地名の成り立ちとは面白いものであります。
時に「通称」からできることを、ここ札幌で学びました。
例えば「美香保(みかほ)」や「光星(こうせい)」、先日取り上げた「鳥居前」などがその一例であります。
(これらはすでに記事にしております。)
まだまだそうした例は、札幌にはあるようでして、それがこちら。
「大学村」であります。
(住居表示とはなっておりません。)
「大学村」と呼ばれる理由は、ここの歴史に関係があります。
ここは元は札幌農学校第三農場でありました。
(札幌農学校は現在は北海道大学。)
ちなみに第三農場はだいたいこの辺り。
(目安としてご覧ください。)
北20~49条東1~8丁目にあったそうです。
めちゃくちゃ広いですね。
昭和25年(1950年)、北海道大学はそれまでの「法文学部」を「法経学部」と「文学部」に分割し、本州から多くの教官を招き入れたため、新任教官用住宅が必要となり、現在の「大学村の森」があるところに75戸の木造家屋を建設しました。
最初は、進駐軍の解体資材などを利用し、10万円程度の建設費用だったことから、「10万円住宅」とか「文化住宅」とも呼ばれたそうですが、やがて「大学村」の名が定着しました。
ちなみに「大学村の森」以外に、「大学村」またはそれに関連した名をつけている施設は以下の通りであります。
銭湯「大学湯」。
このエリアの歴史を知らないと、「なぜ、大学湯?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。
セイコーマート大学村店。
以前はバス停にも「大学村」の名を見ることが出来たそうですよ。
名の由来となった教官用住宅はもうありませんが、都市緑地として整備された 「大学村の森」がある限り、「大学村」の名はずっと残っていくことでしょう。
札幌の歴史の一端をこの地名を通して見ることができ、とても良い散策となりました。
ところで、実は札幌にはもう一つ「大学村」と呼ばれた場所があります。
それについては、また後ほど。
<参考資料>
- ウィキペディア「大学村の森」
- 『札幌の地名分かる本』(関秀志・編 亜璃西社)
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