わが上新田の明け方はきのうきょう晴れで、きのうは繊月と明けの明星が輝いていた(写真上)。岩波の中国詩人選集で白居易、李白、陶淵明、杜甫の順に読んできて、なぜか放浪の詩人李白について、武部利男先生の「解説」を読みなおす。先生は、李白を数ある中国詩人のいちばん星だという。太白は彼のあざ名で太白星といえば中国では明けの明星、宵の明星の金星のことをいう。つまり李白は金星のような存在なんや。
李白の人気の秘密はどこにあるのだろう。宮廷詩人でありながら楊貴妃を漢の美女趙飛燕になぞらえたために長安を追放され各地を転々とした話や安祿山の乱で捕われの身となりながら民衆に心を寄せる詩を詠った波乱万丈の生きざま、加えて人生・自然にすなおでやさしいまなざしなどが李白詩の魅力と武部先生は解説する。写真上=明けの明星と繊月。下=東大阪・鴻池新田の稲田。
太白星列島黄金にいろづけよ 昇龍子
