ユニコムかつしかつれづれ日記

NPO法人ユニコムかつしかのパソコン教室活動などのよしなしごとを、そこはかとなくゆるりと書きしるしてまいります

蝉の声が聴こえない

2017-08-20 | 日記

今年の夏は蝉の声が少ない気がします。

そういえば、姿もほとんど見かけません。

いつもの夏なら網戸に止まったり、外廊下にひっくり返ったりしているのに・・・。

 

蝉の俳句と言えば、芭蕉の「しずかさや 岩にしみいる 蝉の声」。

むかし、この蝉はどんな種類のセミだったのか、という論争もありました。

「やがて死ぬ けしきは見えず 蝉の声」、これも芭蕉の句。

 

人間の無常観を詠んだ句といわれていますが、それに異を唱える人も。

鈴木大拙著「禅と日本文化」の中の一節。

「蝉が己の存在を知らせるために鳴いている事実、

そこに無常感を持ち込み、蝉をけなしたりするのは人間の勝手ではないか」

 

「蝉は人間の悩みなど知らない。

鳴ける間は生きていて、時が来れば終わる生命に焦るわけでもない。

無常を思い煩って何になる?」

 

そんなことが書いてあって、なるほどな・・・。

芭蕉も禅を修行したといいますから、そうかもね。

俳句にしても禅にしても、理屈で解釈するものではなさそうです。

 

禅は、知性や知識ではなく、体験をもってこの世の真実を体感するものだといいます。

先にあげた本の中にも、禅は「無意識を意識すること」とあります。

聴こえない蝉の声に、そんなことを思う夏の朝でした。

趣味ぶろ教室ブログランキング


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする