きのう古本屋で買った杉本秀太郎さんの「花ごよみ」を春夏秋冬の終わり冬から読み始める。八つ手から始まる。ヤツデの花にはアブやハエが集るとある。先日、竹見台団地でも見た。なんでかは書いていない。知りたい。
冬の花に派手さはない。八つ手もそうだが枇杷もそう。永井荷風の「枇杷の花」には「枇杷の花は純白ではない。その大きさもその色も麦の粒でも寄せたやうに、枝の先に叢生する大きな葉の間に咲くので、遠くから見ると、蕾とも木の芽とも見分けがつかないほど、目に立たない花である。八つ手の花よりも更に見栄えのしない花である」とある。比較されたヤツデにとっては大迷惑な話。ぼくは八つ手に同情する。
クリスマスや節分になると登場する柊の話も出てくる。春の花、椿と対比して冬の白い地味な柊の小花。薄田泣菫の詩「冬の鳥」に出てくる柊の「あかい実」について、著者杉本秀太郎さんは「冬に赤い実をつける柊というものはない」。ばっさり泣菫の詩の誤りを指摘する。柊の実は黒紫色。柊(モクセイ科)といってもセイヨウヒイラギ(モチノキ科)とかいろいろあるのでぼくには分からない。
柊南天なら、わがマンション街のあちこちに植わっているので多少わかる(写真上)。低木のメギ科。春、黄色い小花をつけ、冬、紅葉する(写真上)。やはり目立たない冬の花。憐れ冬の花。われ汝を愛す。写真下は、紅葉するお多福南天。
柊も赤ら顔なる冬の鳥 昇龍子
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ノーやん
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