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歳とって、自分の顔がこんなに緩んでひどい面になるなんて。
朝の鏡で老けた顔をしみじみ見ながら、思わず心で呟いてしまった。
「母さん、僕もすっかり歳とって80歳すぎたよ...、父さんより長生きしてるけどね。」
中学生になったばかりのころ、ふと思ったことがある。
自分の一生の終わりが近づいたときになって、その一生を振り返って、きっと後悔していたたまれなくなるのじゃないか、そうなったらとてもイヤだな、一度だけの生命だから。
とそんな思いが過ぎったことを、妙に覚えている。
さて、いよいよ80歳を超えて、
少年の頃の心配は、残念ながら見事に当たってしまっている。
人生の大半は、怠惰と踏み込みの足りない生き様ばかりだったと、
まさに僕は悔やんでいる。
大きなテーマを掲げて、ひたすら向かったという充実感がない、寂しい。
何かしら夢中になったことも沢山ある、仕事も面白かった。
だが、何れも達成感が薄い。
深くのめり込んで、自分なりに合点が入ったという思いがしない。
生き方に必要なのは、やはり自分に課した目標だろうと思う。
全てはそこが出発ラインである。
日だまりの心地良さばかり求めては、やがて空疎のしっぺ返しを受ける。
だからこそなお、
今からの時間は残り火であってはならないと思っているが、さて・・。
また年が明けた。