日本に帰ったのは、3年半前、2019年春のこと。それが最後である。
昨日は、10月2日の日曜日。
世界的に有名な、ロンドンマラソンがあった。これは、出発点がグリニッヂ。私は、その近所に住んでいるから、自宅から通りに出ると、全ての走者が観られる。
恒例により、今年も観た。全参加者は4万人ほど。世界でも有数のランナーから、その辺のおじさんおばさんまで雑多。男子で優勝したのは、ケニアの選手。2時間2分台の記録。そのうち、男子の世界最高記録が2時間を切るのは間違いない。
女子の優勝記録は、2時間16分とかその辺り。私がまだ日本にいた時、日本のある大きなレースで、マギーという男子選手が2時間18分くらいで優勝したのを覚えているが、今は、これ、女子でも平凡な記録である。またその頃、クレイトンというオーストラリアの男子選手が日本のあるレースを、2時間11分台で走って優勝。その時NHKのアナウンサーが「驚異的」だと叫ばれたのを今だに覚えている。
何れにしても、「隔世の感」のあることしきり。
因みに、ロンドンマラソンというのは、例年4月の中頃にある。でも、今年に限り10月。勿論、コロナ騒動のためである。
私、個人的には4月開催の方が断然好き。夏時間も始まっているし、「ああ、春が来た」という感じ。全てが明るい。
そこへ行くと、10月開催のマラソンは、「ああ、もう直ぐ冬が来るのか」。陽の落ちるのも早いし。
来年開催される、春のロンドンマラソンを、今から心待ちにしている。
マラソンというのは、普通、朝にある。だから、昨日の午後は、まだ、おじさんおばさんたちが我が家の近所を走っていられる時、私はすでに家にいた。
そして何気なく、TVをつけると、民放で競馬をやっていた。
英国のレースではない。フランスはパリのロンシャン競馬場から。
ご存知「凱旋門杯(Le Prix de l’Arc de Triomphe)」である。
これは、本場英国でもよく知られていて、この様に、民放ながら、TV放映もある。
私、詳しくは知らないが、このレース、なんでも、優勝者に与えられる賞金が、非常に大きいんだとか。
だから、世界中から、名馬、名騎手が集まる。
昨日のレースには、日本から、武豊が来ていた。競馬に関しては素人の私でも、彼の名前くらいは知っている。騎手の寿命って、永いんだなあと感心。
ただ、昨日のパリ、あいにくの雨で、ジョッキーは、皆、泥まみれとあって、状況は最低。
誰が勝ったのかは知らないが、武豊でないのは確かである。
私、この頃、TVでにしろ、競馬をたまに観るのは、ひたすら、すべてのものが美しいからである。
ただし、それは、英国のレースに限っての話。外国のレース、例えば、フランスの、ドイツのとか、観たことはあるが、英国のレースとはだいぶ違う。
この春、アイルランドに行った。この国は、競馬と極めて縁が深く、いい馬、いい騎手、そして、いい調教師を陸続と輩出する。しかし、残念ながら、アイルランドの競馬場は、さながら草競馬の様相を呈す。
最後に、。
昨日の「凱旋門杯」を観るためだけに、わざわざ、日本から、飛行機で駆けつけたという、日本人ご夫婦がおられた。
しかし、レース中の降雨のために、群衆に押されて、レースそのものは、殆んど何も見えなかったのだとか。
いやはや、何とも、ご苦労さんである。
昨日、英国では臨時休日。
エリザベス女王が亡くなった。
皆さん、もうご存知だと思いますが、ここ英国では、ごく最近、大きな出来事が起こりました。2つも。
いずれも、女性が絡んでいます。それも同名の、エリザベス。
まず、この9月5日(月)、与党保守党員による最終投票で, リズ トラス(Liz Truss)氏が、男性の元財務大臣Rishi Sunak氏 を抑えて、保守党主に選ばれました。保守党は、現在、与党ですから、即新首相というわけです。
まだ若い女性で、46歳。
先のボリスジョンソン首相が、党内、多くの党員からの不信任案で、退陣に追い込まれたからです。
彼は、ハッタリが多く、嘘ばかりつくので、多くの保守党員の反感を買ってしまったのですね。
英国では、新首相が決まると、元首である女王に、まず謁見しなければなりません。それが済んで、初めて首相。
ただ、昨今、エリザベス女王は、96歳というご高齢の為、スコットランドのバルモラルという御用邸におられます。
普段なら、ロンドンのバッキンガム宮殿におられるはずなんですが。
そこで、トラスさん、6日(火)特別機で、スコットランドに飛び、女王謁見直後、ロンドンにトンボ帰り。到着後、すぐに首相官邸前で就任挨拶です。
新閣僚を急いで決め、その翌日7日(水)の昨日は、国会で、野党の労働党と、丁々発止の鍔迫り合い。
トラス新首相、早速労働党の「吊し上げ」にあっておられましたよ。
この様に、英国の国会風景は、見ていて、非常に面白いです。
さて、今日、8日(木)。
まさかと、思うようなことが起こってしまったのです。
ただし、事故ではありません。
と言いますのは、エリザベス女王、本当のところ、非常に衰弱しておられたのでしょうね。
2日前に、新首相にお会いしておられますし、しっかりしておられる様に見えたのですが、。
驚くなかれ、午後5時ごろ、家族に見守られて、静かにお亡くなりになったのです。
まあ、新首相になるべきトラスさんに謁見するのを、「最後の仕事」と思っておられたのかもしれませんね。
在位すること、実に70年、エリザベス女王は、国民の大多数から愛された君主であったと思います。
明日から、英国元首は、チャールズ王です。国民の大多数が、君主といえばエリザベス女王しか知りませんので、何か、変な気持ちです。チャールズ3世、。
それにしましても、これらの国会議員は、実にタフな人たちですね。本当に感心します(全てではないと思いますが)。
そして、王室の人たちも(全てではないと思いますが)。