タラ・レバの話

「にゃん、覚えてる？去年の今頃のこと」
「にゃ？」
「じいちゃんが具合が悪そうにしてて、しぶしぶお医者さんに行った日」
「そだね、おとーさんに頼んでお医者に連れてってもらったんだ。ばーちゃんには内緒だったんでしょ？」
「そう。私にばれると『大きい病院で検査しなさい。』とか『言わんこっちゃない』
そう言われるに決まってると思ったんでしょ」

でも、結局、町のお医者に『このままじゃ死んじゃう。紹介状書くからすぐ大きい病院に行きなさい』
次の日かその次の日に結局そうなって入院して、退院できなかったんだにゃ。

「さっきおかーさんとその話をしてたの。
もし、もっとひどくなるまえの3月頃、やっぱりばーちゃんに内緒で一人でこそこそお医者に行ってたことがあったけど、あの時きちんと検査をしていたら、きっともう少し長く生きられたのかなって」
「でもばーちゃん、横暴でわがまま勝手で金食い虫のじいちゃんきらいだったんでしょ？」
「うん、だけど・・・あの時入院して、お酒を飲まないじいちゃんになって『たら』大昔の明るくて楽しくて陽気なじいちゃんになってたかも・・・だから＾＾」
「え～～～お酒を飲まないじいちゃんになって『レバ』のはなしでしょ？ムリムリにゃ＾＾」

ばーちゃん神妙な顔して、お花を生けながらそんな話してるけど。

ふーん。ばーちゃんそんなこと考えていたのか・・・。
にゃんの知らないじーちゃんって、案外いい人だったんだね。
にゃん、お酒きらい。
最近のばーちゃん、おとーさんと一緒によくお酒飲んでるけど、ぎゃはぎゃは楽しそうだけど、おいしいの？
にゃんも飲んでみようかな？