limited express NANKI-1号の独り言

折々の話題や国内外の出来事・自身の過去について、語り綴ります。
たまに、写真も掲載中。本日、天気晴朗ナレドモ波高シ

ミスター DB ⑩

2018年01月13日 16時17分22秒 | 日記
病院から帰った私は、早速I氏の携帯へ連絡を入れた。診断が下った事、入院が決まった事、精神安定剤を服用する事等々、ありのままを伝えた。I氏は「そうか・・・、かなりの重傷と言う訳か。とにかく、休職の手続きを取らなくてはならないから、一度会社へ来てくれ。直接俺を訪ねて。間違ってもDBの処へは行くなよ!日取りは明日の午前10時はどうだ?」と言うので即座に了承した。「診断書は、俺の言う通り用意してあるな?」と問われたので「用意してあります」と答えた。この事は後に大きな意味を持つ事になる。「では明日、手続きを進めよう。事業所長には俺から話して置く。それから、お前の所属だが昨日付けを持って総務部へ異動になっている。もう一度言うがDBには気をつけて!」と念を押されて電話を終えた。私は、処方された薬剤を見つめながら、先の見えない状況に不安を感じていた。一方、会社では「私とI氏」の会話に聞き耳を立てている者達が、複数存在した。実は総務部内に「DBの手先」が複数存在しており、寸暇を置かずしてDBに情報が流れていたのだ。DBは、言葉巧みに総務部内の女性社員を操り、脅迫の手口を用いて彼女達を「スパイ」として使っていたのだ。会話の内容とI氏のメモ書きを盗み出した彼女達に罪はないが、DBは事前に「備え」を張り巡らせることが出来たのだ。
翌日、私は久々に会社の門をくぐった。指定された通りに「正面玄関」から社内へ入ろうとした瞬間、DBとかつての同僚達に私は包囲された。「怪しげなヤツが居る。病院で医師に偽りの診断をさせ、不当に会社から休暇を盗み出すとは、語るに落ちた!病院ではなく寺へ修行に行くのだ!それ、診断書を奪い取れ!」多勢に無勢、たちまち羽交い絞めにされ、カバンに入れてあった「診断書」を奪われるのに時間はかからなかった。そして、あろうことかDBは用意してあったシュレッダーに「診断書」を放り込んだのだ!「これで根拠は消滅した。お前は就業規則に違反する愚か者だ!愚か者は修行しかない!明日からお前は精神修行に励むのだ!寺へ行く覚悟を決めろ!」DBは勝ち誇ったかのように薄笑いを浮かべ、半ば狂気をはらんだ視線でこちらを見て言った。「何をしている!!DB!!」I氏が騒ぎを聞きつけてやって来た。「DB!彼はもうお前の部下でもない!手出しは無用にしろ!!」I氏が珍しく凄んだが、DBは高笑いをしながら「就業規則に反する者はクビにでもなるのがオチだ!コイツが休む根拠は紙屑になった。いや、俺の手で消して置いた。コイツには病院ではなく精神修行に行ってもらう!ヤツを俺の手に返してもらおうか!寺でビシビシと鍛え直してもらう!」DBは完全にイカレていた。I氏は、私を羽交い絞めにしている元同僚達を総務の屈強な連中を使って引き剥がし、DBと元同僚達に向かって言い放った。「失せろ!!これ以上の妨害工作は許さん!彼は総務部の人間だ。どうするかは、総務で決める。決めるのはDB!お前たちではない!!」DBは「正式な書面を失った以上、何ができる?診断書とやらは、ほれ、この通りだ!」と言って紙屑をばら撒いた。「何だと?!診断書をシュレッダーに入れたのか?!」I氏が呆れたように言うとDBは平然と「そうだ!証拠は屑にしてやった!これでヤツも悟っただろう。俺が正しいとな!」と言い返し「そろそろ引き上げだ。みんな仕事に戻れ。恐い総務のお歴々がやって来る!」と言いながら引き上げていった。「何て事だ・・・、これではどうにもならない・・・」紙屑と化した「診断書」を見て、I氏も呻くしかなかった。DBと元同僚達は、高笑いをしながら職場へと消えた。唯一の物証である「診断書」が無ければ休職も入院もできない。早くも私の行く先は、暗礁に乗り上げてしまった。