嵐ファン・大人のひとりごと

嵐大好き人間の独りごと&嵐の楽曲から妄想したショートストーリー

妄想ドラマ 『 season 』 (2)

2010年04月05日 | 妄想ドラマ『season』

     妄想ドラマ 『 season 』 (2)



俺が担任することになったのは6年3組、32人。

心の準備が出来てない。

7月から産休に入る先生のあとを引き継ぐはずだった。

それまでは副担任というかたちでいろんなことを教えてもらうことになっていた。

それが、切迫流産の危険で突然の入院。

大体、新米の俺が6年生なんて大丈夫か?

「社会人としての経験を積んでいるのだから、新卒の先生とは違います。あなたなら大丈夫」

と教頭先生に言われたけれど、不安だ。

でもやるしかない。


始業式が終わり、いよいよ子供たちとご対面だ。

深呼吸をして、賑やかな声のする教室のドアを勢い良く開けた。

子供たちの視線が眩しい。


“ようこそサクショウ先生!”

黒板に大きく書かれた文字が目に飛び込んできた。

その下に人物の絵が描かれている。

どうやら俺らしい。

吹き出しのセリフは“ボクはおじさんじゃない!”

「ええっ?」

驚く俺の様子に爆笑の子供たち。

動揺しちゃいけない。


「みんな席について」

そう言うと、みんな素直に席についた。

「急に入院することになった小林先生に代わって6年3組の担任になりました。

 先生の名前は櫻井翔太。これは歓迎されていると思っていいんだよね?」 

黒板を指差すとまた笑い声が漏れた。

教室を見渡すと、窓際の一番後ろの席で、頬杖をついた男の子と目が合った。

ゲームセンターで出会ったシュウだ。

なんだそういうことか。

シュウは頬杖をついたまま、ニヤニヤしながら空いている手でVサインをした。


「それではみんなの名前と顔を覚えたいので、出席簿順に自己紹介をしてもらいます。

 名前を呼んだら立って、好きなことや6年生でやりたいことなど、何でもいいので教えてください」

「じゃ、先生から」と誰かが言うと拍手がおこった。


「えーっと、それでは僕から自己紹介させてもらいます。出身は東京です。

 だからこの辺のことはあまり知りません。みんなに少しずつ教えてもらおうと思ってます。

 食べ物の好き嫌いはなくて、スポーツはサッカーが得意。黒板に書いてある

 サクショウは子供の頃のニックネームです。僕は子供の頃の夢が学校の先生になることでした。 

 だから南が丘小学校の先生になって君たちに会えたことがとても嬉しいです。 

 小学校最後の一年を一緒に楽しく過ごしましょう」


あっという間に一日が終わった。

一人でも多く名前を覚えようと必死だったせいもあるかもしれない。

このあたりは同じ苗字の家も多いので、子供たちはみんな下の名前で呼ぶことになっている。

シュウの苗字は本多だった。

放課後、シュウと話したいと思っていたが、さようならの挨拶が終わると

教室を飛び出して行った。


翌日の準備も終わり、帰り支度をしていると隣のクラスの担任で

学年主任の大野先生に声をかけられた。

「初日で疲れたでしょ」

「正直疲れました。でも心地よい疲れです」

「今日、予定無かったら帰りに飯でもどう?」

「ありがとうございます。喜んで」

初めて会った時から優しそうな人だと思っていた。

仲良くなれれば心強いので、この誘いは嬉しかった。


大野先生が連れて行ってくれた店“山ちゃん”は、偶然にも俺のアパートから車で5分くらいの所にあった。

カウンター席が5つと靴を脱いであがる座敷にテーブルが5つのこじんまりとした店で、

年配の夫婦二人でやっている。

昔は美人だったと想像できる奥さんが、気さくな笑顔で迎えてくれた。

「ここねぇ、庶民的なメニューで値段もお手ごろだからよく来るんだよ。

 毎日コンビニ弁当じゃ飽きるし、かといって自炊も面倒だからね」

「大野先生も一人暮らしですか?」

「そうだよ。実家から通えなくもないけど近い方が楽だから」

メニューを見ていると、店の奥から出てきた男が俺に気がついて言った。

「おっ!サクショウいらっしゃい」

「えっ?」

誰だっけ?思い出せない。




     ------つづく-----

     
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妄想ドラマ 『 season 』 (1)

2010年04月02日 | 妄想ドラマ『season』
どうもバジルです。翔くんのマネがお気に入り

もう4月ですねぇ。

またまた妄想ドラマをスタートします。

ミント(11歳)に言われてた設定で。

微妙にいじった名前はあくまで役名です。

登場人物のキャラ、固有名詞は実在の嵐くんとは一切関係ございません。

どこまでも私の頭の中の妄想です。


  主な登場人物

櫻井翔太、大野太郎、二宮正平


主題歌はもちろん嵐の『season』

ではどうぞ!

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   妄想ドラマ 『 season 』 (1)




もう4月の始めだと言うのに今朝の空気は冷たく肌を刺す。

春が遅いこの土地では新学期を目前に控えても、桜がほころぶ気配はない。

窓を開けると、駐車場にきのう届いたばかりの愛車が見える。

中古だけれど大切な俺の相棒だ。

この田舎町では車がないと身動きが取れない。

俺は子供の頃の夢を叶えて、この地にやってきた。

夢ってのは小学校の先生になること。

一度は会社勤めをしてみたもののあきらめきれず、28歳にして新米先生だ。



2DKのアパートから車を20分ほど走らせると、この近辺では一番賑やかなところに出る。

新幹線と在来線が交差した駅の周りに、大型のショッピングセンターや

家電の量販店が並ぶ。

きょうは前から読みたかった本と体育用のジャージを買いに来た。

時間があまったのでショッピングセンターをブラブラしてみる。

エスカレーターで2階にあがると、奥の一角がゲームセンターになっていた。

小さい子供が遊べるようなものも多く、親子連れで賑わっている。

何気なく近くのUFOキャッチャーを見ると、いかにもチャンスって感じだ。

財布から小銭を出して入れると後ろから声がした。


「あー、俺がやってたとこ、おっさんに横取りされてる」

振り向くと小学生の男の子が不満げな顔で立っていた。

3,4年生くらいかな。

「いや、横取りしたわけじゃないよ。人聞きの悪いこと言わないで。しかもまだおっさんじゃないし」

「シュウ、来て!」

その子に呼ばれて高学年らしい男の子が近づいてきた。


「どうした?シン」

「俺がもうちょっとで取れるとこだったのに、このおじさんが・・・」

「えっ、だって誰もいなかったし」

言いかけたところで言葉をさえぎられた。

「なんかさ、大人気ないと思わない?おじさん」

ポケットに手を突っ込んだままシュウと呼ばれた男の子が言った。

カチンときた。

「これは君たちのゲーム機だと決まってるわけじゃないし、僕は横取りしようとしたわけでもないよ。

 でも大人だからゆずってあげよう」

シュウは表情を変えずにシンの肩に手を置き

「なんかやな感じ。行こうシン」と言った。

くそ!と思ったけれど、ムカつく気持ちを抑えて、なるべく優しい声で言った。

「待てよ。いいからやれって。このままじゃお互い気分悪いだろ」

チラッと視線を投げて、無言のまま立ち去ろうとするシュウにシンが言った。

「俺やりたい」


数分後、人懐っこいシンは俺に獲ったばかりのフィギュアを得意げに見せながら、

そのキャラクターが出てくるゲームの話をしていた。

シュウは仕方なくシンに付き合っているという態度を装っている。

でも本当は話の仲間に入りたいのがバレバレで可愛い。

「ねぇシン、俺のことおじさんって呼ぶのやめてよ。そんな年に見える?」

「見えないけど、お兄さんとか急に替えるの恥ずかしいもん」

「じゃぁサクショウ。子供の時、そう呼ばれてたから」

「サクショウ?なんかカッコイイね」


しばらくゲームの話で盛り上がってから二人と別れた。

「バイバイ、サクショウ!」

シンが元気に手を振った。

けれど、すぐに笑顔がくもり、寂しそうな顔になる。

「また会えるかなぁ?」

「きっとまたどこかで会えるよ!」

シュウはそんなシンの肩をポンと叩いて、背中を向け歩き出した。


やっぱり子供っていいなと思う。

サクショウって呼ばれたのは何年ぶりだろう。

それはなんだかくすぐったくて、ちょっぴり切ない響きだった。


     ----------つづく-----------



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seasonを歌う5名様が猛烈に見たくなりました。

Mラバのね。

黒こげおーちゃんのやつ。

ドラマ終わるまで釣り行かないって、反動が怖いんですけど

コメント (2)
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