昔のこと。
ケーキセットは、もうちょっとお気軽にいただけるものでした。
1200円もすれば、すごく高いなぁと思ったものです。
ただし、そのセットのケーキは、とても大きく、具材もたっぷりだったので、納得もしました。
それが先日のこと。
とあるカフェでケーキセットを頼んだら、1400円。
小さなフランス菓子とアイスコーヒー。
いくら手が込んでいるフランス菓子とは言え、1400円はないなぁと思いました。
アイスコーヒーが高すぎるのです。
ケーキだけはひたすら値上がり続けている食べ物。
そのうち1個1000円なんていう、小さなフランス菓子が登場するかもしれません。
そんな訳で、素敵なケーキは家でいただく方が良いという考えが、いつの間にか私の中で定着しました。
パティシエたちが色々な工夫を凝らして作るスイーツは、鑑賞できるほど美しく、日常生活に潤いを与えてくれます。
今回は札幌の老舗ホテル「札幌グランドホテル」の中にある「ザ・ベーカリー&ペイストリー」のスイーツをご紹介したいと思います。
札幌グランドホテルは昭和9年(1934年)に北海道内初の本格的な洋式ホテル として開業しました。
開業のきっかけは、秩父宮雍仁(やすひと)親王が来訪した時(昭和3年)に、「日本で冬のオリンピックを開催するならば、札幌において国際級の大型ジャンプ台と洋式ホテルを作る必要がある。」という一言から。
開業以降、「北の迎賓館」として、「ホスピタリティ・ファースト」の精神のもと、常に一流のもてなしを提供し続けてきました。
同時に「鮭のステーキ 40銭」や「アップルパイ20銭」と言った、当時の市民になじみやすい価格での洋食販売も行っており、札幌市民へのサービス提供にも力を注ぎました。
この札幌グランドホテルの「ザ・ベーカリー&ペイストリー」は、まさしく市民に向かって開かれたお店で、パティスリーたちの高い技術をスイーツやパンを通してをいただくことができます。
こちらでは、各月ごとにテーマを決めて新作スイーツを発表しており、今月はどんなスイーツが登場するのか、楽しみの1つとなっています。
ちなみに今年の6月は、初夏を感じる月ということで「グリーン」がテーマとなっており、こちらのスイーツが登場しました。
<枝豆のブランマンジェ>
「ブランマンジェ」はフランス語で「白い食べ物」という意味で、フランスではとてもメジャーな食べ物とのこと。
砂糖を入れて沸騰させた牛乳に細かくしたアーモンドを入れ、しばらく放置した後、布で越してゼラチンと生クリームを加え、冷やし、固めるというのが基本の作り方だそうです。
食べる時にフルーツソースを添えて食べることが多いそうです。
なるほど、アーモンドの代わりに枝豆を使ったのですね。
和菓子の世界ではすっかり定番となった枝豆(ずんだあんなど)。
洋菓子ではどんな感じとなるのでしょう。
さわやかで酸味のある、それでいて優しい味わいのジュレと枝豆が合うのに驚きました。
それにしても枝豆って本当、独特で個性的な味と風味の食材ですね。
ジュレの中にある枝豆一粒でも強烈にその存在感を発揮しております。
ジュレの下にある「ブランマンジェ」はとても細かくした枝豆が入っていますが、牛乳の香り高さの方が強く、おいしいです。
ブランマンジェの中にある枝豆は、後からジワジワ来るタイプ。
牛乳と粒の枝豆とのつなぎ役的な感じであります。
ジュレだけを食べてみたり、ブランマンジェだけを食べてみたり、あるいは粒の枝豆とブランマンジェを食べてみたり…。
最後は、すべてを口の中に入れて大団円を迎えました。
小さな容器に入ったスイーツですが、色々な味わい方ができて、とても楽しかったです。
<抹茶ゆず>
こういうドーム状のスイーツを見ると、中身は一体どんな風になっているのか、ものすごくワクワクします。
フォークを入れる時にドキドキするので、一見、シンプルな形であっても、こういうスイーツは大好きであります。
さて、こちらは…。
予想が外れました。
ちなみに、予想を良い意味で裏切ってくれるスイーツも大好きであります。
黄色の層がとても小さく、そして緑色の層がこんなにも厚いとは!
なのに黄色の層のなんと香り高く、酸味も鮮烈なこと!
完全に緑色の部分を凌駕しております。
正体は「柚子」であります。
もし、口に入れた瞬間に抹茶の濃厚な味と香り期待していたのなら、そちらも裏切られることとなりましょう。
最近の抹茶スイーツと言えば、そういったものが多いので、ある意味、革新的とも言えるでしょう。
でもね、皆さん。
テーマは「初夏を感じるグリーン」。
もうちょい補足させていただくと、「札幌の初夏を感じるグリーン」であります。
6月と言えば、本州以南は「梅雨シーズン」を迎えております。
しかし、札幌は良い天気に恵まれ、湿度も低く、とても爽やかなシーズン。
蝦夷梅雨がなければ、一番良い季節と言えるでしょう。
このゆずの爽やかさは、まさしく「札幌の初夏」を表したものと思われます。
(あと、札幌には茶畑はない。)
抹茶の味と香りは、ジワジワ来る系。
甘味は控えめで上品な味わい。
甘みのアクセントとして、上に飾り付けられているホワイトチョコレートが立派にその役割を果たしております。
土台となっている生地も美味しいです。
ちなみに、食感のアクセントとして、メレンゲで作られたのか、小さい白いパフ的なものも入っており、感心しました。
やっぱ、プロってすごい。
<グリオットピスターシュ>
「グリオット」とは、フランス産のさくらんぼのこと。
小ぶりで生のままだと酸味が強いそうです。
その「グリオット」を使ったスイーツ。
ピスタチオと良い相性らしく、洋菓子ではこのコンビがよく登場します。
ピスタチオの緑に黒紫のブリオット。
地味な感じがしますが、立方体に整えられたこのデザートが並べられた様子は 気品に溢れ、胸をときめかせます。
側面にもピスタチオの緑。
手が込んでおります。
ドキドキしながらフォークを入れると、鮮やかな赤紫色が目に飛び込んで来ました!
酸味のあるグリオットのクリーム。
さらに中にもグリオットが入っています。
ピスタチオのクリームとよく合っていて、とても美味しいです。
グリオットがピスタチオの美味しさを引き立てているようにも思いました。
ピスタチオが嫌いでない限り、これは皆さん、お好きでしょう!
札幌グランドホテルの「ザ・ベーカリー&ペイストリー」のスイーツ。
一食入魂にふさわしいスイーツなのでした。
<参考資料>
- パンナコッタとそっくり「ブランマンジェ」とは?ババロアとの違いも解説 - macaroni
- ウィキペディア「札幌グランドホテル」
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