黒い律動(ファンク)
紅き唇 葬送の詩
シヴァドはSIVAD。帝王マイルスのアルバム「ライヴ・イヴル」の1曲目。まるでヒンドゥーの神、シヴァ神を思わせるタイトルですが、「DAVIS」をひっくり返しただけの倒語と思われる言葉遊び。これを神に思わせてしまうところが帝王マイルスたる所以か。ラッパを吹いた後の唇はセクシー。黒人の赤い口腔はバタイユのエロチシズムの定義を想起させます。
雨の日にダイアナ・クラールの「ラヴ・シーンズ」を聴いて。
雨の庭
「アイ・ミス・ユー・ソー」
恋の歌
ダイアナ・クラールが歌ってる。
このアルバムには、雨の歌が2曲収められている。「ジェントル・レイン」と「ガーデン・イン・ザ・レイン」です。この季節に、とてもしっくりくる1枚です。
「愛してる(アイ・ラブ・ユー)」が
信じられなくて
長き首傾ぐ モジリアニの女
破調ですが、りっぱに31文字です。
「愛してる」なんて言っても、日本人はにわかにはこの言葉を信じないのですが、モジリアニの首の長い女は、幸せなのか、不幸せなのか、その首を傾ぐしぐさは、「愛してるなんて言って、きっと嘘よ」とつかの間の幸せが信じられないといった風に見える。
「アイ・ラブ・ユー」はコール・ポーター作曲、ミュージカル「メキシカン・へライド」のために書かれた曲。ビル・エヴァンスの初リーダーアルバム「ニュー・ジャズ・コンセプション」の1曲目がこの曲。すごいタイトルといえばすごい。でも、矢沢はただ「アイ・ラブ・ユー」ではなくて、「アイ・ラブ・ユー、OK」だもんね。
ジャズ短歌を始めることにした。
ジャズの曲名、ミュージシャン、ジャズ用語を盛り込みながら短歌を詠むという趣向。たいした意味はない。ただ短歌を作るよりシバリがあったほうが作りやすいから。そんなわけで、興味ある方はご投稿ください。
ウオトカの
グラスを指でなぞる君口ずさんでる
ワルツ・フォー・デビー
やはり1作目は、この曲で。
女性は、細い指でお酒のグラスの腹を上下にさするしぐさをよくする。そんなとき何気なく「ワルツ・フォー・デビー」を口ずさんでいる。女性はこの曲がみんな好きみたい。でも、飲んでるお酒がウオッカのロックではすごすぎる!? ウオッカバックかウオッカトニックだったはず。
エヴァンスの同じアルバムだと、やはり「マイ・フーリッシュ・ハート」か。「愚かなりし我が心」。母親が娘に嫉妬する、そんな自分を「ばかね、あたしって。年甲斐もなく」と自戒する女心を歌った歌らしい。