キロのトンネル内に、ロボットは1キロ地点と出口にも配置されているはずだ。

潤は猛スピードで1キロ地点を通り過ぎた。

銃声が立て続けにしたが、やはり威嚇射撃だった。



「非常事態は解除されたから、攻撃はしてこないね」

「次は威嚇じゃない。本気で狙ってくる」

翔の言葉を打ち消すように、和也が低い声で言った。

「みんな伏せてろ!カズ、かなり危険な感じ?」 

そう聞きながら、智が運転席の潤と助手席の翔の間に身を乗り出した。

「俺が感じるのは3、4体。運転席側から潤を狙う」

トンネルの出口が眩しく光っている。

ロボットが4体シルエットになって浮かび上がった。

「潤、恐れずに突っ込め。俺を信じろ!」

「了解。行くぞ!」


銃声がけたたましくトンネル内に響き渡り、

フロントガラスも運転席側の窓も粉々に砕け散って、一瞬前が見えなくなった。

それでも潤はハンドルにしがみつき、アクセルから足を離さなかった。

あっという間に銃声は遠ざかった。

「やった!」

「突破した!」

雅紀たちが口々に叫んだ。

潤は自分が生きていることを確認するように、大きく深呼吸をした。

智のシールドが潤を守ったのだ。

智は力を使い果たして、ぐったりと和也にもたれかかった。



やがて研究所の建物が見えてきた。

「携帯で神無月さんに連絡してみる?」

翔が聞いたが、智が止めた。

「誰が犯人かわからないし、きっとなにか行動を起こしてると思うよ」

「俺たちがこんなに早く戻ってきたとは思ってないだろうから、そっと行って

 様子を見たほうがいいんじゃない?」

雅紀の提案にみんな賛成した。

ゲートのすぐ手前の茂みで車から降りて、5人は塀の内側の植え込みに隠れながら建物に駆け込んだ。

非常事態の隔離が解除されたはずなのに、建物の中は静まり返っていた。

5人は黙って顔を見合わせた。

何かが起こっているのを肌で感じた。

その時、小さな物音がして5人はすばやくロビーの柱の陰に身を潜めた。




         --------つづく--------




今回は潤くんが乱暴な・・・じゃなくて強気な運転で活躍しましたね。

派手なカーチェイスとかも考えたけど・・・そんなことしてたらいつまでたっても

最終回にたどりつかなくなりそうで

ではまた
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妄想ドラマ 『Dive into the future』 (10)

2009年07月20日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
     
      妄想ドラマ 『Dive into the future』 (10)




朝日が登ると雄大な景色が広がった。

140年後の日本にも変わらない自然が残っていた。

「綺麗だな」翔がぽつりと言った。

自分たちが愛した山の風景が今も目の前に広がっていることに、5人は安堵した。

しかし感慨にふけっている暇はない。

地図で下山ルートを確かめると智を先頭に出発した。

一度、カモシカの気配に驚いたが、あとは危険を感じることもなくふもと近くの道路に出た。



しばらく歩いて、別荘らしきログハウスの表ににキーをつけたままの車を見つけた。

「本当にみんな死んでしまったのかな」

雅紀がログハウスを覗こうとしたが翔に止められた。

「やめろよ。見たくない光景が広がっているかもしれない」



潤が運転席に座ってエンジンをかけた。

研究所で教えられたとおり、カーナビに目的地の住所を告げる。

「シートベルトを装着してください。スタートします」

全員がシートベルトをつけると、車は滑らかに走り出した。

後は自動運転で目的地まで行ける。

「すごいな。いつからこんな車になったんだろう?」

「交通事故もなくなったのかな?」

潤と助手席の翔が感嘆の声をあげた。

「目的地までの所要時間は約30分です」

再び女性の声が流れた。

「テレビつけてみよう。なにかわかるかも」

翔が画面のテレビの表示に触れると、そこには恋愛ものと思われるドラマが映った。

「チャンネル変えて」

和也に言われて翔が次々にチャンネルを変えるが、ニュースやドラマ、

中には地方からの生放送までやっている。

「どういうことだよ?平和なもんじゃないか!」

5人は呆然とした。



「だまされてたんだ」

沈黙を破って智が言った。

「いったい誰がなんのために?」

和也の言葉に潤が答えた。

「研究所が孤立していたのは確かだ。何者かが通信を遮断して、嘘の情報を神無月さんたちに流した」

「ひょっとしてタイムマシンの研究が狙われてるんじゃ?」

「そうだろうな。悪用しようと思えば、世界を手中に収める事だって夢じゃない。

 実際にタイムマシンを作動させるために嘘の情報で追い詰めたんだよきっと」

潤はそう言うとハンドルに両手をかけ、自動運転の解除スイッチを押した。

「自動運転を解除します」

音声案内が流れた。

「潤、どうするつもり?」

翔が聞いた。

「どこかで情報を仕入れよう。表向きはバイオ研究所になってるところが

 通信網まで隔離されていればおかしいだろ?家族だって黙っていないと思う」

「そうだな、状況を知らなきゃ動けない」



目的地近くに一軒の店があったが営業していなかった。

一枚だけ開いたシャッターから、ちょうど年配の男性が出てきた。

雅紀と和也が車を降りて声をかけた。

「あのお店やってないんですか?」

不審に思われないように注意しながら、雅紀が聞いた。

「この先に検問があって通行止めだから商売にならないよ。当分休業だね」

「何かあったんですか?」

「何かって、ニュース見てないの?ちょっと前にバイオ研究所で事故があって、何とかいう薬品で汚染されているらしいね。

 トンネルから向こうは隔離状態。可哀そうに全員亡くなったらしいけど、当分は遺体も引き取りにいけないらしいよ」

「へぇ、じゃぁ検問ってやっぱりすごいんでしょうねぇ?」

「最初はね。でもトンネルは警備用のロボットがいるから、今はバリケードがあって、交代で二、三人立ってるだけだよ。

 見に行ってもつまんないからよしな」

「ありがとうございました」

二人が礼を言うと男性は車に乗って走り去った。



潤と雅紀は車に残り、あとの3人は道路から山へ入り、検問所を避けてトンネルの管理事務所を目指した。

そこの地下施設のコンピューターから非常事態の隔離を解除することが出来る。

もしそれが出来なければ防衛庁に掛け合うしかないが、どこの誰ともわからない

5人なんて門前払いだろう。



15分程歩くと、雑木林から見えた管理事務所はこじんまりとした建物で、門は閉められ人気はなかった。

「大丈夫。危険は感じない」

和也の言葉で智が建物の裏から入り口に回った。

暗証番号を入力すると簡単にドアが開いた。

手を上げて合図をすると、翔と和也がすばやくドアに滑り込んだ。

地下施設へのドアは指紋の照合が必要だったが、

神無月の指を正確にかたどった、シリコン製の指で開ける事ができた。

その後も身分証明のカードで3つのドアを抜け、コンピューター室に入り、いよいよ解除できるところまで来た。

「翔、パスワードはDream "A" liveだよな」

和也が確認した。

「パスワードはDream" A" live、どういう意味だろう?」



画面に『バイオ研究所の非常事態網を解除しました』の文字が出た。

「よし行こう!解除されたことを知れば、犯人たちは慌てて動く。神無月さんたちが危ない。

 彼らに何かあれば俺たちも、もとの世界に帰れなくなる」

智の緊迫した声に翔と和也も、これからの行動が自分たちの運命を決めるのだと感じた。



         ----------つづく-------




う~ん11話で完結は無理のようです

どんどん妄想が予定より膨らんで・・・

もう少しお付き合いを




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妄想ドラマ 『Dive into the future』 (9)

2009年07月18日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
私、暑いのが苦手なんです。

思考能力も落ちてくる。

で、窓の向こうに見える2000メートル級の山々を眺めながら

あそこ登ってるのかぁ・・・なんて妄想しております

いよいよ終盤に差し掛かってまいりました。

5名様の運命は?

ではどうぞ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


        妄想ドラマ 『Dive into the future』 (9)




潤と雅紀が迎え撃つ構えを見せた時、崖を見上げて和也が言った。

「俺、この崖登れると思う。なんかこういうことやってた気がする」 

和也は崖の窪みに足をかけると、

「俺が登ったとおりについてきて!」  

そう言ってあっという間に崖を登って見せた。

「雅紀、先に上って援護しろ!」

潤に言われて雅紀、翔の順に崖を登り始めた。

和也の指示に従って窪みに手や足をかけると、思ったより簡単に登れた。



その間に迫ってきたロボットの全身が見えた。

蜘蛛のような6本の足で斜面を捉えて登ってくる。

その足の上に本体と思われる多角形の平べったい箱がついていた。

箱にはいくつもの突起があり、突然白っぽい光線を放った。

人間型のロボットと同じだ。

光線は智を狙っている。

「リーダー!」潤が叫んだ。

智はすばやく身を伏せた。

雅紀が崖の上からロボットを狙ってレーザー銃を発射するけれど、生い茂った木立が邪魔をする。

「潤、早く行け!」

智に言われて潤が登り始めると、今度は潤を狙ってきた。

光線は潤の足のすぐ傍で火花を散らせた。

「早く!早く!」

翔と和也が上から潤を引き上げようと手を伸ばす。

ロボットから潤を狙った光線が発射されるのと、智がシールドを張るのがほぼ同時だった。

光線はシールドに遮断され、翔と和也によって潤は引き上げられた。

シールドが消えると智は近くの倒木の陰に隠れた。

3体のロボットはすぐ傍まで迫っている。

見つかるのは時間の問題だ。



「潤、銃のパワーが残り少ない」

「俺のもだ。この距離ならはずさない自信はあるのに」
 
「あいつら6本の足が広がっているから、木の間が広いところしか通れないだろう?3体同時には崖に近づけない。

 あの右側の木の間を通ってくると思うから、あそこを狙っていて」

翔の言葉に二人はうなづいた。

「リーダー!崖の一番端の方から登って!こっち」

そう言いながら翔は和也と谷になって切り立っている崖の端に移動した。

「ロボットから一瞬死角になる」

「わかった」

翔の合図で、智は倒木から飛び出して崖を登り始めた。

しかし、崖は最後のところで少し前にせり出していて手間取った。



「来た!」 

翔の読みは当たっていた。

まず潤が狙いを定めて引き金を引いた。

見事命中してロボットは停止した。

2体目は通路を塞がれて方向を変えると、障害物となる木に赤い光線を照射した。

木は一瞬で粉々に吹っ飛んだ。

そして崖の上に這い上がろうとしていた智に向かって、今度はまた白い光線を発射した。

光線は智を捕らえた。

バチッと鋭い音がして、智が手を離したが落下する前に和也と翔が服を掴んでいた。

木を吹き飛ばしたことでロボット自身も、全身をさらすことになり、潤と雅紀のレーザー銃ですぐに停止させられた。



「リーダーがやられた!」

智はぐったりとして意識がない。

「動かさないで!」 

雅紀が智の呼吸を確認すると脈をとった。

「大丈夫。気を失ってるだけ。たぶんスタンガンみたいに電気ショックをあたえられたんじゃないかな」

「よかった。やっぱり人は殺さないようになってるんだ。雅紀医者だったのかな?」和也が聞いた。

「違う。救急車に乗ってた。今ので思い出したよ少し」

「リーダーは雅紀に任せて、俺たちはあいつらを始末しよう」

潤が停止しているロボットを指した。



潤、翔、和也の3人はロープを使って崖を降りると、神無月に渡されたカードキーを

差し込む場所を探したけれど見つからない。

「人間型とは違うらしいな。原始的な方法でいくしかないか」

3人は光線が出ていた突起やレンズらしき物を、大きな石を使って壊した。

それからロボットを谷底へ滑り落とした。



崖の上に戻ると、智の意識が戻っていた。

「さっきのショックもあるし、シールドを張って疲れているからもう少し休んだ方がいい」

雅紀の言葉に従ってしばらく休憩を取ると、5人は再び標高2000メートルの稜線に向かって歩き出した。

そこを越えれば危険はなくなるはずだ。



やがて、予定のルートより少し西にずれたが、日が暮れる前に山の稜線に到達した。

みんな疲れていたので、反対側の斜面を少し下ったところでビバークすることにした。

もうロボットが追ってくる気配も感じられなかったけれど、交代で見張ることにした。



最後の見張りになった智が地図を見ていると、潤が起きて傍に来た。

「リーダー身体は大丈夫?信じられないような一日だったね」

「大丈夫。研究所を出てからまだ一日しか経ってないのに、いろんなことがあった。

 生きているのが不思議だよ」

「俺、自分の時代で一生懸命生きてたのかなぁ。もし、戻れたらなんだって頑張れる気がする」

「うん」

「でも、戻れても俺たち雪崩で死ぬ運命かもしれないわけだし・・・怖くない?」

「怖いよ。でも待ってる人がいるかもしれない」

「家族や・・・恋人だっていたかもしれないしね」

「突然行方不明なんて、残される方が辛いよ」

「俺たち生きているのにね」

夜の深い闇が薄れていく。



「俺の予感だと、たぶん死なない」

いつの間にか和也も起きていた。

「ほんと?」雅紀と翔も目を覚ましていた。

「ああ、雪崩でも死なない・・・ような気がする」

「頼りないな」

5人は顔を見合わせて微笑んだ。
 
もうすぐ朝日が昇るだろう。

また新しい一日が始まる。




         -------つづく--------



やっと危機は脱出しましたね。

11回くらいで完結できるかな。



昨夜、おーちゃんの夢を見ました

友達のレストランのパーティーに行ったらおーちゃんが来てて

よし!話しかけて握手してもらおう

その前に緊張してきたからトイレ!と思ったらトイレの前に待ってる人の列が

出来ていてそこで夢は終わりそ、そんな・・・目が覚めた

夢の中のおーちゃんはTVガイドのにのちゃんの衣装を着て、

魔王の田中圭くんのメガネをかけてました。

昨日、魔王みてたせいですな

いや~可愛かったのよメガネのおーちゃん


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妄想ドラマ 『Dive into the future』 (8)

2009年07月15日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
いやぁ梅雨明けしたそうで、急に暑くなりましたね。

私は年中熱いですけど・・・嵐くんたちに

妄想ドラマの世界にダイブ!して続きを見る?ために

何回も『Dive into the future』 を聴いて盛り上がってます

さぁ皆さんもこの曲を聴いて盛り上がってね

ではどうぞ!




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


       妄想ドラマ 『Dive into the future』 (8)




この盆地に研究所が出来て8年。

一般人は立ち入り禁止になったため、登山道入り口の駐車場はコンクリートの

隙間を雑草が埋め、売店らしき小さな建物は窓ガラスもなく廃墟となっていた。

「この陰で休憩しよう。このまま登山じゃ体力がもたない」

「そうだな。リーダーの言うとおり、少し食べないとバテそうだ」

みんなで建物の裏に周り、草むらに座った。



「これを見ていればロボットが来るのがわかるしね」

翔が地図を広げた。

すると、さっきの場所あたりに赤い点がいくつも動いている。

「カズの胸騒ぎはこれだったのか」

翔の言葉に、地図を見た4人はぞっとした。

「危なかったね。攻撃してきた奴が呼んだのかな?」雅紀が言った。

「たぶん。でもこっちに来るわけじゃなさそうだ。足跡を追跡するような機能はないらしいね」

赤い点は同じ付近を動き回っている。

「ロボットが地図に表示されるなら、なんで神無月さんたちは教えてくれなかったんだ?

 翔も知らなかったんだろう?」

雅紀が聞くと、みんなが翔を見た。

「ああ、聞いてない。研究所は外部から通信回線も、すべて遮断されていたからあそこじゃ表示されなかったんじゃないかな」

「なるほどね」

話しながら、楓たちが持たせてくれた宇宙食のような食事を摂った。

常に神経を尖らせているせいで疲れていたが、食べ終わると智が腰を上げた。

「行こう。山の上のほうが俺たちに有利なはずだ」



登山道は人が通らなくなって荒れていた。

時々、標高を記した案内板が現れて、ここが登山道だったことがかろうじて分かった。

5人は黙々と歩き続けた。




「リーダー、なんかわかんないけど空から危険を感じる」

標高1200メートル付近で、和也が不安げに空を見上げて言った。

生い茂った木々の切れ間に見える空は抜けるように青く、蝉の声が賑やかだった。

5人は姿勢を低くしてしばらく様子をうかがったが何も見えない。

再び歩き出そうとした時、低いエンジン音が聞こえ、登山道の上空に

ラジコンのヘリに似た、全長1メートルくらいの物体が現れた。

それは一旦、通り過ぎて戻ってくると上空でホバリングしている。

「空から攻撃してくるかも!」

誰かが叫んだと同時に潤がレーザー銃を発射した。

しかし警備ロボットのように停止しない。

「森の中へ!」

翔の声にみんなは登山道から森の中へ逃げ込んだ。

落ち葉や枯れ枝に足を取られながら後ろを振り返ると、一定の距離を置いて追跡してくる。

「くそっ」

突然、一番後ろにいた雅紀が、大きな石を拾って木の陰に隠れた。

「馬鹿、やめろ!」

潤が止めるのも聞かずに、雅紀は低空飛行で近づいてきた追跡機らしき物体の前に飛び出すと、

力任せに石を投げつけた。

追跡機はバランスを失って、立ち木に激突し動かなくなった。

「やった!」

喜んだのもつかの間、翔が地図を開いて確認すると三つの赤い点が現れていた。

赤い点は登山道を登ってくる。

「とにかく、登山道へ戻るのはやめよう」

5人は歩きにくい斜面を、草や木につかまりながら登り始めた。



「リーダー!赤い点が近づいている!」

翔が叫んだ。

「何でだ。斜面を登るのは苦手じゃなかったのか?」

出来る限り足を速めたが、5人の行く先に突然切り立った崖が立ちはだかった。

高さは4メートルほどだが、崖が続いた先は深い谷になっている。

木々の間から、蜘蛛のような形の物体が動くのが見えた。

そいつは金属の身体に木漏れ日を受けて、不気味に光っていた。



       -----------つづく---------




またもやピンチ

もう可哀そうじゃん!!って自分がそうしたんでした

ではまた


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妄想ドラマ 『Dive into the future』 (7)

2009年07月13日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
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       妄想ドラマ 『Dive into the future』 (7)



7月の森は緑が深く、鳥のさえずりがのどかだった。

5人は周りに神経を張り巡らしながら、なるべく音を立てないよう慎重に進んだ。

研究所が出来る前に使われていた登山道に入れば、危険は少なくなる。

最新のロボットでも警備用なので、山登りは得意ではないらしい。


みんな緊張で喉が渇いたけれど、誰も立ち止まらなかった。

「そこの岩かげで交代で水を飲もう。翔、方向はあってる?」

智に言われて翔が岩の傍にしゃがみこんで地図を確認した。

「何か来た!地図に動くものが」

緊張が走る。

「どっちから?」

潤と雅紀がレーザー銃を構えた。

「西から近づいてくる」

「別れて隠れろ!」

智の指示に、5人は分かれて岩陰に隠れた。

鳥たちが急に飛び立って、あたりは静かになった。

翔が無言で、智に地図の上を指差した。

赤い点がこちらに進んでくるが、二人が隠れている岩からは離れている。

一番近いのは雅紀だ。

ロボットの視野は、進行方向を中心に280度。

通り過ぎるのにあわせて、岩を回り込むように、少し移動しないと見つかる。

5人は息を殺してじっと通り過ぎるのを待った。

3分が30分にも感じられる。

パキパキと小枝を踏むロボットの足音を聞きながら、雅紀は徐々に

ロボットの死角にまわりこんだ。


智と翔が遠ざかる地図の赤い点を見て、うまくいったと思ったその時、

「うわっ!」何かに驚いた和也が声をあげてしまった。

ロボットが方向転換して戻って来る。

平地では思ったより早い。

「カズ、走れ!」

そう叫んで智はロボットと和也の間を全速力で横切った。

ロボットの頭部から、白っぽい光線が発射されて智を狙う。

「雅紀撃て!」

潤が岩陰からレーザー銃を立て続けに発射した。

雅紀も必死でロボットを狙った。

草に足を取られて智が倒れた。

やられる!

次の瞬間、智はシールドを張った。

ロボットは智を感知できなくなるが、シールドは数秒しかもたない。

「こっちだ!」

今度は和也が叫んでロボットに自分を追わせた。

潤たちの方へ走ってくる。

岩陰で至近距離まで近づくのを待って、潤のレーザーがロボットを捕らえた。

潤が引き金を引くと、突然ロボットは停止した。

しかし、これはまだ一時的にストップしただけだ。

翔が飛び出して、神無月に渡されたカードキーをロボットの背中に差し込んだ。

15センチ四方くらいの背中の一部が開き、

グリーンの点滅しているボタンを押すと、ロボットはすべての機能を完全に止めた。



全員がすぐ、智の所に集まった。

「ごめん。みんなを危険な目にあわせて本当に申し訳ない。でっかい蜂が来てつい」

とカズがみんなに謝った。

「みんな無事だし、ロボットの性能も確かめられた。気にすんな」

「潤の言うとおりだよ。ドキドキしたけど、俺たち結構かっこよかったかも」

潤と雅紀の言葉に智はいいチームだと心から思った。

もっと普通に、自分たちの時代にこいつらと巡り会いたかったと。

「案外うまくいったよね」

翔にもホッとした笑顔が見えた。

しかし、当の和也の表情は硬い。

「なんか胸騒ぎがする。早くここを離れた方がいい」

5人は水を飲むと、登山道の入り口に向かって先を急いだ。


      
         -----------つづく--------



やっとミントに合格点をもらいました

私も書いててワクワクしちゃった。

やっぱ5名様はかっこいいわ~

どんどん妄想しちゃう


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妄想ドラマ 『Dive into the future』 (6)

2009年07月11日 | 妄想ドラマ『Dive into the furture』
6話なのにまだ私の妄想の肝心なところが始まってない!

どんどんありえない方向へ行きますよ

そうですねぇ・・・『バック・トゥ・ザ・フューチャー』+『スター・ウォーズ』

みたいなノリで

なんじゃ、そりゃ?ですか?

ではどうぞ!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


     妄想ドラマ 『Dive into the future』 (6)



潤たちは智の言葉に、それしか道はないのだと覚悟を決めた。

それからの3日間で5人は警備ロボットのことや、脱出ルートなど必要な知識を詰め込んだ。

そして、5人の力を最大限にいかすための能力開発テストが行われた。

智と和也が、2009年では考えられなかった能力を秘めていたことがわかり、メンバーを勇気付けた。



「誰かリーダーを決めたほうがいいな。チームワークが必要だ」

神無月に言われて雅紀は迷わず智を指名した。

「大野さんがいいと思う。いざという時の決断力があるから」

「そうだな。俺も賛成だ。彼の一言でみんなが決断したわけだし」

潤が言うと翔と和也も同意した。

「俺はみんなをまとめたり、的確な指示をだしたりはできないよ」

「参謀は櫻井くんがやれば大丈夫だ。大事なのは4人が君がいいと言ってることだよ」

神無月に言われて智は承諾した。



「あの、呼び方も決めない?とっさの危機に大野さんとか松本さんとか言ってられないだろ?」

翔の提案に5人の呼び方も決めた。

「俺は普通に潤でいいよ。あとはリーダー、翔、和也は言いにくいからカズ。

 雅紀も短くする?マーとか?」

潤がニヤニヤ笑った。

「えっ!俺だけ可愛すぎるでしょ?」

「じゃ、マー君がんばろうか!」和也が言うとみんなが一斉に笑った。

潤は笑いながら、きっとこのメンバーならうまくいくと自分に言い聞かせた。



警備ロボットに対抗する武器は、ロボットに内蔵されているコンピューターの

回路を一時停止させるレーザー銃のようなものしかない。

ロボットが万が一誤作動した場合の時に使うもので、今まで一度も使用されたことはない。

レーザーポインターで狙いをつけて引き金を引く。

目には見えないけど何か強力な電磁波が出ているらしい。

潤はまるでゲームのようだと思った。

これで本当に自分たちを守れるのだろうか。

しかもこの銃は二挺しかない。

練習で、一番的を外さなかった潤と雅紀が持つことになった。



山辺がやってみせたシールドは、人間が持っている超能力を増幅させる装置を

使って作り出したが、彼ほど強力なものは100万人に一人くらいしか作れない。

手首に腕時計くらいの装置をセットする。

ほとんどの人間が作れるシールドは、蚊を寄せ付けない程度だ。

ところが、智には山辺を上回る力があった。

ただ訓練している時間がないので不安定だし、7,8秒しかもたない。

それでも必要な時には身を守れるだろう。


和也には別の能力があった。

それは前から本人も気がついていたが、偶然が重なっただけなのかもしれないと

思っていた予知能力。

判断に迷った時には心強いはずだ。



そして翔には地図が渡された。

昔のような紙の地図はここにはなかった。

それは3Dの映像で見ることが出来る地図で、小型のノートパソコンのような形

をしていたが、重さはわずか300グラムほどしかない。



4日目の朝、5人は用意されたオレンジ色の揃いのツナギに着替えた。

しっかりした生地なのに身体にフィットして、驚くほど伸縮性があり動きやすい。

「派手な色だなぁ。警備ロボットは色は分からないと知っていても、

なんか目立つんじゃないかとドキドキするよ」

雅紀の言うように、警備ロボットは人間のような形をしているが、色は認識しない。

オレンジを選んだのは自分たちが危険に出会った時、お互いを見失わないためだ。

ロボットのカメラは進行方向280度、動くものを捕らえ形と温度で判断する。

体温があるものを形状で人間と動物に分ける。

動物は放置、人間は捕獲。

そして車やヘリのような輸送機は、警告に従わないと攻撃してくる。

ただし、これは普段の警備の場合で、今はいきなり人間を攻撃してくるかもしれない。

脱出を試みた人たちが帰って来なかったので情報がないのだ。




「そろそろ行きますか?」

智の言葉に4人は黙ってうなづくと、食料や水の入ったリュックを背負った。

「頼むよ。君たちにすべてがかかっているんだ。きっとうまくいく」

「必ずやり遂げてみせますよ。だからあなた方も約束を果たしてくださいね」

5人は神無月や研究所のスタッフと握手を交わして建物を出ると、庭を囲んでいる

低い塀の傍にスタンバイした。

振り返った潤の目に、今にも泣きだしそうな楓が映った。



非常事態モードの警備ロボットはどんなルートで回っているのか分からない。

3体が5分おきに通り過ぎた後、

研究所のマスコットとして飼われているラブラドールのモモが

投げられたボールを追って外に走り出た。

ボールを加えて戻ってきたがロボットの気配はない。

智が和也を見た。

「危険は感じない」と答えた。

「行くぞ!」

智の合図で5人は数秒を置いて、次々に森の中に消えた。



        ----------つづく--------



やっと出発できたー

後はミントに地味!って言わせないようにね

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