休憩
街歩きの楽しみの1つに「ローカルフードを食す」というのがあります。
やはり、その土地のおいしいものをいただきたい、と思ったら、
ここは思い切ってグルメ本等に頼るべきでありましょう。
しかし、1回目の散策ではグルメだけは下調べをせずに浦賀に行ったものですから、
ちょっと悔いが残りました。
(浦賀には2回行きました。笑)
しかし、全く食べなかったわけではありません。
ちゃんと「大平堂」の「虎おどり」を買って、休憩時にいただきました。
「虎おどり」は大粒の栗を白あんで包んだおまんじゅう。
(梅の実が入ったものもあります。)
浦賀の街並みを見ながら、こちらを食するベンチでの休憩は実に良いものでありました。
おいしかったです。
(1つ税込185円也)
このおまんじゅうがなかったら、かなり寂しい散策となっていたかもしれません。
感謝のおまんじゅうです。
ウォーキングマップ
「京急線で行く旅(2) 浦賀・燈明堂への旅 その1」にて参照のこと
ウォーキングスタート
2.大衆帰本塚の碑へ
快晴の空の下、県道208号線を歩きます。
最初の見学場所である「大衆帰本塚の碑」に(いっぱい寄り道をしながら)向かいます。
この碑は浦賀警察署の隣にあり、説明板も用意されています。
大衆帰本塚の碑とは
大衆帰本塚が設けられた時に建てられた碑。
元治元年(1864)9月に建てられた。
篆額は国学者の大畑春国が記し、碑文は中島三郎助が書いた。
なお、碑文の筆致も中島三郎助のものである。
碑材には安山岩の中でも板状節理が発達した箱根産の根府川石が用いられている。
碑文の内容は、この土地が開発される以前の様子と、ここで命を落とした先人たちの思いを忘れぬようにとの思いを
伝えるものとなっている。
平成9年(1997)に現在の地に移された。
(横須賀市公式HPより参照)
浦賀警察署の裏手には昔、火葬場があったのですが、湊の発展に伴い人家が増えてきたため、
山奥に移ることになったのだそうです。
その際、残っていた無縁仏の遺骨を一カ所に集めて再び埋葬するため、「大衆帰本塚」を設けることにしたのだそうです。
「大衆帰本塚」という名前が難しくて、相当時間をかけて調べることになってしまいました。
これだけは「横須賀歴史読本」も詳細な説明を載せていなかったので、最初、本当に困りました。
しかし、そのお陰で「中島三郎助」の名はバッチリ覚えましたよ!
「横須賀歴史読本」にもちょいちょい出てくる「中島三郎助」。
次の見学場所「浦賀コミュニティセンター分館(郷土資料室)」で、私、驚嘆の声をあげることになります。
3.浦賀コミュニティセンター分館へ
浦賀ドック前のベンチでお弁当を食べた後、「浦賀コミュニティセンター分館」に向かいます。
浦賀コミュニティセンター分館の2Fは郷土資料館となっており、
私が行った時は「中島三郎助」関連の展示物でいっぱいとなっておりました。
なんと、1月23日(土)には「中島三郎助まつり」が行われるとのこと。
おまつりが行われるほどの人物であることにびっくりし、途端に興味が湧いてきました。
「中島三郎助」ってどんな人物なのでしょう。
中島三郎助について
文政3年(1820)~明治2年(1869)
代々浦賀の与力を務める家に生まれる。
ペリー来航時における対応が評価されて、海軍伝習所に入所。
慶應4年、榎本軍に同行して函館に入り、翌明治2年に起こった函館戦争で戦死。
菩提寺は横須賀市東浦賀町の東林寺。
(横須賀歴史読本より)
すなわち、
- ペリー率いる黒船に乗り込んだ最初の日本人
- それを機に海防に関する上申書を提出
- 日本初の洋式大型軍艦「鳳凰丸」の軍艦造船委員(建造主任)となった
- 函館五稜郭にて討死した
- 剣術や槍術の目録を取得しただけでなく、文人として和漢の学に造詣が深く、文武両道であった
という人物であり、浦賀の人々が最も尊敬する人物なのであります。
室内には模型(左)が数多くあり、とても楽しい展示となっています。
福沢諭吉や桂小五郎との交流の記録もパネルになっており、非常に興味深く拝見しました。
また、無料でいただいた資料(右)は今回の散策や記事の執筆に多いに役立ち、大変助かりました。
浦賀の見どころ(鏝絵等)も紹介されているので、浦賀に来たら足を運ばれるべきでしょう。
大手のガイドブックに載ってないことがちょっと不思議な見学スポットだと思います。
(浦賀コミュニティセンター分館でいただいた資料の表紙を撮影)
中島三郎助は幕府側とは言え、日本の近代化に力を尽くした人物なのですが、
残念ながら山川の「日本史用語集」にもその名を見ることはできません。
しかし、100年以上経った今でも地元でイベントが行われ、敬愛されている「中島三郎助」。
間違いなく浦賀散策の重要人物なのであります。
(浦賀はペリーだけじゃないのね。)
お世話になった資料
-
横須賀美術館てづくりおさんぽマップ
-
別冊歴史読本54「横須賀歴史読本」
-
「歴史のまち・浦賀 散策の手引き」、「浦賀奉行所と与力・中島三郎助」
(いずれも浦賀コミュニティセンター分館でいただいたもの) -
エイムック3103「横須賀本」
浦賀を歩けば歩くほど日本近代史の勉強になります。≫