写真上「夕風や/水青鷺の/脛をうつ」。59歳のときの句。「自筆句帳」から。季語は「青鷺」。夏。「宿の日記」に「四月十五日紋阿弥亭おいて」の「前書」あり。「品彙」には「加茂川」の前書。青鷺が夕方の涼風の吹くなか鴨川に突っ立っている風景が目に浮かぶ。涼味たっぷりの句。多分蕪村の自信作だろう。
写真下「春の海/終日のたり/のたりかな」。春。年月を特定できないが47歳以前の句。「須磨浦にて」の「前書」がある。「自筆句帳」から。わが輩は、須磨浦にはなんども足を運んでこの句を反芻した。のどかな瀬戸内の風景。穏やかな波間を小舟が行き交うさまはいまも変わらず「のたりのたり」だった。オノマトペ(擬態語)は一茶が多用したが蕪村もちょこちょこ使っている。はらはら。ほろほろ。ざらりざらり。のさのさ。ひょろひょろ。ひかひか。てらてら。
もたもたとノーやん日記始まりぬ 昇竜子
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