月に1回は街歩きの記事を書こうと思っております。
8月はどこに行こうか考えた時、そう言えば、ここのところ、西区(札幌)に行ってないなぁ、と思い、西区発寒(はっさむ)に行くことにしました。
発寒には、そりゃぁでかい「イオンモール」があるのですよ。
「百貨店」と呼びたくなるくらい、色々なお店が入っておりまして、JRを使えばサクッと行けるのであります。
地名も魅力的。
今回は発寒エリアを歩いてみました。
<「発寒(はっさむ)」地名の由来>
アイヌ語の「ハッチャ・ベツ」が由来。
意味は「ムクドリのいる川」だそうです。
ムクドリが群生していたそうです。
(諸説あるようです。)
<「発寒」エリアの地図>
(色で図示した部分は正確ではありません。参考程度に見て下さい。)
発寒エリアを歩こうと思った時、真っ先に手をのばした資料は、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/02/a1d77b8b0248761738d2134a8a4806be.jpg)
「古地図を歩く 札幌圏」(あるた出版)でありました。
こちらの本を読むと、発寒の起こりは思ったより古く、幕末の安政4年(1857)。
幕府の旗本20人(山岡精次郎ら)を中心とする一団が、辺境の警備と開拓を兼ねて移住したのが最初でありました。
(一団は在住と呼ばれた。)
(一団は在住と呼ばれた。)
在住が開拓したのは、上地図の▩部分。
道路が東西南北に最も忠実に向いております。(真北に向かっております。)
碁盤の目のようにもなっていません。
つづいて開拓された場所は(琴似)発寒川の右岸。(緑線の辺り)
明治8年(1875年)、銭函街道に合わせた角度で建設されました。
(この辺一帯の街はそれが一般的。)
そして、翌年に開拓されたのは、▩の部分。
ここは、当時の磁北に向けた設計になっています。
(確かにちょっとずれてる!テンションMAX!!)
ちなみに磁北とは、
地磁気における北極への方向。
磁気コンパスの示す北。
地軸上の北(真北)とのずれ(磁気偏角)が存在する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/80/5801bb114c64b053368c5a05ad925cc2.jpg)
※図は借用しております。
方位磁石は真北を指さないのですね…
そんな訳で、発寒エリアは3つの方向で作られた街が混在しており、じっくり地図を見ながら歩きたい街なのであります。
ただ、私は、方向音痴なので、別の理由で地図をガッツリ見て歩くことになりました。(汗)
<散策マップ>
<散策の様子>
1.発寒南駅
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/99/ec8eca1c1ce1dbf9c6ea595d88e3ced5.jpg)
今回は札幌市営地下鉄東西線「発寒南」駅の2番出入口からスタートします。
ちなみに、この駅の周辺は「銭函街道」に合わせた角度で、整備されております。
(Google Mapなどでご確認ください。)
2.境界点・その1(青い☆マーク)
札幌の街を歩いていると、街の風景はこんな感じ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/41/850517a4324cac1b923ca174d17590ae.jpg)
スッキリしていて、眺めが良いのですよね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/64/ebbe3ae8bd3b0d5480445e62c147fc09.jpg)
道路が直角に交わっております。
ところが、銭函街道に合わせて角度で整備された街と、磁北に合わせて整備された街との境界点まで来ると、こんな感じ。(地図では青い☆マークの所。)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/f7/f012d1cb21093c41bfe3b9ae5cfb2aea.jpg)
ここは五差路かと、思わず道路の数を数えてしまいました。
(本州以西・以南の街では、こういう風景はごく当たり前だけれど…)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/d5/09f745ec0a4fd5aba2a4f49c95a38d9f.jpg)
方向感覚が全く無い私、この時点で、自分がどこにいるのか分からなくなり、早速、Google Mapをガン見したのでありました。
ただ、今回の散策コースでは、ややこしいのはここだけ。
あとは楽ちんだったのですが、もし「札幌発寒五条郵便局」の周辺を歩くことになったら、間違えずに目的地まで行けるか、全く自信がありません。
とても複雑!
ぜひ、上の「散策マップ」で確認してみて下さい。
3.はつなん公園(発寒三条泉緑地)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/d3/130703d1db18c80aa53733ec79eef24c.jpg)
ボラードがなんともユニークな「はつなん公園」。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/2b/031402c066e94c4840b25e7b2e9c5c7b.jpg)
非常にきれいな公園であります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/56/ef2a283db6274599824228faa5268dde.jpg)
管理が行き届いており、地元の方が積極的に街づくりに取り組んでいることを感じさせます。
発寒って、そう感じさせる場所や場面をよく見かけることのできる街であります。
4.境界点・その2(赤い☆マーク)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/80/6aceb8af73d58fb1a685a2a21306609a.jpg)
発寒南エリアから発寒北エリアに迷わずに行くには、「ぎんなん通」を行くのが一番良いと思うのですが、この通りにはそれだけでなく、1つ重要なスポットがあり、コースとしました。
それが地図の赤い☆マークの所。
江戸時代末期に真北に合わせて開拓された▩の部分と、明治時代に入って磁北に合わせて開拓された▩の部分がつながる境界点であります。
磁北は真北とちょっとずれているがため、道路が右に曲がっております。
明治時代の開拓において、▩の部分の街とつなげる時、当時の人々は何を考えましたでしょう。
それを想像すると、なんだかテンションが上がります。
個人的には歴史遺産か何かにしてもらいたいスポットであります。
<参考資料>
- ハツキタ商店街「商店街の歴史」
- 『札幌の地名がわかる本』(関秀志・編 亜璃西社)
- 『古地図を歩く 札幌圏』(あるた出版)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/star.gif)
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