世態迷想・・抽斗の書き溜め

虫メガネのようであり、潜望鏡のようでも・・解も掴めず、整わず、抜け道も見つからず

灰色

2024-06-04 | 雑々と過って惑う
📌
 

骨格も内臓も 灰色なる老いを知りてか 歩み合わせよ

 

混み合った 医院の椅子の 素っ気なさ

 

混み合いで むしろ和らぐ 受診待ち

 

高齢と 呼ばれて久し また師走

 

誰もいぬ 病院廊下 我ひとり

 

📌

あの時、遺体の額に手を当てその冷たさに、母の生命の果てたことを実感した。

 

衰弱した病床の父との最後の目の会話も焼き付いている。

言いようのない寂しさと静かさを覚えた。

 

あれから40年は過ぎてしまった。

その私が80余歳となっている。

生命の限りを思う日々である。

 

そうではあるけど、親への想いに過ぎ去った時間は邪魔をしない。

写真と共に様々な親の顔、祖母の顔がすぐそこに浮かぶ。

疾うに存在しないのに情が重なって重なって過ぎっていく。

情感とは不思議なものである。

そして、また年が暮れる師走が来てしまった。

 

僕もいずれ、娘や孫にそういう想いを誘うのだろうと思う。

僕はそれを察知もしない、後の者だけに思い出す情感が過ぎる。

それが一番だ。

それで充分だ。

霊があるなんかと祈ったりしないでくれ。

 

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耳障りな・・・

2023-10-15 | 雑々と過って惑う

📌

いつのころからか、

関係性とか空気感とかいう言い方をよく耳にする。

が、このいい方が僕は引っかかる。気持ち悪い。

いろんな単語に的を不用意に付けまくることと同じだ。

単語に安直に糊付けしても特殊な雰囲気は出ない。

前後の行間が生む感性に任せることだ。

とにかく、無駄な畳語みたいで聞き心地が悪い。

不要な装飾をやめてもらいたい。言葉の力が腑抜ける。

関係や空気でなぜいかんのか。

その方がよほど真っ直ぐ響く。

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言い古された諺は‥

2023-10-12 | 雑々と過って惑う

 

📌

言い古された諺は生きている

 

身の回りには言い古された諺が沢山ある。

或いは、年寄りの知恵として発せられたこともるだろう。

人は成長につれて論理的な説明や方法に慣れ、それで合点がいく。

で、俗な諺を軽視して、それが存外に理に適っている事に気が付かない。

その含意は凝縮されており、そのうえ口語的な平易な言いようなので、

その論理性が希薄と直感するのかも知れない。

言い古された諺を口されると、面白くない軽口か皮肉と受け取ることになる。

 

だが、さまざまな曲折を経た末に難題の出口を見つけた後に、

問題の本質が、言い古された諺に喝破されていることに気がつくことがある。

平易な諺は短絡しているが本質を指摘しているのだ。鋭いのである。

 

 

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顔の地殻変動

2023-10-09 | 雑々と過って惑う

📌

自分が老いたせいだろう。

ひとを見て、もろもろ想像してしまう。

例えば、

若い顔、中年の顔、老い顔、街でも車内でも、tv画面などでも、

歳を重ねて人の顔の変わっていく図を無礼ながら、つい勝手に想像してしまう。

若い顔はその老い顔を想像し、老いた顔はその若き日の表情を浮かべて見る。

 

Tv画面に出てくる著名人を見て、あの人のこんな老い顔を見たくなかったと思ったりする。

 

顔のつくりは、地殻変動の如くに、歳を経るに従って変じる。

おやっと思うほど印象の変わる人もいる。

 

幼い子どもたちは、そういう想像を全く誘わない。

老いに最も遠い彼らの無邪気さと幼な顔は、どの子もとてもみずみずしい。

 

そして、やはりわが顔を身体を思う、抗っても、皺もシミも弛みも、

老いがすっかり覆っている。細胞の代謝はうまく働かなくなっている。

受け止めるしかないことばかりが、この後も自分を待っている。

その寂しさに耐える術こそが老いの嗜みなのかも知れないと思ったりする。

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無理矢理に

2023-10-09 | 雑々と過って惑う

📌

無理やりに 歩いて暇を 潰しけり

 

老いまぐれ 未来という字を

ジッと見る

 

老いる身に ”終活”煽る お節介

 

萎たる 家屋見てさえ 我が身かな

 

残日は 台風一過の 心地あり

 

抗えど 見映えは老いて 席貰い

 

風通る 枕ひとつの 昼寝かな

 

風呂あがり 夜風を浴びる 股間かな

 

陽ぞ憎し 日陰をたどりて 遠回り

 

眉薄れ 老けの中和に メガネ黒

 

競技者に 無心の拍手 白き歳

 

走りゆく 少年の勢い 羨まし

 

夏のような 秋が来てまだ 素麺

の昼

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重苦しい

2022-05-11 | 雑々と過って惑う

 

📌

世に名を知られた人の自死が相次いでニュースに出ている。

どんな心理に追い込まれてしまうのか、何故だと思うばかりだ。

 

本人のみが感じる重苦しい何かが、気持ちを覆ってしまい、

他のいかなる判断も見えなくなっていく強制的な心理が蠢くのだろう。

そこから脱出できない。脱出しようという気持ちより、

渦の底に吸い込まれる力がずっと強くなっていく、自死者の心理はそうなのかと・・。

考える自由からすっかり見捨てられていくのだろうか。

かれらの脳は一切の判断回路を閉じ、一箇所だけの出口を指し示すのか。

果ては自死に囚われていく、なんとも重苦しいことだ。

 

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定型がない

2022-01-10 | 雑々と過って惑う

 

📌

人は、いつも判断を迫られる

判断とは選択である

その基準は、損得、倫理、効果の推定であろう

 

📌

人生の決めようには、定型がない

社会に貢献したい意思の強い人がいる

何かを極めたい人がいる

何かを解き明かしたい人がいる

日々をただ楽しみたい人がいる

家族との喜びが一番という人がいる

非行から抜け出せないで、社会の影で生きる人もいる

ひたすら、富に執着する人もいる

 

なんの違いが有るのだろう

それぞれの人生が其々の人にある

有名であれ、無名であれ、豊かであれ、貧者であれ、知性や感性がどうあれ。

 

 

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さて、どうなんだろう・・

2021-11-21 | 雑々と過って惑う

 

📌

さて、どうなんだろう・・

 

取り巻く事象の中で、熱心なプレイヤーであろうと、熱心な観戦者であろうと、

瞬時でいいから、さて、 これはどうなってるんだろう? 

という鳥瞰が必要であると思う。

渦中にあるだけでは、方向も目的も見失ってしまのではないだろうか。

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そんなこと

2021-04-30 | 雑々と過って惑う

📌

美空ひばりは自分の豊かな声を操るのが非常にうまかった。

彼女もそれを知っていたのだろう、

歌心を込めて、その表現力を楽しみ尽くしたのではないか。

 

📌

雲が大空に浮かぶ光景は、すばらしい。

それを無心に見続けると、気持ちが広がっていく。

形をつくったり、変えたり、消えたり、また現れたり、

80歳の眼は、雲の自在な姿に溶かされていく、隠れて操ってるのは風だ…。

 

📌

星空のことを殆ど知らない。

満天の星という言葉だけ知っていて、ほとんど夜空を見上げたことがない。
星座を見つけて楽しんだこともない。

ただ、あらためて深呼吸をするような気持ちできれいな夜空を

見上げてみると、溢れているその星数には、まるで新発見のように新鮮に驚いてしまう。無心に見上げ続けるしかない。

これまで星の夜空を見上げなかったことを、損しちゃったなと思ったり。

とにかく広い、そして溢れんばかりの星がある。溢れんばかりだ。

どれかの星から地球をみれば、やっぱり数多ある小さな星の光の一つにしか過ぎないのだろう。ものの見方がすっかり変わってしまいそう。

満月を愛でて満足してしまうような宇宙観ではいかんぞとおもう。

雲のずっとずっと先の尽きぬ宇宙に、こころ浮遊も悪くない。

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年が明けた

2021-01-25 | 雑々と過って惑う

📌

自分が死ぬ場面を想像できる歳になってしまった

その日がいつかは分からないけれど、

その日にやっぱり近づいている。

ゆっくりか、急いでか。

また年が明けた。

といって、私は少しも沈んではいない。

そうでないと、明日が楽しくない。

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退職後

2020-07-06 | 雑々と過って惑う

📌

わたくしごと・・・独り身が退職後にやっていること

定年日から3ヶ月後に、思い立って6ヶ月間の語学留学した、

そのあと、思い立って18ヶ月間、指物を教えてくれる木工塾に通った

で、その仲間と5年間ほど、指物木工に嵌った

いまは、自作の家具に囲まれて、悦にいってる

日常品をくまなく断捨離している、なんともイイ心地

ゴルフの素振りを日課のように続けるようになった

たびたび、2時間ほどの散歩をするようになった

テレビは、BSかビデオ配信しか見ないようになった

脳体操として、podcastの英語ニュースを流し聞きしている

PCの検索窓を手軽な百科事典として頻繁に常用するようになった

幼い二人の孫のお守りが楽しくて楽しくて・・

ようやく倹約の大事さを心得るようになった、時遅しか・・

なんでもかんでも俯瞰するようになった・・いかんと思う

意あって、仏具を終い、繰り出し位牌を自製の桐箱に納めることにした

旅行の最少必携品の選別に嵌ってる、これが妙に楽しい、ほぼ趣味

Amazonの欲しいものbookリストに、多数の読みたい本が控えている

顔にしみが増えてきた、片脚スクワットに嵌ってる

見かけの元気だけで、オレは健康だとうそぶけない・・内臓の弱点がじわりじわり

3つの科目について、いかにも老年らしい定期診察を受けている

なぜか窓の外をボンヤリみている

ゴルフの前の晩、眠れないなんて興奮がなくなった

自炊が手際よく、テキトーに上手くなった

次の10年の元気度と過ごし様を考えるようになった

自分の歳は自分で決めればいい、と思えるようになってる

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一瞬の目撃

2020-04-28 | 雑々と過って惑う

📌

一瞬にして窓から飛び降り、自殺した人を、目撃したことがある。

はっとして、その窓から下を覗くと、落ちた彼の身体が地面でぴくぴくと動いて、止まった。

自殺にゆきつく・・絶望

何歳の人であれ自殺したというニュースを知ると、気持ちがずしんと重くなる。

辛くて苦しみ続け、拠り所をなくし、自虐的な一点しか見えないほど思考停止する、

人が死の恐怖を踏みつけて、一度きりの生命の破壊を決行する。

自分を自分で殺す。

そんな心理の流れを忌避する機能が、なぜ人の脳に備わっていないのだろう。

生きるための本能に満たされているはずの生体が、ストレスの重圧で踏み潰されている。

心が身体をつぶす。心身の痛みに人は負ける、そんなに強くない。

ただ飛び降りることにだけ、集中してしまう。

自分の体がどうつぶれるてしまうのか、そんな思いは過ることもないのか、

心理の綾なす道筋は、怖ろしいものだ。

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カバード アグレッション

2020-03-20 | 雑々と過って惑う

 

📌

ヨーロッパには、

依然としてヨーロッパ文化圏以外への差別意識が潜んでいる。

文化の先達を自認する彼らの優越意識は厄介である。

それは時おり遠回しに、或いは露骨にぬっと顔を出してくる。

文化もスポーツも科学でも宗教にも、どこにでも傲慢な顔が有る。

彼らは非ヨーロッパの優越を認めたくもないのである。

いつまでもヨーロッパ基準でいたいのである。

その高慢ぶりにはうんざりする。

”新型コロナ”の初期でも、そうした匂い芬芬であった。

差別の潜みがすぐ露わになる。

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ないないづくし

2020-02-10 | 雑々と過って惑う

📌

紅白歌合戦を見たことがない

大河ドラマを見たことがない

「北の国から」を一度も見たことがない。

朝ドラを一度も見たことがない

連休に旅行にでかけたことがない

歌手や歌に嵌ったことがない

フォークソングに浸ったこともない

初詣に行ったことがない

祭りに加わったことも 出かけたこともない

歌舞伎を見たことがない

築地市場に行ったことがない

福袋を買ったことがない

一般参賀に出かけたことがない

注目を引くような栄誉を受けたこともなく

指弾されるような苦い経験もない

 

海はいいな、と思ったことがない

酒がダメで、小料理屋に入ったことがない

プロレスに関心がない

流行りのイベントに関心を持ったことがない

たいがい賑わいから距離を置いたところにいる

ジャージーのトレーナーを着たことがない

そんな自分を不思議に思ったことがない

外国の人にあまり違和感を感じない

新しい街の景観にすぐ飽きる

側でタバコを吸わられても気にならない

 

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ないまぜに駄句る

2020-02-10 | 雑々と過って惑う

 

📌

 

ジイジイと 蝉が揺さぶる 古希の日々 思い起こすな ふるさとの夢

 

秋のごご  風邪に萎えたか  われが背を  陽射しがぬくい  あすは元気さ

 

太陽の  無限の明るさ  めいっぱい  温みぞぬくい  慈愛たっぷり 

 

また歳が 嫌と言っても 76

 

同輩と あと十年は 元気かな 自問し見合う 午後のお茶

 

老いの秋  無駄にはせぬと  思う朝  無為にだらだら  悔いる夕焼け

 

わが肩に トンボ見つけて はしゃぐ孫

     

寒さをも ばねにせんとて  我が老いは  身体に負けて  撥ねるをやめる

 

老いの秋  沁みる夕焼け  抗えぬ  残るとしつき  財布幾ばく

 

浅き夢 またも尿意の お誘いか

 

老いの句に また老いの句を 重ねたり

 

さながらに 減りゆく歳を 無駄にして

 

としとれど 性感だけは 燠火かな

 

おさな子と 映った老け顔 俺かいな

 

さびしさを 陽だまりに座し やわらげる

 

なにせよと どれを問うても 答えなく

 

たわむれて また戯れて 虚しくて

 

齢暮れて 幾たびあるや 大晦日

 

風寒く 昨夜逝ったよ 同窓生

 

世捨て日や 弔いだけに スーツ着て

 

断捨離は 心の掃除と 見つけたり 明日を行く道 教えてくれる

 

白寿まで あたま元気か 傘寿なり

 

胃がん癒え ほかにも故障 あるわいな

 

ステントを 入れるや否や わが心臓

 

なんとまあ 朝立ちありて われ傘寿

 

ひぐらしが 老木不味いと 我に鳴く

 

ともがらの またひとり逝くや 黙る口 朽ちゆく樹ぞ 我ならばなん

 

📌

老いの手が 孫の手を引き サクラ路

 

卒業も 入学もある 桜空

 

老木が 若木に勝る 桜映え

 

枝先に 競い競って 咲くさくら

 

川面にも さぁ映れよと 桜枝

 

あゝ桜 満開までは 愛でられて

 

散り行けば もう忘らるる 桜かな

 

📌

世の中に 排泄物あり ガーシーうんこ 始末に困り 果ては野晒し

 

鏡の中の朝の顔 ここに自分の一生がある

 

80余年 生きた挙句の 春の空

 

春の朝 耳に溶け込む J-pop

 

春来るや 上着を替えて 身の軽さ

 

孫の手の 温み包みて 春散歩

 

幼な子の 散歩の列や 春の声

 

独り身は ご苦労さんと 独り言

 

80歳 そんなに生きた 覚えない

 

歳いって 妙に肩身が 狭くなり

 

若き日の 写真見るたび 甘悲し

 

亡き母の 写真のなかの 笑い声

 

つぶやきは 独り住まいの 迷セリフ

 

春の道 ひとり呟く 草の青

 

金なくて 暇ばかりありて 散歩あり

 

あの人も 老いの身保つ 散歩かな

 

春雨を 拭って遠い 青い空

 

📌

 

あの人に 心配りも ムダと知り

 

老いた身は 心配たっぷり 他はなく

 

あの口も 近ごろすっかり 辛味消え

 

歯医者には 全部覗かれ いじられて

 

幼な兒は よだれ口さえ 清く見え

 

ひぐらしが 元気出せよと 煽り鳴く

 

寝ぼけ顔 今日も暑そな 蝉の声

 

腐り身を 人は往生と 言い換えて

 

縁石に 隙間タンポポ なお愛し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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