春遅々と
春遅々と 青空と麦の二色旗春遅々と 辺境の名を負ふ国や凍返る つなぐ手と離るる指と春北風 オデッサの階段のぼる石鹸玉 キャタピラの轍幾重に花菫 匍匐し...
ゆすらうめ
ゆすらうめ 白塗りのちんどんや来る街薄暑 そら豆のつもる話に殻積もる 胸襟を開かぬ猫や吊忍 コンセントに生かされてゐる熱帯魚 すがたよき薔薇の名前はピカソ...
辻村麻乃第二句集『るん』を読む
辻村麻乃第二句集『るん』を読む 本句集には、日常を詠んだ秀句が少なくない。 珈琲粉膨らむまで の春愁 母留守の家に麦茶を作り置く...
谷原恵理子句集『冬の舟』を読む
谷原恵理子句集『冬の舟』を読む ～揺蕩いのある時空へのまなざし ◆事の始まりと終わりを詠む まず、映...
時雨より
ふくみ笑ひ トルソーの大胸筋や風光る 朧夜を蹴り上げ踊るタンゴかな 花曇身の...
小津安二郎の展示を観に深川へ
常設なのでいつ行ってもいいのだが、無性に行ってみたくなって、土曜日にいそいそと深川ま...
成瀬巳喜男松竹時代のサイレント映画を観る
松竹時代の成瀬巳喜男監督1933（昭和８）年のサイレント映画「夜ごとの夢」（64分）「君と別...
