太郎と二郎の中学校の文化祭があった。
太郎は、生徒会の副会長と、同じ日に行われる合唱コンクールの指揮者をしている。
そのため、夏休み中から、準備をしてきたが、今日はその成果を試す時だった。
午前中は生徒会による劇、河童のカワ太郎役で、無事笑いを取れひと安心の後、
いよいよ合唱コンクール。二郎は1年生で、歌うだけなので今日はお弁当を楽しみに出かけた。それに、兄が目立つ事はあまり好きではないらしい。心配半分、恥ずかしい半分で。
合唱のレベルは、学年が進むにつれ、格段にあがってくる。だから、3年の一位は、イコール最優秀賞になる。3年の合唱が始まると、どのクラスも甲乙つけがたく、最後の発表だった太郎の番が来たときには、今までの曲より上手って言う事はありえないと感ずるほど、どのクラスも完成されていた。
演奏がはじまると、自分の子どもっていうのは悪いところしか聞こえてこない。音が外れたとか、バランスが悪いとか、そんな事しか浮かんでこず、その上、気合が入りまくった太郎の指揮は、不恰好にさえ思えた。体に力が入りすぎた感じだ。
なんとか無事に演奏を終え、緊張の審査結果は、
なんと、太郎のクラスが最優秀賞になってしまったのだ。表彰のあと、再び歌った時、さっきとは違い肩の力が抜けた、うれしそうな、のびのびした歌声と、気持ちよさそうな太郎の指揮を見た時、はじめて一番上手だったかもと思えた。
演奏を終えて拍手のなか、他の賞を逃したクラスから、「オメデトウ!」と声がかかり、その声に答えて、「ありがとう~」と叫ぶ太郎たちの姿は、見ていた皆にとてもさわやかな感動を与えた。
帰り道、仕事休んでまでも来て良かった。と言う声を聞いた。勉強は今ひとつの太郎だけれど、こんなに素敵なところもあるんだと感ずることが出来て、私も、きてよかったと思った。
本当は、これで、燃え尽きてじっくり休みたい太郎君は、今日も夜中まで、塾なのだった。あのエネルギーを今度は勉強に向けて欲しいのだけれど・・・その前に駅伝大会にでるんだとさ。おしまい。
太郎は、生徒会の副会長と、同じ日に行われる合唱コンクールの指揮者をしている。
そのため、夏休み中から、準備をしてきたが、今日はその成果を試す時だった。
午前中は生徒会による劇、河童のカワ太郎役で、無事笑いを取れひと安心の後、
いよいよ合唱コンクール。二郎は1年生で、歌うだけなので今日はお弁当を楽しみに出かけた。それに、兄が目立つ事はあまり好きではないらしい。心配半分、恥ずかしい半分で。
合唱のレベルは、学年が進むにつれ、格段にあがってくる。だから、3年の一位は、イコール最優秀賞になる。3年の合唱が始まると、どのクラスも甲乙つけがたく、最後の発表だった太郎の番が来たときには、今までの曲より上手って言う事はありえないと感ずるほど、どのクラスも完成されていた。
演奏がはじまると、自分の子どもっていうのは悪いところしか聞こえてこない。音が外れたとか、バランスが悪いとか、そんな事しか浮かんでこず、その上、気合が入りまくった太郎の指揮は、不恰好にさえ思えた。体に力が入りすぎた感じだ。
なんとか無事に演奏を終え、緊張の審査結果は、
なんと、太郎のクラスが最優秀賞になってしまったのだ。表彰のあと、再び歌った時、さっきとは違い肩の力が抜けた、うれしそうな、のびのびした歌声と、気持ちよさそうな太郎の指揮を見た時、はじめて一番上手だったかもと思えた。
演奏を終えて拍手のなか、他の賞を逃したクラスから、「オメデトウ!」と声がかかり、その声に答えて、「ありがとう~」と叫ぶ太郎たちの姿は、見ていた皆にとてもさわやかな感動を与えた。
帰り道、仕事休んでまでも来て良かった。と言う声を聞いた。勉強は今ひとつの太郎だけれど、こんなに素敵なところもあるんだと感ずることが出来て、私も、きてよかったと思った。
本当は、これで、燃え尽きてじっくり休みたい太郎君は、今日も夜中まで、塾なのだった。あのエネルギーを今度は勉強に向けて欲しいのだけれど・・・その前に駅伝大会にでるんだとさ。おしまい。