人間、77年間も生きていると、いろんなことに遭遇するものである。
それは、いいことでもあるかもしれないし、悪いことかも知れない。
そんな特筆すべきことが、一昨日、それも重ねて2件起った。
1件目は、一昨日の英国での気温。なんと40.3度ですって!
かつて、英国人がこんな温度にさらされたことは一度もない。
外に出ると、ムーっとした空気。ただ、私の場合、こういうこと、勿論、日本で経験済みである。
さて、次の2件目であるが、これは、なんとも不思議な出来事で、我ながら首を傾けざるを得ない。
私、昔、絵描きであった。
大体55歳頃まで。なんとか首も吊らずに生きながらえたが、生活があまりに苦しいので、性格もひん曲がってしまった。それが嫌で、少なくてもいいから固定収入のある仕事に就いた。
絵描きであった時、京都で3回個展をした。
それから得た収入で、英国の生活はなんとかできた。
ところが、面白いことに、その個展で売った絵の一枚が浮上してきたのである。信じられない。
私の友人の一人が、こう言ってこられて、わかったことである。
「XXさんの絵、オークションで買いましたよ!!」
早速その写真を見せてもらった。
フランスの、どこかの川の絵である。スケッチ。
私、フランスに行って、そういう絵を描いたことまでは覚えているが、それ以上のことはよくわからない。おそらく、南のアヴィニョンで描いたものであろう。
一見して、自分の絵じゃないのではないかと思ったほど。
でも、確かに、私のサインも入っているし、まあ、私の作品である。よく見ると、年号が入っていて、1992年とあるから、ちょうど30年前。私47歳。そんなに昔のことのようには思えないけれど、人生は短いと、改めて思い知らされた次第。
今度ばかりは、ちょっと異様なことに出くわしたもの。
ちなみに、フランスで風景画を描くというのは、非常に楽である。そして楽しい。
フランスでは、光線の関係で、影の中にも様々な色がある。
赤、青、紫、、。そして、北国ではないから、それが刻々と変化するということがない。
「印象派」などというものが出てきたのは、極めて必然的なことだと思う。