安場池の野鳥観察小屋をのぞく。ハシブトカラスが4羽たむろしている。逃げようとしない。池の方を見下ろすが野鳥は見えない。鵯やメジロの鳴き声が四方から。北側の沼杉に出ようとする。と、大型犬3匹とばったり。犬は止まったまま、ぼくを睨む。恐る恐るすれ違う。ふうー。息をつく。最近の犬はよく訓練されていて滅多に人に吠えたりかみつくことはないそうや。
池の北側に林立する沼杉の枯葉がまるで絨毯のよう(写真下)。ふわふわする。池の西側に回ると軽鳧ペアが木陰に見えた。写真を撮ろうと池の柵に近づくと女性が寄ってきて「なにがいますか」。「軽鳧です」「カワセミも来ますよ」という。もっとよく見える南側に回る。と、「いまここを生徒が走ってきますので気をつけてください」。小学校高学年の生徒が走ってきた。「もっとゆっくり」。先生が声掛ける。<この子らは将来、この公園がふるさとの思い出の場所になるはずや。冬の野鳥の声と落ち葉の彩の中を走ったこと。記憶に残るかな>。ぼくの少年時代に重ねてふと、思う。
イギリスのロマン派詩人キーツは、「年の行を四季が満たし」という詩の中で冬を「色蒼ざめ醜い姿」と形容した。落ち込んでいるぼくはいまキーツに近い冬心。わが芭蕉は「冬の日や馬上に氷る影法師」(笈の小文)の名句を遺した。美術家蕪村は「冬ごもり燈下に書すとかかれたり」。農民の倅一茶は「冬枯て手持ぶさたの山家哉」。それぞれに冬観を表現した。愚老は詩想貧しきをかえりみず冬を拾い歩く。冷やかし、腐し歓迎します。
のっそりと大犬に遭う落ち葉道 愚老
耐寒の息弾ませて子らともに 同
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ノーやん

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